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"世界一幸せな国"は嘘っぱちだった!デンマークで暮らしてみて気がついたこと Vol.1

初めまして。デンマークの首都コペンハーゲンにて生活・仕事をしているCocoと申します。普段の生活で受け身にならずに、北欧で実際に暮らして気がついた事や経験を発信していきたい、地球の反対側の日本で北欧に興味のある方に少しでもリアルな情報を届けたい、という思いからnoteを始めました。
投稿が不定期になったり、ブログ初心者なので読みにくい事もあったりするかもしれませんが、長い目で見守って頂けたら幸いです。

さてみなさん、北欧と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。
そもそもデンマークは北欧の中でどこに位置するのか分からないという方も多いのでしょうか。(一番左イギリスに近い小さな島がデンマークです。)

北欧は世界一幸せな国と引用されることが多々あり(国連が毎年発表する世界幸福度報告「幸福度」ランキングによると2022年度世界1位はフィンランド、2位がデンマーク、スウェーデン、ノルウェーも上位10位以内)、日本では特に北欧デザインやライフスタイル、さらに高福祉国家として話題になる事も多いですよね。
そんなメディアの報道により、日本にいる家族や友達に「デンマークだからヒュッゲ(Hygge: デンマーク語で"居心地の良さ"を表す言葉)の文化でゆるくて労働時間も少なくて生活楽しそう(楽そう)」と言われる事もしばしばですが、現実は違うのです!
そんな実際に私がデンマークで生活して発見した数あるギャップのうち、最近日本に一時帰国し、北欧をはじめヨーロッパへの移住を検討している日本の友達が特に驚いた4つのことをご紹介させて頂きます。

Vol.1 住み続ける事自体がほぼ無理!?厳しすぎるビザ要件〜就業ビザ編〜

デンマークの就業ビザの実態

私が現在デンマークで居住し、フルタイムで働くために取得しているビザはワークビザ(就業ビザ)なのですが、実はこれ雇用主がスポンサーをしてくれなければ取得する事ができないのです。
ですから、デンマークの企業の雇用優先度としては、まず国民でありデンマーク語での仕事もできるデンマーク人→ビザの支給が不要なEU出身の人→ビザの支給が必要なEU出身以外の人。日本人として就業ビザを取得するには、日本人としての付加価値の高い企業や職種(例: 日本市場に参画したい企業・日本語翻訳が必要な職種)を優先的に探していく事がコツとなります。
デンマークの就業ビザには、複数種類が存在しますが、どのビザも用件が毎年(もはや半年のペースで)厳しくなっています。

デンマークの就業ビザの種類

Fast-track scheme (https://nyidanmark.dk/de-DE/You-want-to-apply/Work/Fast-track)
デンマーク移民局がEU以外の国から高度スキルを要する人間を雇用する必要性が高いと認証した企業のみが申請可能な就業ビザ。その認証には企業自体の査定を通過する必要がある。認可を受けた企業はその他の就業ビザより早い期間で雇用者に就業ビザが与えられる上、就業ビザが降りる前に終業を開始させる事が可能。(つい最近私はこのビザを取得したのですが、その他の就業ビザが4ヶ月以上審査に時間がかかるのに対し、Fast-track schemeビザはオンラインで書類提出し、移民局で指紋認証を完了してから約1週間という驚くべき早さでビザを取得する事ができました。)

Pay Limit scheme (https://nyidanmark.dk/de-DE/You-want-to-apply/Work/Pay-limit-scheme) 年収が最低448,000デニッシュクローナ(約820万円)以上の職種に雇用されたEU以外の国の雇用者に与えられる就業ビザ。契約書に提示された契約期間デンマークに居住し、フルタイム勤務が可能。契約書に具体的な契約期間が提示されていない場合は、パスポートの有効期限まで。ビザ申請からおりるまでに1ヶ月程度と移民局公式サイトには記載されていますが、審査書類に何も問題がなかった私の場合で4ヶ月ほどビザ取得にかかりました。

Postitive List for People with a Higher Education (https://nyidanmark.dk/de-DE/You-want-to-apply/Work/The-Positive-Lists)

Positive Listというデンマーク政府がデンマーク人だけでは労働人口が足りていない職種のリストに該当する職種で、申請者の学歴(大学または大学院レベル)がその職種で就業するのに必要なスキルや知能を習得したと認められた者に与えられる就業ビザ。このリストに提示される職種は、主にITエンジニアや医者、公認会計士、弁護士が含まれる。注意しなければならないのは、このPositive Listは年に2回更新されるため、ビザ申請をしようとしていた職種が申請時にはリストから外されいる可能性があること。同じく日本人で審査書類に不備があり、再提出となった友達の場合はビザ申請をした日から7ヶ月経った今もビザがおりていないというのが現状です。

その他PhDの学生用のビザやゲストリサーチャー用の就業ビザが存在します。


各ビザの要件を比較すると、雇用主に余裕がある(申請する職種に払う事ができる給料の高さ・規模の大きさ)ほど、そして高度なスキルを要する専門職であるほど就業ビザの申請・取得がしやすい傾向がわかります。
どの就業ビザも転職する場合は新しい雇用主に新たに就業ビザ申請の承諾を得る必要性があり、一度の申請に4,405デニッシュクローナ(約8万円)かかるので、契約時に雇用主からいかに信頼を得られているかが重要になるのです。私の場合は、現職がスタートアップ企業でCEOにとって初めてのビザ申請を要する従業員だったので、尻込みして申請料は自分の給料から控除して払って下さい、と伝えました。。。また、そもそも学生ビザを取得していて雇用の途中で就業ビザが必要になったため、ビザ申請を許可してもらうに似合う高いパフォーマンスを出し続けるプレッシャーで寝れなくなることや過呼吸も経験しました。

だからこそ、先程書いたいかに日本人として価値のある職種なのかということを軸に職探しをする事がビザ取得の前に申請することを可能にしてくれるカギだと思います。

そんなこんなで世界一幸せと言われる国にいながら、厳しいビザの取得に悩まされるマイノリティとしての生活を送っている私には、デンマークは世界一幸せ、または日本に比して幸せとは到底いえない厳しい国というのが現状です。

最後までお読みいただき有難うございました。コメントや希望の内容等ありましたらぜひ教えていただければ幸いです。




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