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ジョジョの奇妙な冒険 第7部 『スティール・ボール・ラン』を読もう その①

こんにちは!
久しぶりに好きなもの語りをしていこうと思います。
今回は荒木飛呂彦さん作、ジョジョの奇妙な冒険シリーズ第7部(便宜上、SBRと表記する)について感想と自分なりの解釈について述べていきます。

最近Kindleでデジタルカラー版の漫画を全24巻購入しました!!
フルカラーでジョジョを読むことができるなんて何たる贅沢!デジタルで購入する場合、カラーを選ぶことをお勧めします。
アニメを見ているかのような臨場感を味わうことができますよー☺️

それでは軽く漫画のあらすじをご紹介します。

19世紀末、舞台はアメリカ。史上最大の北米大陸横断レース『スティール・ボール・ラン』レースが開催されることになった。
主人公はジョニィ・ジョースター、半身不随の元天才ジョッキーだ。謎の青年、ジャイロ・ツェペリと手を組みレースに挑む。
巨額の賞金をめぐる熾烈な争いに様々な思惑が渦巻きレースは思いがけない方向へ突き進んでいく。展開から目が離せない冒険譚!

もうこのあらすじだけでワクワクしてきますよね!実際読んでいてページを捲る手が止まらなかったです笑
少しずつ読もうと思ったら無理でした。読み終わってからも興奮して眠れない、そんな作品です。

今回の記事ではストーリーの視点から感想をまとめます。本当はもっと色々語りたいけどまとまりがなくなりそうなので笑
次回はキャラクターについて語ります。

①回転という概念
②遺体の奪い合いとレース
③それぞれの成長

①回転という概念

SBRを読み進めていく上で重要になってくるのはこの、回転という概念だと思うのです。
漫画を2周ほど読んでなんとか理解できたような……。それぐらい解釈が難しい。

ジャイロは鉄球を回転させることで相手に攻撃することができます。それはツェペリ家が代々継いできたという技術であり特殊能力、スタンドでは無いのです。

鉄球を投げてぶつける

という単純な戦い方はなく、鉄球を投げたことで起こる回転で周りを作用させて戦うのです。そこがキーポイント。
例えば鉄球を投げることで近くの小石を弾き飛ばして目眩しにするとか、木をしならせるとか……。回転することで何かが起こる。そのバリエーションが多くて混乱するのです。回転したことによってこれから何が起こるのか……全く予想がつかない。

だから面白い笑

私が予想もできないことが次々と漫画の中で展開していくのは回転という概念がそうさせているのだと思います。

回転ってぐるぐる回ってるだけじゃ無いか!それが大きなエネルギーになると思えない。ましてや銃や刀のような武器に比べたら弱そう。なんて思いっていましたがよくよく考えるとずっと昔から存在する基本的な力、エネルギーが回転なのでは?と思い至りました。
回転いう動作を意識していないだけで全ての動きに回転は関わってきているように思えます。うまく説明できないけど笑
銃弾も回転しながら飛んでいくはずだ。

地球だってずっと自転してるわけですし、それによって時が生まれる。地球が回転することで地球環境が大きく変化する。そう考えると回転とは単純でありながらもとても強力なエネルギーなのでは?と思いませんか。

ところで漫画の中では『黄金の長方形』というワードが出てきます。
それは黄金比と同じ理論で、物が美しく見える比率のことを指します。その比率は1:1.6らしい……。長方形だ笑
たとえばモナリザもその黄金比を意識して描かれている。
美術の教科書で絶対見かけますよね。
黄金比の例としてよく記載されているのがオウムガイの殻の螺旋……回転だ!笑
この作品で言う黄金の長方形というのは完璧な美しさを表すのではなく、簡単には壊されない強靭な力として描かれているのでは無いでしょうか。
黄金比は砕けない!笑

回転は宇宙であり、地球に生まれた美の集大成である。

関係ないけどSBRを読んでると美術の時間に使ったデッサンスケールを思い出すな……。

②遺体の奪い合いとレース

この作品の最大の見どころはなんといってもレースです。
総距離約6,000km!しかも馬で!
レースにかける思いもそれぞれで感情移入してしまいます。

自分のために走るジョニィと人のために走るジャイロの対比が好きです!

