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想像してごらん、○○の世界を

大学の頃によく幼い議論をした(笑)

殊更、ジョンレノンのイマジンを巡っては嫌理想派と肯定派とで
どっちがどうだとかサークルを2分しての議論になったが
どういう決着になったのか覚えていないところをみると
飽きてしまって後半戦は下ネタになってしまったのかな(笑)

僕はどちらかというと肯定派にいたのだが、
大した理論武装もせずに幼い議論を扇動していたような気がする。
我ながら性質(たち)悪い(笑)

でも、世間は、
なんであんなにイマジンをもてはやすんだろう?
なんであんなに直球なメッセージなんだろう?

実際のところ僕はこの疑問を持て余していた。
ところがとんでもないところでその疑問を払底する言葉に出会う。

和を以(も)って尊しとなす

聖徳太子の17条の憲法である。

初めて知ったファミコンとミリタリーにどっぷりハマっていた小学生の僕には日本史の偉人の言葉(17条の憲法)には何の感慨もなかったが、
三十路を過ぎて、色々と世界と自分との立ち位置が分かり始めたときに
この言葉に再び出会ったのだ。これは実のところ言葉ではない。
「律令(=法律)」なのである。創作説もあるけど。

しかし、その言葉は、図書館で週末の無聊をなぐさめていた僕に
まっすぐにダイレクトな実体験として飛び込んできた。
僕はその場でくずれおちそうなほど泣いてしまった。
(今だってこの文章を書きながら半泣き状態だし…笑)

バッカじゃねえの?人々が平和で暮らすことが法律だってぇ?
なんていう僕のイキがった理性をも吹っ飛ばしてしまった。


聖徳太子当時の日本は大和朝廷があったものの地方の豪族は相変わらずきな臭いし、
当時最新の思想である仏教を後ろ盾に権力簒奪することをもくろむものがいたりと大和朝廷の権威はまだ脆弱だった。
おまけに優れた技術をもった渡来人がきて経済をかき回したり…貧しくて、不穏な空気を持った時代だったのだ。

聖徳太子には大和朝廷のもとにすべての豪族や部族、民衆がいて
そのなかで国づくりをしていくべきと言う明確なビジョンがあったのだ。
(だからこの言葉の右翼的な解釈で物議をかもすことが多い)

それに、これは実効的なニュアンスは恐らくないと思われる。
真実はどうだったか不明だが発布されても、当時の大和朝廷について
「こいつ何を言っているんだ?」くらいのものであっただろう。
それだけの警察権が当時の朝廷にあったとは思えないし、
それだけに原始的な法律と言わざるをえないのだが、
(実際、法律ともいえるものではないと思う)

この現代日本人の僕自身から見て、
当たり前すぎる言葉の重さがずっしりとくる。

人が宗教や部族の違いだけで殺されることのない社会。
人は平等(この場合、君主の下で、だけど)であり、
何人もそれを侵さない侵させない。

どういったらいいのか分からないくらい明快で単純な論理。
だからこぞ僕たちを惹きつけてやまない理想。
世界がこうあればいいという願い。

それぞれが「和を以って~」に込められているからだろうか?
今でも、こんなに目頭が熱くなるのは僕だけであろうか?

Imagine there's no heaven
It's easy if you try
No hell below us
Above us only sky
Imagine all the people living for today …

You may say
I'm a dreamer, but I'm not the only one
I hope some day you'll join us
And the world will be as one

(イマジンより引用)


ジョンレノンと小野洋子のなかではユートピア思想という、
人の世ではありえない世界を構築するというテーマが
彼らのコンセプチュアルアートでもあったので、
これは活動を通したアートであるという言い分があったのかもしれない。

ヨーコは後年、これを広告に載せたりして色々な局面で
商魂たくましい部分を見せつけてくれる(笑)
ヨーコから言わせればスキャンダラスな部分も
アートの一部分なのだろうから、いかにもフルクサスらしい。

だが、この曲を聞くたびになぜか胸に甘酸っぱいものがこみ上げる。
テレビのニュースを観る度に苦いものがこみ上げる。
見ないようにしているものを突き付けられたような気がしてならない。
絶望を感じながら僕たちの日常は無残に過ぎゆくのだ。

ジョン、君に手紙を書いてみたいよ。。。


拝啓、ジョン・レノン
あなたがこの世から去り ずいぶん経ちますが
まだまだ世界は暴力にあふれ 平和ではありません
僕があなたを知ったときは
ブルース・リーと同じように
この世にあなたはいませんでしたね
十代中頃でファンになってから
一番かぶれてた二十歳の頃

ジョン・レノン あのダサいおじさん
ジョン・レノン バカな平和主義者
ジョン・レノン 現実見てない人
ジョン・レノン あの夢想家だ

ジョン・レノン
今聴く気がしないとか言ってた三、四年前
ビートルズを聴かないことで 何か新しいものを探そうとした
そして今ナツメロのように聴くあなたの声は とても優しい
スピーカーのなか居るような
あなたの声はとても優しい

拝啓、ジョン・レノン
僕もあなたも大して変わりはしない
そんな気持ちであなたを見ていたい
どんな人でも僕と大差はないのさ
拝啓、ジョン・レノン
そんな気持ちで世界を見ていたい
雨も雲も太陽も時間も 目一杯感じながら僕は進む

ジョン・レノン あのダサいおじさん
ジョン・レノン バカな平和主義者
ジョン・レノン 現実見ていない人
ジョン・レノン あの夢想家だ

ジョン・レノン
今聴く気がしないとか言ってた三、四年前
ビートルズを聴かないことで 何か新しいものを探そうとした
そして今ナツメロのように聴くあなたの声はとても優しい
スピーカーのなか居るような
あなたの声はとても優しい

拝啓、ジョン・レノン
そして今ナツメロのように ステレオから流れてくる
あなたの声はとても優しい

拝啓、ジョン・レノン
あなたの声はとても優しい
拝啓、ジョン・レノン
あなたの声はとても優しいよ

Strawberry Fields Forever
Don't Let Me Down
I'm Only Sleeping
I Am The Walrus
I've Got A Feeling

Strawberry Fields Forever
Don't Let Me Down
I'm Only Sleeping
I Am The Walrus
I've Got A Feeling

I've Got A Feeling

(真心ブラザーズ「拝啓 ジョンレノン」より引用)

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