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アイコニックブランドの作り方

「長い間、たくさんの人から愛されるブランドになる」は、現在計画中の子ども服ブランドの目標のひとつです。なので、今回はブランディングについて勉強したことをまとめます!

How to Build an Iconic Brand

Holt D., 2003
https://www.researchgate.net/publication/267922691_How_to_Build_an_Iconic_Brand

要約

筆者は、企業のマーケティングは、"mind share"をベースにしているところに問題があると思った。だから、Snapple社(アメリカの飲料メーカー)の事例を用いて、"culture share"の重要性を示した。さらに筆者は、"culture chare"をベースにした"iconic brand"になる方法も体系化した。

解説

キーワードであるmind share、culture share、iconic brandについて解説していきたいと思います。

mind shareとculture shareのちがい

お客さんのどこに訴えかけるか?がmind shareとculture shareでは大きく異なります。イメージとして、mindは「頭」で、cultureは「心」です。なので、前者は理性や合理性に、後者は信念や価値観に訴えることが大切になってきます。

「機能(役に立つこと)」が重要な商品カテゴリーでは、理性や合理性に訴えかけることで、消費者の共感を得られます。役に立つ商品の例は、キングコングの西野さんがよく仰っていますが、ホッチキスやハサミです。2番目によく切れるハサミなんていらない、というやつです。

「ライフスタイルやアイデンティティ(意味があること)」が重要なカテゴリー(食品、衣類、美容、アルコール、車など)では、culture shareが必要になってきます。culture shareはライフスタイルの共有・共感というイメージです。

そしてライフスタイルを共有するために、ブランドはストーリーを語ります。映画、書籍、音楽、テレビ、スポーツ、ビデオゲームなどカルチャーとつながりがあるものを活用して、自分たちの商品がある日常生活をお客さんにイメージしてもらいます。

ストーリーはお客さんと価値観を共有するものなのでとても大切です。なので、広告、マーケティング、デザイン、店舗、パッケージ、PR、商品設置、配送などのすべてをストーリーにつながるように設計し、商品やその消費行動はストーリーを伝えるためのプラットフォームとして活用されます。

iconic brandの作り方

iconic brandとは、理想の生き方と結びつき、長い間、大きな市場価値を生むブランドです。iconic brandの作り方は以下の4つです。

1. 生活の中の矛盾をターゲットにする
2. 生活の中の活動家として行動する
3. アーティストとしてオリジナルのライフスタイルを表現する
4. 人々の真の声を洗練させる

1. 生活の中の矛盾をターゲットにする

従来のマーケティングでは、ターゲット分析をする際に人口統計学的属性(年齢や性別など)や心理学的属性(価値観や趣味趣向など)がよく使われますが、これはmind shareをベースにしています。

culture shareベースで注目するのは、生活の中にある葛藤です。それも、社会において重要な葛藤。この葛藤が、消費者の心の中に力強い願望や渇望を生むのです。

2. 生活の中の活動家として行動する

活動家が人々に異なる考えや行動を促すように、iconic brandもライフスタイルのリーダーとしてふるまう必要があります。そして、社会の変化を予測し先見性を持たなくてはいけません。

まだはっきりと言語化されていない葛藤を明確なものとして社会に提示し、人々を引きつけて離さない象徴的な解決策を提供することで、ブランドはお客さんからの絶大な信頼を得ることができます。この点において、ブランドはライフスタイルの変化を進めるカリスマ的存在になります。

つまり、iconic brandは、便益や個性や感情といったものを呼び起こすだけでなく、大義や理念、信念を人々に提示します。新たな生活の考え方や様式を想起させるためにストーリーを使って、毅然とした態度で自らの信条を表明するのです。

3. アーティストとしてオリジナルのライフスタイルを表現する

ブランドは人々を魅了して、注目される存在でなければなりません。なので、トレンドを追いかけたり、旬の有名人に依存したりせず、新しいライフスタイルを創造します。よって、すべての活動はひとつの信条を表現するものとなります。まるで、画家のひとつひとつの筆遣いが作品に込められた想いを表現しているように。

iconic brandは、今現在社会にある生活様式に寄生するのではなく、常にライフスタイルに価値を追加していきます。

4. 人々の真の声を洗練させる

iconic brandになるためには、大切なストーリーを話せる信頼できる存在として人々に受け入れられなければなりません。金銭的な利益よりもむしろ、ブランドの信念に責任を持っていると信じてもらなわければなりません。

人々の中心地から信頼を伴ってストーリーを語ることで、ブランドは”本物”として認識してもらえます。人々の中心地は、商業的な場所ではありません。新しいライフスタイルは、商業的な関心を持たない場所から生み出されるのです。

結論

ブランドが消費者心理に入り込もうと努力している間、マーケターはculture shareをベースにしたブランドが価値を作っているという事実から目を背けています。

ライフスタイルや社会で起こっていることに、どのようにブランドをフィットさせていくかを理解する戦略に移行することが必要です。

感想

2003年の記事とは思えないほど、現在の状況を鋭く捉えているなぁと思いました。もう、予言のレベルです。具体的には「機能から意味へのシフト」と「D2Cブランドの流行」です。逆にいうと、遅くても2003年の時点でこの2つは既に必然だったということ。これからは「ライフスタイル」を売ることになりそうです。

さいごに

私は今、子ども服×D2Cのビジネスを計画中で、子ども服を「買う→使う→捨てる」というライフスタイルに、シンプルでサステナブルな選択肢(「買う→使う→返す」と「借りる→返す」)を提案する準備をしています(ビジネスモデル0.0のnoteはこちら)。

根底にあるのは子ども服は大人から子どもへのメッセージだという想いです。子ども服を着るのは子どもですが、選んで買うのは大人です。着心地の良いものや環境負荷の少ないものを選べるのは、子どもではなく大人です。親子コーデみたいに一緒におしゃれしたいという気持ちもあると思います。

なので、そもそも子ども服として選ばれないような可愛くない服を作っても大人を喜ばせることはできないので、大人が喜んで選びたいような魅力的なデザインにしたいと思います!ちなみに私はアパレル未経験。。どうしよう。。。

私が今考えていることが共感を得られるものなのかわからず、不安になることもありますが、ぜひ形にしたいと思いますので、応援して頂けると嬉しいです!さいごまで読んで頂き、ありがとうございました!

読んで頂きありがとうございます!シンプルでサステナブルな子ども服ブランド作りのために頑張ります!より良い未来を次の世代に渡しましょう!