賞金や莫大な富のために走る者がほとんどのレースですがそれぞれの思いを胸にレースに身を投じていく姿は胸が熱くなります。

何かに命をかける人の姿って魅力的で、惹きつかれますよね!(善悪に関わらず笑)

レース模様はリアルで、ちゃんと騎馬技術を駆使して進められます。すべてスタンドでなんとかしちゃうというわけではないのでご安心を!笑

リアルな騎馬技術とスタンドを組み合わせてレースは進んでいきます。

とくにチェックエリアでのラストスパートは見逃せないのです。
一体誰がゴールテープを切るのか!!

あと少し及ばないことがあるとめちゃくちゃ悔しい気持ちになります。ジャイロがディエゴを抜かしたのに認めてもらえなかったシーンは私も悔しかったです!笑

優勝者にきっと貴方は驚くはず。

きっと真の優勝者は読んでいる人によって違うかも。貴方は何をもってこのレースを制したと思いますか?

レースと同時に注目するのが……遺体の奪い合いです。

実はこのレース、遺体を集めることを目的としたアメリカ大統領が仕組んだものだったのです!聖なる遺体とはスタンド能力を強化、人に力を与える不思議なもの。
それがレースのコース上に散らばっておりそれを探し出すのも物語のひとつになっています。

遺体とは何なのか?
アメリカ大統領の目的とは?

ただでさえ過酷なレースなのに更に世界の命運がかかったレースへと変貌してしまいます。

レース×宝探し×奪いあい……盛りだくさんな内容に。


遺体の所有者が移り変わり戦況が刻々と変化していくのも見ものです。

③それぞれの成長

この物語は僕が歩き出す物語だ

肉体が……という意味ではなく
青春から大人という意味で……

これは1巻、ジョニィの言葉なのですがまさにSBRを表している言葉だと思います。
ジョニィは19歳でちょうど大人と子供の狭間の年齢です。
天才ジョッキーとして名を馳せていたジョニィですがたった一度の過ちで転落した人生を送ることになります。

マイナスからのスタート。

少年漫画ではあまり見かけない衝撃的なはじまり。私はこの異質な物語のスタートが気に入っています。
私もマイナスからスタートしたようなものだし……。笑
余計に物語が沁みるというか、心に響くのです。

「全て」を敢えて差し出した者が
最後には真の「全て」を得る

12巻にてシュガーマウンテンという女の子が言った言葉です。

空っぽの何も持ち得ない主人公が何かを得る……。その光景こそ多くの人の感動を誘うのでしょう。
最初から強かったり、優遇されているキャラクターとは大きく異なり人間の深みのようなものを感じることができます。

ジョニィは回転についてジャイロから教えてもらうのですがLessonはいつも突然始まります。戦っている最中であることが多く、ジョニィが教えてほしい時に教えてくれるものでも無いのです。しかもとても厳しい笑

そのLessonをこなしていくごとにジョニィは戦い方や考え方を学んで成長していくのです。
最後の最後でLesson1、基本に戻ってアメリカ大統領を打ちのめすシーンは胸熱でした!やっぱり基本……というか原点に帰ってくるものなのですね。

成長したのはジョニィだけではなくジャイロもだと私は思います。

最初はレースで優勝することばかり考えて最短距離ばかり選んでいるジャイロでしたがジョニィと行動するようになってから状況に合わせた独自の道を選ぶことができるようになります。

馬乗りに関してはジョニィがジャイロの師であり、回転についてはジャイロがジョニィの師だったわけです。

私はこの2人の関係がとても好きです。師弟関係、親友とも違う……この不思議な関係が。男子高校生のようなノリも見ていて楽しいです。

俺はこのSBRレースでいつも最短の近道を試みたが
『一番の近道は遠回りだった』
『遠回りこそが俺の最短の道だった』

21巻でジャイロが放った言葉。私が1番好きな言葉でもあります。

ジャイロもジョニィと出会ってその思考や精神面が成長したのです。

大人になったら成長できない?いえいえ、人との出会い、行動によって人は成長していくことができるはず。前へ歩き出すことができるのです。

SBRは爽やかな締め方をしているのでぜひその読後感も味わってほしいなんて思います。

以上長々と語ってしまいましたが魅力は伝わったでしょうか?
最後までお読みくださりありがとうございました☺️

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