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「美白化粧品はシミに効かない」なんて言わせない!美白化粧品だからこそできる「シミへのアプローチ」について解説!

こんにちは!
COCO.libraryのゆうくです!
突然ですが、こちらの画像をご覧ください。

年齢別のシミスコアの変化
引用元:肌ラボ®白潤プレミアム® | ロート製薬: 商品情報サイトより

こちらは年齢別の「シミの個数(スコア)」について調べられたデータです。30歳から35歳にかけてシミの増加スピードが2.3倍になるということが報告されており、アラサーの僕としては対策をとらないと…と考えさせられるデータです¹⁾。
また、シミは「紫外線」が主な原因として考えられており、紫外線量が多くなる春から夏にかけてのこの時期は、さらに注意が必要です。

シミに対するデイリーケアには、美白化粧品を使用することが挙げられます。
しかし、美白化粧品について検索してみると「シミは美容医療でなければ効果はない」というコメントが書かれた記事を多く見かけます。
化粧品に関わる仕事をしている僕としては、とても悲しいですし、美白化粧品に対する大きな認識違いがあるように感じました。
そこで、今回の記事では「化粧品によるシミへの効果」に焦点を当て、化粧品だからこそできるシミへのアプローチについて解説していきます!


化粧品だからこそできる「シミへのアプローチ」とは

多くの記事やSNSでのコメントを見ていると「シミには美容医療!」「化粧品はシミに効かない!」という認識があるように感じました。
しかし、化粧品と美容医療は「役割(目的)」が大きく違います。

■美容医療(外科)²⁾
 眼、鼻、顔面、皮膚などの形状をより「美的に形成」することが目的
■化粧品³⁾※
・一般化粧品
 皮膚または毛髪を清潔/美しい状態の「維持」が目的
・医薬部外品
 一般化粧品の効果に加え、肌荒れやニキビを防ぐのような「予防」が目的

  ※化粧品は、「医薬品医療機器等法」によって一般化粧品と医薬部外品に分類されます。  
医薬部外品は厚生労働省によって認められた効果を持つ「有効成分」が配合されています。
そのため、一般化粧品よりも謳える効能効果が多くあることが特徴です。

上記の目的の違いから考えると、美白化粧品は「これからシミを作りたくない!」という方に適していると考えます

では、美白化粧品は「これからできるシミ」に対して、具体的にどのようなアプローチができるのか?について、詳しく解説していきます!

美白化粧品による「これからできるシミ」に対するアプローチ

そもそも「シミ」とは、紫外線から肌を守るために産生された「メラニン」という色素が過剰に作られてしまい、肌内部に蓄積してしまう状態のことです⁴⁾⁵⁾。
紫外線によるシミ発生までのプロセスを簡単に説明すると以下のような流れです。

①紫外線によって表皮の細胞がダメージを受ける
②ダメージを受けた表皮細胞が「メラノサイト」を活性化する
③メラノサイトによってメラニンが作られる
④作られたメラニンが表皮細胞に渡され、肌内部に蓄積し、シミが発生する

紫外線によってシミが発生するまでのプロセス

今までの美白化粧品では、メラニンを作る細胞である「メラノサイト」に作用するアプローチが主流でした。
しかし、各社化粧品メーカーによって行われている最新の研究では、「メラノサイト」とは別の場所へアプローチをしてシミを改善する効果が検討されています。
そこで、「今までの主流のアプローチ」と「これから期待される最新のアプローチ」について詳しく説明していきます!

今までの主流のアプローチ

美白化粧品はシミに対して、様々な成分でアプローチをしています。
今回はその代表として医薬部外品に配合される有効成分について紹介します。

美白有効成分の「メラノサイト」へのアプローチは、主に以下の2つです。

①メラノサイト内で、メラニンを作る際に働く「チロシナーゼ」という酵素の活性を抑える
②メラノサイト内で作られたメラニンを、表皮細胞に受け渡されないようにする

これらの作用によって、「そもそもメラニンを作らせないようにする」効果が期待されます。

美白有効成分のよるメラノサイトへのアプローチ

上記までのシミが作られるプロセスや、その他の美白有効成分のシミへのアプローチ方法については下記の記事でさらに詳しく説明しています。
気になる方はこちらもお読みください!

最新のアプローチ

近年は、皮膚内部におけるシミができる/濃くなる原因が、様々な場所にあることが報告されています。
そこで、今回は各化粧品メーカーの従来の方法とは異なるアプローチに着目し、最新研究を紹介します!

