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中学受験伴走日記①(娘が受験を決めた日)

「みーちゃん、塾に行きたいんだってさ」

11月後半のある日の夕方、キッチンで夕食の準備をしている最中に、妻が私にそう告げた。
私:「えっ、どうして?何かあったの?」
妻:「受験したいんだって?」
私:「えっ、中学受験? どうして?」

小学校は家の目の前、中学校も歩いてたった3分
別に勉強なんてどうでもいいとは思っていないけど
中学受験などこれっぽっちも考えていなかった。
(スマホを持ちたいから? 部屋が欲しいから?)
そんな予想が頭をよぎる

でも何かに挑戦することは
決して悪いことではない
寧ろ喜ばしいことだ
本人がやりたいというならば
できるだけやらせてあげようじゃないか
そんな夫婦間の意思統一は
早い段階でできていた。

とはいうものの、
中学受験をいきなりやりたいだなんて
一体何があったのだろうか?
娘にその理由を尋ねてみた。

私:「どうして急に、受験したいってなったの?」
娘:「私、挑戦したいの!!」
私:「えっ・・・どういうこと?」
娘:「岡田さん(仮名)から、受験勉強の話を聞いたの」

娘:「岡田さんは将来のこと考えて今、受験勉強しているんだって。内申点も必要だから、学校行事とかにもチャレンジしているんだって。私、その話を聞いてすごく勇気付けられたの。私も、チャレンジしてみたいって思ったの!!」
私:「へぇー、学校でそんなことがあったんだ・・・」

娘がこんなこと言うようになったのか・・・
驚きもあったがそれ以上に、娘の確かな成長を感じた瞬間でもあった。そして彼女は更に続けた。

娘:「私、”ぼっち”が嫌なの!!」
私:「・・・」
娘:「チャレンジすることで、今の自分を変えたいの!!」
私:「・・・そっか・・・」
その目には少し、涙が浮かんでいた。

“ぼっち”というのは、独りぼっちのこと。今のクラスであまり仲の良い友達を作れていない娘。放課後に友達と遊ぶこともほぼ無い。休憩時間などには一人で席に座り過ごすことが多いことは妻から聞いていた。加えて、小学校3年生でスイミングを卒業した後は特に習い事もしてこなかった娘。周りの子たちがあれやこれやと習い事をする中で、多少の焦りのようなものを感じていたのかもしれない。そんな中で触れた岡田さんの眩しい姿、それが彼女の心に火を点けたらしい。

私:「でもさ、受験勉強って大変だよ。夏休みとかも無くなるし。それに、周りの子たちはもっと前から頑張っているから、今から頑張った所で受かるかどうか分からんよ。それでも頑張るの? 受験勉強なんか止めたいって、途中でならない?」
娘:「頑張るの!!みーちゃんは決めたら最後までやり通す女なんだから!!」
私:「そうか・・・わかった。じゃあ、頑張ろうな!!」

加えて後に妻から聞いて知ったことだが、集中して勉強できる環境を手に入れたかったことも彼女の動機の1つとしてあったらしい。数名の男の子が騒ぎ授業が成り立たなくなることが幾度となく起きていたようだ。その生徒らとこのまま同じ中学に行くことになるのがどうしても嫌だった、それもその後の彼女の頑張りを支えた動機の1つであったらしい。

とはいうものの・・・

今から塾に行って
何とかなるレベルなのだろうか?

そもそも、どこの学校を目指すのか?

お金はどれくらいかかるのか?

どの塾が良いのか?

(何もわからない・・・)

中学受験などこれっぽっちも考えていなかった私たち

こうして塾選びの1ケ月が幕を開けた。

(つづく)

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