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[#1なぜ走るのか] マラソンから学んだ”生きること” 

ありがとう。

きっと、多くの方が今まで口にしてきた言葉。
心の中にある感謝の気持ちを伝えたいとき、人はこの言葉を使う。
私はこの日20年間生きていた中で、心からありがとう。
と思い、伝えた日だった。

今までに経験したことがない感情を抱いた1日だった。
3部制で、フルマラソンに出場した日のことを綴る。


フルマラソン


このnoteにも書いたように、私はフルマラソンでサブ4を達成することを、2024年の目標に掲げていた。
サブ4とは、フルマラソン(42.195㎞)を4時間以内に走りきることである。
マラソン経験者なら、誰しもが憧れるサブ4。
私は、今回でマラソン大会出場が3度目であり、今までの大会で順調に20分ごとにタイムを縮めていた。(↓は、2度目に出場したフルマラソンの完走の感想を書いたnote。←ダジャレじゃないよ!)
そのため、今回も20分タイムを縮めることが出来れば、余裕でサブ4達成できると気付き、サブ4という目標を設定した。




なぜ走るのか? ~3つの理由~

では、なぜ私はフルマラソンを走るのか?
それは、3つの理由があるからだ。


1つ目に、走ることが好きだからだ。
シャトルラン・持久走・マラソン大会.…
学生時代に、これらが大好きだったという人になかなか出逢ったことがない。冬の体育の授業では、欠席者が続出したのを覚えている。
このnoteを読んでくださっている方々でも、マラソンなんて無縁だと思っている方も中にはいるかもしれない。

だけど、なぜか私は好きだった。
シャトルランは、クラスの中で最後の最後まで走っていたし(男子の強者には敵わず悔しい思いをしたのだが、、)
マラソン大会でも、トップに選ばれてランキングに名前がのった。
体育祭で、中1ながら学校の中でトップに選ばれたこともある。

あの井上咲楽さんも、記している。
走ることは、単なる顕示欲承認欲求と、自己満なのかもしれないと考えたこともある。
球技やダンスのように技術的なものは、求められない。
だからこそ、努力と忍耐力で頑張りを示したかったのかもしれない。
思春期の頃は、特に周囲との差や違いに敏感になる。
私は、背が低いのに他の人よりも筋肉質で骨太いのが、いやだった。
だからこそ、この私の筋肉は走るためにあるのだ!ここで1位を取らなきゃこんな体なのにもったいない!と自分を鼓舞して走っていた。
そして、何より自分が好きな”走る”ことをすると、自然と応援されるのだ。
私は、幼少期にチアリーダーとして、応援をしていた側だった。
だが、応援されることの幸せも、フルマラソンを通して知ることができた。
フルマラソンでは、応援される側と応援する側のそれぞれの需要と供給が一致するのだ。
走ることが好きな私にとって、フルマラソンは絶好の機会なのだ。



フルマラソンを走る理由の2つ目は、自信を得たいからである。

誰かに、褒められるわけでもなく、これからの資格を得るためだけではなく、ただ自分自身の自信をつけたい。
私は、受験でも、何でも失敗が多い。そして、優勝を逃してきた経験もある。
だが、何か1つでも、ベストを掴み取りたい。成功体験を味わいたい
誰しもそのように考えたことがあるのではないか?

そもそも、人間の体の構造は長距離を走ることに特化している。
私は現在農学部に在籍している。普段の授業では生物学的なことも学んでいる。
ある日の授業でのこと、進化に関する興味深い話を聞いた。
人は、持久力を縄文時代の狩りをするときから、身につけていた。
まず、生物には体温を調節できる”変温動物”と、調節できない”恒温動物”の二つに分けることができる。
ここで面白いのが、人間は恒温動物なのだが、体温を下げることに特化して進化してきたのだ。
これは、後に素晴らしい効果を発揮することになる。
具体的な体温を低下する方法は、汗をかき、水分が蒸発する時に気化熱として体の熱をうばっていき、体表面の温度を低下するというやり方だ。
しかし、他の恒温動物はどうだろうか。汗腺が退化しているため、体温調節が出来ない。
例えば、狩りで追いかけられても、必死に逃げる動物たちは、熱中症になりばててしまうのだ。
一方で、人間は体温調節ができるため、狩りで長期戦に持ち込んだとしてもばてることなく、走り続けて捕まえることが出来るのだ。
この人間の進化は非常に、素晴らしいものだ。
しかし近年は、この長距離を走る能力も体温調節能力も、衰えてしまっている。私は、この話を授業で学んだときに、人間としての自信を取り戻したいのだ、と気づいた。



そして3つ目に、誰かに勇気を与えたいからだ。

先ほども書いたように、私はチアリーダーとしてマラソンランナーを応援していた側であった。チアリーダーは”応援する”ことが役割なのだが、なぜか私もランナーから応援されている気持ちになったのだ。
先の見えないゴールに向かって、一生懸命に手を振り走る姿に心を動かされた。
また、24時間マラソンのランナーを見ると、毎年涙が止まらない。
おこがましいかもしれないが、私も誰かの心を動かせる人になりたい。勇気を与えたい、と思ったのだ。
だが、第3部まで読んでもらうとわかるのだが、実際には勇気をもらって助けてもらうことになる。

”走る=辛い”
そんな風に考えている人も中には多いだろう。
しかし、
走ってみると。新しい世界が広がる。
走ってみると、出逢える人がいる。
走ったあとに、気付く感謝がある。
走ったことで、学んだことがある。

ここから先、第2部・第3部では、私が想像もつかないくらい辛いことが起きてくる。
それでも、私は絶対にあきらめたくなかった。もはや”諦める”なんていう選択肢は私にはなかったのだ。
何度も、あきらめそうになった。
もうリタイアしてもいいのではと思った。
だけど、ゴールに待っている仲間たちのことを考えると、体が自然と動いた。


仲間

「仲間っていいもんだ」
今回、いつもの大会と比べて確実に仲間が多かった。
ちょうど一年前に、設立した農業サークルメンバーにマラソン大会についてプレゼンを行った。

そのプレゼン効果のおかげで、見事に10人ほどのマラソン仲間を増やした。
そして、当日の大会まで、一緒に走ったり、ランニングアプリのタイムラインで、それぞれの練習成果を共有したりして、お互いのモチベーションを高めて練習の励みになっていった。

一人ではなく、仲間がいることの精神的な安定は、素晴らしく、やる気が出ない時も、仲間の練習内容や頑張りを見るたびに、私も走ろう!
と思えた。
こんな最高条件の中で、4ヶ月ほどの練習をして、当日の大会に備えていた。


そして、当日。


私は、スタート位置につき、心弾ませていた。
このスタート直前の何ともいえない空気感が好きだ。
何千人もの見知らぬ人が、スタート位置に立つと、自然と仲間だと思えるのである。
そして、いよいよ長旅が始まると思うと、胸が高鳴るのだ。




ここから先、フルマラソンのことを記していきますが、みなさんも走ってみたいという気持ちは湧いてきましたか?
少しでも、そんな気持ちが生まれたら嬉しいです!!

ここからは、第2部の冒頭を少しだけお届けします。



よーいstart


走り始めた。
心の弾みは、更に高まった。
やはり走ることが好きなのだ、と改めて気づいた。
心も体も、軽くゴールまでの道のりに胸が踊る。


そして私は、最初に見たTシャツの”言葉”に救われることとなる。


続く、、、



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