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「やりたいこと」という言葉が嫌いなあなたへ


こんにちは。
ライフキャリアコーチMasakiです。


あなたは、「やりたいこと」と聞いてどんなイメージを持ちますか?


「ワクワクする」

「やりたいことだけやれたらいいなぁ」


というようなポジティブな印象を持つ人もいれば、


「聞いただけで拒否反応が出る」

「やりたいことが出来たら苦労はしない」


など、ネガティブ印象を持つ人もいるかもしれません。



僕は昨日、プライベートで親交のある後輩とオンラインで対話をしていました。彼女は、まさに「やりたいこと」という言葉に拒否反応を持っている人だったんです。

そんな彼女が、話し終わる頃には「自分なりのやりたいことが持てた!」と言っていました。


僕がやったのは、大げさに言えば彼女の「やりたいこと」という言葉に対する捉え方を変えた、ということです。

そこにはどんな変化があったんでしょうか。


今日はその辺りを探ってみたいと思います。

同じように思っている人の、小さなきっかけになれば嬉しいです。



では、いきまーーーす!



「やりたいこと」という言葉が嫌い


彼女はなぜ「やりたいこと」という言葉が嫌いになったのか。

そのルーツは就職活動時代にありました。


「就活のとき、いつも『やりたいことは何ですか?』ということを聞かれていたんです。面接官にも、周りの人にも。でも、私には周りのみんなみたいに語れるものがなかった。それがきっかけですね。」


彼女曰く、「やりたいこと=すごいこと」という印象を持っていたということです。そしてそれがない自分に引け目を感じていた、と。



たしかに、面接では「あなたのやりたいことはなんですか?」という質問は常套句ですね。ほかにも「5年後10年後のビジョンは?」とか、「将来の夢は?」なんて質問も、よく聞かれます。

ましてや、面接は「評価される場」。

「相手にちゃんと評価されなければならない」という意識を持って、自分の「やりたいこと」を考え続けるという行為は、結構苦しいものですよね。


ちなみに、社会に出てからも「やりたいこと」という言葉はついてまわります。

たとえば会社や上司から、

「〇〇さん、やりたいこととかないの?」

とか聞かれますが、当然この言葉には「(この会社の業務のなかで)」という枕詞が付きます。

間違っても「なるべく早く帰って、ゲームがやりたいんです!」なんて答えたらダメなのです。鉄拳制裁をを浴びそうです。



ちなみに、彼女は「教育」に興味があるといいます。

でも教育に関する中で「やりたいこと」はない、そうです。


「自分の周りの人を見てみても、『教育界を変える!』とか『日本を良くする!』というビジョンを持っている人がいて、私はいつも『そんな壮大なことは考えられない』と思っていました。」


周囲の壮大なビジョンを聞けば聞くほど、「自分にはそんな思いはない」と悩んでしまう、と彼女は言います。

そうしているうちに、「やりたいこと」という言葉を聞くこと自体が嫌になってきたんですね。



ここまで聞くと、「たしかに、それは嫌いになって当然だな」と僕も思います。そんな壮大なビジョン、掲げたら掲げたでプレッシャーに押しつぶされそう。僕だってそう思います。



彼女のなかにある「本当の想い」


ひと通り聴いたあと、最近の彼女を見ていて僕が感じていることを伝えました。色々なことにチャレンジをしていることは、相談されたりして知っていました。

「〇〇さんがイキイキしているときに共通してることって、『新しい刺激』を受けてるときじゃないかな?やりたいことって、そういうことなんじゃない?逆にそういう刺激がない場所に対しては、モヤモヤする気持ちが出てしまう。どう?」


彼女は少し考えると、急に明るい表情になって言いました。

「あっ、確かにそうかもしれない。『新しい刺激』って、いいですね。しっくりきます!刺激って言葉、いいですね。」

「でも、いいんですかこんなので。なんか刺激を受けたいって、過程の話だし、もっとちゃんとしたのじゃないと…。」


あぁ、ここが「やりたいこと」に対しての嫌な感情に繋がってるんだな、と僕は話を聞いて思ったのです。


そんな定義、誰が決めたんでしょう。

たしかに、面接や社会では「ちゃんとしたの」は求められるかもしれません。だけど僕たちが生きていくうえで必要な「やりたいこと」って、もっと自由でいいと思うんですよね。

自然に自分の心が動いてしまうようなもの。

たとえそれが、周囲からみて「甘い」とか「いつまで子どもみたいなこと言ってんの」とか思われそうなことだったとしても。


ただ、僕はまだ心配だったので聞いてみました。

「実際、『新しい刺激を受けたい』があなたのやりたいことですよ、って言われて、しっくりくる?」


長年嫌なイメージを持っていた言葉です。

いきなり好転するのも難しいと思っていましたが、彼女はゆっくり答えてくれました。

「そうですね。それがやりたいことでもいいんだ、って思えたらしっくりくる気がします。『新しい刺激が欲しい』って、なんだか本物だな、って気がします。それが自分の真実だと思うし、無理がない。」


