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子ども服×D2Cのビジネスモデル0.0

子ども服×D2Cのビジネスモデル0.0(更新したら数字をあげていきます)が完成したので、この場で共有させて頂きます。ビジネスモデルの検討プロセスの具体例でもあるので、最後まで読んで頂けると嬉しいです。

嬉しかったチーム募集

2020年4月6日〜10日までの5日間の授業のテーマはEnterpreneurshipでした。

2019年9月から始まったミラノ工科大学のMBA。これまで人前で話すことを極力避けてきたのですが、今回ばかりは勇気を振り絞って、初日(6日)にアイデアを共有し、チームメンバーを募りました。

その結果がこちら。

このあと、もう1人追加になって、最終的には合計6人で一緒にビジネスモデルキャンバス作成のグループワークに取り組みました。このnoteでは、その成果物を共有させて頂きます。

楽しかった成果物作成

チームのみんなとビジネスアイデアを練っていくのはとても楽しい経験でした。なので、最終プレゼンも自分からやりたいって言えましたし、そのための資料作成もめちゃくちゃ楽しかったです。

完成した成果物がこちら(スライド1枚1枚をこの続きで説明させて頂きます)。


渾身のスライド:各スライドの説明

プレゼンの目次

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ビジネスモデルの概要、ビジョン・ミッション・目的、バリュープロポジションキャンバス、ビジネスモデルキャンバス、ビジネスアイデアの検証、メッセージ

ビジネスモデルの概要


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私たちは、高品質の子ども服をデザイン・製造し、お客さんと直接コミュニケーションをとり、オンラインで販売します。また、お客さんが使わなくなった私たちの子ども服の回収を行い、回収した子ども服の状態を管理し、月額制のレンタルサービスを提供します。

ちなみに、D2Cのビジネスモデルは、Takram Cast(タクラムキャスト)の神回でのD2Cの定義を参考にさせて頂いています。


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子どもの成長は早いので、割と早く子ども服を着れなくなってしまいます。そうするとお客さんは、次の子ども(弟か妹)のために子ども服を取っておいたり、子どもがいる親戚や友達に子ども服をあげたりします。

ただ、次の使い手が見つからないと、いずれクローゼットのキャパの問題が出てくるので、まだ可愛いし使える状態なのに捨てざるを得ないことがあります。。。思い出の詰まった子ども服なのに、もったいないし、悲しいことです。子ども服は製品寿命と使用期間のギャップが大きいんですね。

そこで、着れなくなった子ども服をお店に返すという選択肢を準備します。販売して終わりではなく、製品に対する責任を販売後もお店側が持ち続ける、サーキュラーエコノミー(以前書いたnote参照)の考え方です。

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そして、クーポンと引き換えに返却してもらった子ども服を使って、レンタルサービスを開始します。レンタルサービスは最初から提供できる取組ではありませんが、ここを見据えてビジネスを設計していきたいと思います。

ビジョン・ミッション・目的

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ビジョンの中のキーバードは、「サーキュラーエコノミー」や「意識的な購入」です。

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ミッションの中では、価値観を共有する仲間とコミュニティを作ることが大切です。

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なので、ブランドの認知を高めたり、透明性を担保して信頼されるブランドを目指したり、製品寿命を伸ばしたりすることが目的になってきます。

バリュープロポジションキャンバス

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次にバリュープロポジションを作りました。

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お客さんは、商品を買う人とレンタルサービスを利用する人の2通りです。お客さんに共通して言えるのは、特別金持ちという訳ではなく、環境への配慮があること。

彼らに対して私たちは、子ども服を使うためのシンプルでサステナブルな選択肢を提供します。

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お客さんがしていることは何でしょうか?それは、品質が高くて着心地の良い子ども服を探し、使い、SNSなどでかわいい瞬間を写真などで共有し、クローゼットに持ち続け、友達にあげたりするか、処分することです。また、環境への配慮もお客さんの活動のひとつです。

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お客さんの痛みは何でしょうか?子ども服を短いサイクルで買い替えるためのお金の負担、子ども服を置いておきたくても限りのあるクローゼットのスペース、まだ使えるとわかっていながら子ども服を捨てること、などなどがあげられます。

