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システムの落とし込み方(モーションオフェンス)④(具体例)

こんにちは!吉永です。

前回に引き続きモーションの落とし込み方について説明します。パスした後にリムカットもしくはアウェイスクリーンを行うのが今回説明しているモーションでしたよね。その中でも今回は、アウェイスクリーン時のユーザーの動きについて、落とし込む方法を説明します。

動きの説明

スクリーンの対応は「チェイス」「アンダー」「スイッチ」の3つです。それぞれに対して、スクリナーとユーザーがどのように動くか説明します。

チェイス

チェイスに対してはカール&リムラン!!
写真は4番が2番にアウェイスクリーンをかけている状況です。ディフェンスがチェイス(後ろから追いかける)を選択した時、2番はカールします。なぜなら自分の前がオープンになっているからです。

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②カールした時の状況です。カールに対して2番のディフェンスは矢印のようにチェイスしています。2番のディフェンスが追いつくまで4番のディフェンスがヘルプします。なので、4番はスクリーンの後、リムランをすれば2on1の状況が生まれます。

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③4番のディフェンスが2番に寄っていれば、4番にポケットパス。

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④4番のディフェンスが4番に寄っていれば、2番のジャンプショット。

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アンダー

アンダーに対してはバンプ&ダックイン!!
ディフェンスがアンダー(4番の下を通る)を選択した時、2番はバンプします。なぜなら、自分の後ろ側がオープンになっているからです。

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②アンダーを通すために、4番のディフェンスは隙間を開けています。4番はその隙間に対してダックインします。

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③4番はリムの下でイージーショットを打てます。

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スイッチ

スイッチに対してはスリップ!!
ディフェンスがスイッチを選択した時、4番はリムに向かってスリップします。なぜなら4番は2番のディフェンスの前を取ることができ、ペイントエリアがオープンになるからです。2番はペイントエリアができる限り広くなるように、ストレッチ(伸ばす)します。

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②スイッチした後の状況です。

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アウェイスクリーンを成功させるためには、もしくはアウェイスクリーンでチャンスを作るためには、この基本的な動きを理解させる必要があります。
もちろん他にも、トップロックされたときはバックカット、スイッチの時はタイトカールなどもありますが、判断を容易にするために選択肢を3つ以内に絞ったほうがいいと僕は思います。バックカットや、タイトカールなどはオフェンスのルールではなく、選手のアイディアとして使えばいいと思います。

練習方法

3on0で

・カール→ジャンプショット
・カール→ポケットパス
・バンプ→コーナー3P
・バンプ→ダックイン
・スイッチ→スリップ
・スイッチ→3P

上記の6種類の動きを行います。実際の動きを写真で説明します。

プレーの動きは黒線、場所の移動は青線で示しています。
1番はパサー、2番はスクリナーとして3番にスクリーンをかけ、スクリーン後はリムラン。3番はスクリーンを使ってカール。1番は3番にパスをし、パスを受けた3番はジャンプショット。
パスした1番はスクリナーの位置に移動し、スクリーンをした2番はユーザーの位置に移動し、シュートを打った3番はパサーの位置に移動する。

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②写真①の続きです。

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練習時間

1回の練習の中で6種類全てやると時間がかなりかかってしまいます。動きの確認を行うメニューはとても重要ですが、選手はすぐに飽きてしまいます。なので、僕は2〜3種類を2分ずつ片サイドだけ行うようにしています。そうすれば長くても6分で終わることができます。この4〜6分を習慣化するまで毎日行えば(長くても1週間)、他の練習メニューとタイムシェアができます。
もし6種類を2分ずつ全て行うと12分もかかります。さらにこれを両サイドで行うと24分。。。選手の集中力は途切れるし、90分ぐらいしかない練習時間の中で24分も取られたら、他のメニューができなくなってしまいますね。

あとがき

今回はアウェイスクリーンの動き方と、練習方法を説明しました。
練習をやるだけではチームに落とし込むことはできません。落とし込むためには、動きの注意点までコーチが理解し、説明できなければなりません。

モーションオフェンスの落とし込み方については4回目の今回で終了とします。

8月もあと少しで終わりますね。
バンビシャス奈良では、開幕に向けてチーム内の競争も激しくなってきています。
昨シーズンは少し物足りなさを感じていましたが、今シーズンの選手たちはとても激しく戦っています。
B1を経験した選手が奈良に新しい文化を落とし込んでくれているんですね。
経験というのはとても大事です!
僕自身プロでの選手経験がないので、劣等感を感じるときがありますが😅
そんなこと気にして立ち止まってる暇はないので、僕はいろんな人の話を聞いたり、コーチとしての経験を積み重ねて、劣等感なんて吹き飛ばして頑張ります😁

Bリーグでの経験は、特別な経験だと思います。この先もBリーグでコーチを続けながら、この与えてもらえている経験を若いコーチ、駆け出しのコーチ、バスケットが大好きな子供達に伝えていきたい。

それではまた次回!

*このnoteに書いている内容は、僕のバスケットの考えなので、バンビシャス奈良のバスケットとは一切関係ありません。

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