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【58】 2種類のモチベーション

「やる気がでない」

「どうすればモチベーションを高められるのかがわからない」

といった悩みを耳にすることは少なくありません。

また、それに呼応するかのように、「モチベーションの高め方」について書かれている本や記事もたくさん見つけることができます。

しかし、ひと口に「モチベーション」と言っても、実際には大きく分けて2種類のモチベーションが存在します。

そして、自分がどちらのモチベーションで行動を起こしているのかを認識していないと、自分の想いとは逆にゴールから離れる方向へエネルギーが使われかねません。

この記事では、2種類のモチベーションについて解説し、どうすれば適切にモチベーションを高め、ゴールを実現していけるかについてお伝えします。


強制的なモチベーション

1つ目のモチベーションは、「強制的なモチベーション(coercive motivation)」です。

これは、他人からの強制などによって生じるモチベーションで、「〜しなければいけない (have to~)」という思考に基づいた行動の原動力です。

強制的モチベーションの裏には恐怖が存在しています。「〜しなければいけない。さもないと(怒られる、酷い目にあう、罰が与えられる etc)」というセルフトークが無意識的あるいは意識的に生じています。

強制的モチベーションで取り組んでいるときには、創造的回避(クリエイティブ・アボイダンス)が生じます。自分としては目標を達成したいのに(創造的)無意識は「いかにそれをやらない方法を思いつくか」という方向にエネルギーを発生させます。そのため、感覚的にはブレーキを踏みながらアクセルを踏んでいるような状態になります。

たしかに、強制的モチベーションによって無理にやる気を引き出すことで、一時的に成果をあげることは不可能ではありません。しかし、ブレーキを踏みながらアクセルを全開にするような状態ですから、たとえ目標を達成できたとしても身体や心を壊してしまったり、あるいは自分の達成した成果を台無しにするような行動を無意識にとってしまう危険性があります。

適切なモチベーションでゴールに向かっていくためには、まず、自分の中にある強制的なモチベーションに気づき手放していくことが重要です。


建設的なモチベーション

もう一つのモチベーションは、「建設的なモチベーション(constructive motivation)」です。

建設的なモチベーションとは、自分自身の「〜したい(want to~)」という気持ちに基づいて生じる行動の原動力です。

自分が望んだゴールに向かって行動するときには、建設的なモチベーションで物事に取り組むことができます。建設的なモチベーションは私たちの潜在能力を引き出し、ゴールを実現するための方法をクリエイティブに見つけられるようにしてくれます。

ただし注意しなければならないのは、建設的なモチベーションは、ゴールの世界と現状に違いがあり、しかもゴールの世界の方が現状よりも臨場感が高いときに結果的に生じるものであるということです。

ですから、建設的なモチベーションを高めたければ、実現方法がわからないほど抽象度の高いゴールを設定し、現状とのギャップを生み出す必要があります。この現状をゴールの世界に一致させようとして創造的無意識が生み出すエネルギーのことを、建設的なモチベーションと呼んでいるのです。


モチベーションを適切に高める

以上から、モチベーションを高めるためには、

・「〜しなければならない(have to~)」と思って取り組んでいることに気づく

・「〜したい(want to~)」のゴールを、現状の外に設定する

・ゴールの世界の臨場感を現状よりも強くする(アファメーション、ビジュアライゼーションを行う)

ことが重要であることがわかります。

自分が強制的なモチベーションと建設的なモチベーションのどちらで物事に取り組んでいるかを内省しつつ高いゴールを設定することを継続すれば、全てのことに建設的なモチベーションで取り組む人生へと変わっていきます。


ワーク
自分が行っている活動を紙に書き出します。
書き出したそれぞれの活動に対して、自分はどちらのモチベーションで行っていると思うかを書き加えます。
その上で、「この活動は本当に建設的/強制的なモチベーションで行っているのだろうか?」と自分自身に問いかけてみてください。