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なので、お客さんに喜んで頂けるように、質の高い子ども服を提供します。さらには、返却という選択肢を準備します。これによってお客さんはクーポンをもらえるし、家のスペースは広がるし、環境にも優しい行動ができるので、めちゃくちゃ喜んでくれる(はず)。

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ということで、質の良い=着心地が良くて丈夫であり、デザインコンセプトは、Seasonless, Trendless, Genderless, Environmental load lessにしたいと思っています。シンプルなデザインということですね(私、もともと機械工具卸勤めなので、洋服のデザインできませんし)。

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お客さんに満足してもらうためには、着れなくなった服を捨てる以外の選択肢が必要ですし、そもそも選ばれないと意味がないので、子ども服としての価値を追求することも大切になってきます。

ビジネスモデルキャンバス

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次はビジネスモデルキャンバスです。バリュープロポジションができていると、ビジネスモデルキャンバスへの落とし込みがスムーズになります。

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お客さんと提供する価値は上記と同じです、

お客さんは、商品を買う人とレンタルサービスを利用する人の2通りです。お客さんに共通して言えるのは、特別金持ちという訳ではなく、環境への配慮があること。彼らに対して私たちは、子ども服を使うためのシンプルでサステナブルな選択肢を提供します。

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D2Cブランドなので、お客さんとのコミュニケーションが大切です。使いやすいウェブサイトやアプリが必要ですし、徹底的にお客さん目線でのカスタマーサービスも重要な要素です。

まずはネット販売からスタートしますが、いずれはショールームとしての実店舗も持つことを計画しています。実際に台湾にはショールームを運営しているメンズブランドがあるようです。

次はキーリソースとキーアクティビティです。

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商品だけでなく、ウェブサイトやアプリ、配送網、レンタルのためにはクリーニングなども重要な「資源」になってきます。

なので、デザイン、原材料調達、製造、配送、クリーニング、マーケティング、顧客とのコミュニケーションなどが重要な「活動」となります。

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となると、製造業者やクリーニング業者、物流業者との関係が大切になります。また、お客さんは「口コミ」という形で商品やブランドを広めてくれるのでめちゃくちゃ大切です。

ちなみに、予約販売のプラットフォームとして最近認知度が高まっているクラウドファンディングをうまく使えるか?はひとつのポイントとなりそうです。

そして、製造、物流、マーケティング、システム維持費がコストとなります。

ビジネスアイデアの検証

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上の画像のような、テストカードを使って、アイデアの検証を行ます。

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私たちが想定したテストカードはスライドのようなものです。

返却意志の検証
信じていること:お客さんは返却時にクーポンをもらえるなら、より意欲的に子ども服を返却してくれる
検証方法:クーポンと引き換えに着れなくなった子ども服を提供してほしい、というSNS広告を打つ
測定方法:広告をみた人の内、「提供」をクリックしてくれた人の数を測定する。
結果:もし50%以上がクリックしてくれたら、私たちの信じていることは正しい。

ちょっと時間がなかった(言い訳)ので、テストカードは満足いくものを準備できていませんが、こういう形でビジネスアイデアの検証をするんだなぁというイメージを持って頂ければ幸いです。

メッセージ

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最後にメッセージです。

子ども服を着るのは子どもですが、買うのは私たち大人です。だから、子ども服は、大人から子どもへのメッセージだと思っています。

ファストファッションブランドの服は、手頃な値段で便利ですし、私も愛用しています。ラグジュアリーブランドの服は、高価でなかなか手を出せませんが、子どもにも質の良い服を着せて、もっともっと可愛くしてあげたい親心は良くわかります。

私には3歳の息子がいるので、次のメッセージを込めて、子ども服を作っていきたいと思っています。

「君たちの世代のことを考えて、君たちにより良い未来を渡すよ」

悔しかったプレゼン&感謝

上記の一番伝えたかったこのメッセージは、授業では私の英語力不足によりタイムオーバーとなり伝えられませんでした。悔しかったなぁ。。

だからこそ、最後まで読んで頂いたみなさんには感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。

子ども服を選ぶときに少しでも環境や社会のことも気にして頂けたり、ビジネスモデルを考えるときの参考にして頂けると嬉しいです。コメント、感想、アドバイスも頂けたら、めちゃくちゃ喜びます。

どうもありがとうございました!!!

読んで頂きありがとうございます!シンプルでサステナブルな子ども服ブランド作りのために頑張ります!より良い未来を次の世代に渡しましょう!