しっくりくるなら、それでいいんです。

誰が何と言おうと、自分がそう思うなら、それでいい。


「これまで『やりたいこと』を考えるたびに、『見つからない、でもいつか見つけないといけない』って思ってました。そこに向かわなきゃいけないという考えに取り付かれてしまってモヤモヤしていたんです。でも、『これがやりたいことだったんだ!』って気づけた今は、なんだか晴れやかな気持ちです。」

嬉しそうに、彼女はそう言いました。



自分を社会や会社の「型」にはめようとしなくていい


今回やったのは、専門的にいうと「リフレーミング」というものです。

人は、それぞれ自分が思っている「信念」があり、それが非合理な信念であった場合、自分を苦しめてしまうことがあるんですよね。

そんなときは、その信念にアプローチして、その意味付けを変えてしまおう、というものです。

※エリスの「ABC理論」より


彼女の場合、「やりたいこと」という言葉に対して「ちゃんとしてなきゃいけない」「成し遂げるものでないといけない」「他人から評価されるものでないといけない」という、(彼女にとって)非合理な思い込みがありました。

それを、「普段から自分が思っている、簡単なことでいい」と書き換えることで、自然と「やりたいこと」が言語化されたということです。


この「やりたいこと」という単語にまだ違和感がある人は、別の言葉に変えてみても構いません。

たとえば、「好きなこと」「想い」「大切にしたいこと」「忘れたくないこと」「好き勝手言っていいなら、言いたいこと」などなど。


自分自身のことを語るのに、「社会や会社の型」に無理に当てはめようとする必要はありません。だって、あなたの人生なんだから。



僕がキャリアアドバイザーをやっていた頃、上司から「これからやってみたいことって、あるの?」と聞かれたことがありました。

僕は間髪入れず、こう答えました。

「ないです。一生キャリアアドバイザーやっていきたいです。」

本心でした。それほど、個人と向き合うことが好きでした。


すると上司は、「変な人だねー」と言ったんです。

おそらく期待していた答えと違ったんでしょう。そして、一般的なキャリアデザインのイメージとも違う答えです。こんなこと答えてたら、出世もできないですね。

※「もっと色んな事に挑戦したい」と言ってほしかったんだろうなぁ


上司の感じたことは間違いではないし、おそらくほとんどの会社員は僕みたいな回答はしないでしょう。だけど僕は上司の発言を聞いてこう思いました。

「あぁ、自分に正直に生きられてるな。」

僕は「変わってる」や「普通じゃないよね」と言われることが大好きなんです。なぜなら、それは「自分を偽らずに生きられている」から。


他人や社会からはみ出してないか?と思いながら合わせて生きるよりもよっぽど精神衛生的にもいいし、生産性も上がると思います。

※詳しくは「内的動機付け」で調べてみてください。



僕がコーチングをするとき大切にしていること


そんな僕のコーチングは、「一般的な答え」を求めません。

クライアントさんが「心からそう思っているか」を大切にして、そこに拘ります。顔を見れば、「本心から言ってるか」が分かるんです。

だから、好き勝手にワガママに話してもらうことを一番大切にしています。


先日体験セッションを受けてくれた5年の付き合いがある先輩も、キャリアについて悩んでいました。

だけど、まさにこのリフレーミングで自分が心から欲しているものに気づき、新しい目標を設定しました。

そのときの顔は、これまで5年間見てきたどの顔よりも晴れやかで、充実感に満ち溢れていました。人は、自分の本当の気持ちが言語化できると、ここまでいい顔をするんだな、と感じた出来事です。


ただ、「自分の本当の気持ちに気づいて」しまうと、今の環境を手放さなければならない、という恐怖もあるでしょう。

もちろんこれも不合理な信念で、それが分かったうえで進むかとどまるかを決めたらいいんです。僕はなにも強制しません。

同じとどまるにしても、「自分の気持ちを理解したうえで自分で選択した」と思えたなら、モヤモヤは消えていくでしょう。


あなたがもし、キャリアや自分の人生にモヤモヤしているなら、今日の記事をきっかけに「自分の本当の気持ち」を言語化してみてください。

それは誰に評価されるものでもありません。

唯一の指標は、「自分の納得感」です。



今日は「やりたいこと」という言葉が嫌い、というテーマで話してみましたが、いかがでしたでしょうか。

結論は、「あぁ、そんなのでもいいんだ」です。

「自分はこう思う」や「こんな時はどうしたらいい?」などありましたら、ぜひ公式LINEからメッセージください。答えられる範囲でお答えします。感想なんか頂けたらめちゃくちゃ嬉しいです。


あなたが、自分の納得するキャリアを歩めますように。

これからもよろしくお願いします!


Masaki



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