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母の短歌/冬のリアルな情景
前席にかけたる人がしばらくを皮ジャンパーより冷気を放つ
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そろそろ暖かくなって来ましたが、今日は冬の情景を切り取った歌を。
真逆の季節、例えば暑い真夏に冬の映画を見た時、白い吐息やメルトンのコートを見て、より強く『寒い雰囲気』を感じる事があると思うんですね。
この句を初めて読んだ時が暑い季節で、私はまさにそんな感じを受けました。何気ない情景を読んだ歌ですけれど。
講座か何かで冬の部屋にいる時に遅れて人が入って来た時の感覚ーー、バスや電車の中でもこのような経験をした方がいらっしゃるのではないでしょうか。
冷気は『匂い』のような感覚があるんですよね。
短い五・七・五・七・七の中で効果的に相手に感情移入させる短歌という表現は本当に奥が深いな〜、とシンプルな歌だけに唸らされました。
奥が深いといえば母の代わりに出た短歌の表彰式で受賞者の歌の読み上げを聞いたのですが、還暦を過ぎた方の歌で衝撃を受けた作品があります。
歌自体は覚えてないのですが、内容は露天風呂で義足の娘のシルエットに月光が反射した瞬間を詠んだものでした。
家族で貸し切った露天風呂で、岩にこしかけて傍に置いた娘の義足が月光で照らされた瞬間が美しかった、という説明をされていました。
少しフェティッシュな印象も受ける歌を、見事に上品に落とし込んでおられました。あまりに見事でメモする事も忘れていました。
どこか探せば記録があるのでしょうが…◾️
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とにかくやらないので、何でもいいから雑多に積んで行こうじゃないかと決めました。天赦日に。