■「血管」にアプローチした研究(資生堂)
資生堂社の研究にて、シミがある部位の「血管の密度」がシミの改善に影響する可能性がある、と報告されています。
美容医療にて、「レーザー」を使用してシミをなくす治療方法(レーザー治療)があります。
この治療では、改善効果にバラツキがあり、血管との相関を見てみると逆相関(血管が多いほど改善効果が低い)の関係があることが分かりました。
このことから、皮膚の奥(真皮内)の血管密度が高い部位のシミほど改善されにくいことが示唆されています⁶⁾。

レーザー治療による改善効果と血管密度の関係
引用:資生堂、シミ部位の血管密度が色素沈着の改善に影響することを発見,
資生堂プレスリリース

そのため、「シミ部位で異常に血管が増えることを抑える」という新しいアプローチによって、シミの改善効果が期待されています。

■「神経」にアプローチした研究(ポーラ)
ポーラ社の研究にて、シミが多い部位では「神経線維」の密度が高いことが発見されました⁷⁾。

シミの部位と神経線維の密度の関係
引用:シミの部位には神経が集まっていたことを初めて解明, 
ポーラ・オルビスニュースリリース

また、神経線維がメラニンを作る「メラノサイト」に接触し、直接刺激している可能性があることも報告されています⁸⁾。
このことから、神経の密度が高い場所では、メラノサイトが刺激されやすく、シミができやすくなることが推察されます。
そのため、この「神経」にアプローチした新しいケアの開発を進めることでシミを根本改善できる可能性が示唆されています。

この神経の密度が高い部位とシミの関係については、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はこちらもぜひ読んでみてください。

■「表皮細胞の分裂」にアプローチした研究(コーセー)
コーセー社の研究にて、シミが多い部位では表皮の基底にある細胞が「横方向に分裂する」回数が多くなっていることが発見されました。
本来、表皮の細胞は外側(縦方向)に向かって押し上げるように分裂し、角層細胞という皮膚の最外層の細胞へと成熟(分化)していきます。
しかし、シミが多い部位ではこの分化ができず(横方向に分裂する)、メラニンを持った細胞が表皮内に留まってしまうことでシミの原因となってしまうことが示唆されています⁹⁾。

シミと細胞分裂の関係
引用:シミ形成には細胞分裂の方向が関与していることを発見,
コーセーニュースリリース

そのため、細胞の分化を促進することでメラニンを持つ細胞が表皮内に滞らないようにするケアがシミ改善に効果的な手段の一つとして期待されています。
同社の研究にて、表皮細胞の分化を促進する効果のある成分として「ナツシロギクエキス」が開発されており、シミ改善効果が期待される化粧品へ応用されています。

■細胞の「オートファジー」にアプローチした研究(小林製薬)
小林製薬社の研究にて、細胞が持つ不要なものを分解する力(オートファジー)により、細胞内にあるメラニンの集合体(メラノソーム)を分解することでシミの改善効果が期待されることが報告されています¹⁰⁾。

メラノソーム分解の様子(メラノソーム分解能を持つ3成分を添加した際の様子)
引用:できてしまったメラニンに着目 シミへの新アプローチ
~メラニン集合体を分解する成分を発見~, 小林製薬ニュースリリース

同社による研究ではオートファジーを高める効果が確認されているエキスを配合したクリームによって、シミの改善(薄くする)効果が確認されています¹¹⁾。

セージエキスとビタミンC誘導体によるシミ改善効果
引用:セージエキス及びビタミンC誘導体の新規シミ抑制メカニズムを発見
~オートファジー活性に着目し、世界初のシミ対策技術に応用~, 小林製薬ニュースリリース

この結果から、化粧品成分によりオートファジー活性を高めることで、シミの予防だけでなく、できてしまったシミを薄くする効果まで期待されます。


このように、各化粧品メーカーでは従来の「メラノサイト」とは異なるアプローチも行っており、スキンケアでのシミ改善効果をさらに進化させています。
この記事を作成している間にも、各化粧品メーカーによって、最新のアプローチに関する研究が進んでいると考えると、化粧品の進化にワクワクしますよね。
今後も、COCO.libraryでは最新情報をお伝えしていきたいと思いますので、ぜひご期待ください!


■参考文献
1) 年齢別のシミスコアの変化, ロート製薬, 肌ラボ®白潤プレミアム®商品情報サイト (参照:2024/5/1)
2) 美容外科とは, 特定非営利活動法人 日本美容外科医師会 , ホームページ (参照:2024/5/18)
3) 化粧品と薬用化粧品, 日本化粧品工業会, ホームページ (参照:2024/5/18)
4) パーソナルケアハンドブックⅠ, 日光ケミカルズ株式会社, 534-550, (2016)
5) 化粧品用語集「しみ」, 日本化粧品技術者会 (参照:2024/5/2)
6) 資生堂、シミ部位の血管密度が色素沈着の改善に影響することを発見, 株式会社資生堂, プレスリリース (参照:2024/5/1)
7) シミの部位には神経が集まっていたことを初めて解明, ポーラ・オルビスホールディングス, ニュースリリース (参照:2024/5/1)
8) ポーラ化成、世界的に権威ある化粧品技術者学会にて発表 シミはなぜそこにできるのか, ポーラ・オルビスホールディングス, ニュースリリース(参照:2024/5/1)
9) シミ形成には細胞分裂の方向が関与していることを発見, 株式会社コーセー, ニュースリリース (参照:2024/5/1)
10) できてしまったメラニンに着目 シミへの新アプローチ ~メラニン集合体を分解する成分を発見~, 小林製薬株式会社, ニュースリリース (参照:2024/5/1)
11) セージエキス及びビタミンC誘導体の新規シミ抑制メカニズムを発見~オートファジー活性に着目し、世界初のシミ対策技術に応用~, 小林製薬株式会社, ニュースリリース (参照:2024/5/1)

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