【42】 幸福のバランスを考える

ゴール設定の3つのルールのうちの一つが「バランスをとること」です。
人生の多方面にゴールを設定しバランスをとることで、人生に調和がもたらされるとともに、創造的無意識のエネルギーとクリエイティビティを引き出しやすくなります。

ゴールのバランスには、もう一つ重要な軸があります。
それが、「幸福のバランス」です。

幸福には4つの段階があります。

第一段階の幸福は、基本的な幸福です。
これは食欲や性欲といった本能を満たす幸福です。
強烈で直接的な幸福感がありますが、一瞬で過ぎ去ってしまうため、求めすぎると強迫的になってしまいます。
この段階の幸福を求めることに問題はありませんが、ほどほどにしないとトラブルが生じます

第二段階の幸福は、競争に勝つことによる幸福です。
他人より成績が良い、出世が早い、年収が高い、良い家や車をもっている、といった比較に基づく幸福です。
競争による幸福を追求するなかで、成長が得られるという利点がありますが、この幸福だけを追求していると他人に負けたと感じたときに抑うつ状態に陥ります。
すべての分野で1位の人というのは存在しません。
そのため、この段階の幸福に執着することには問題があります。

第三段階の段階は、他者への貢献からくる幸福です。
他人に指導、助言、サポートすることで、その人が成功することから得られる幸福です。
他人が成功するのを見て、自分も嬉しくなるという幸福です。

第一段階から第三段階の幸福がうまく混ざった状態を求めることが、人生に充実をもたらすことでしょう。

第四段階の幸福は、完璧な正義や愛、真実を追求することからくる幸福です。
しかし、人間は不完全な存在であり、この世全てのことを知ることは不可能です。
完璧な人間というのも存在しません。
そのため、この幸福を求めると惨めな結果がまっています。


幸福のバランスをとることは、ゴールの抽象度のバランスをとるということも意味します。
抽象度の高い、社会や世界の人々の幸福につながるゴールを目指しながら、お金や健康、社会的な役割を果たしていくことなどをバランスよく求めていくことが重要です。
バランス・ホイールが平面的なバランスをとっていくツールであるとするなら、抽象度のバランスは縦方向のバランスを考える軸と言えるかもしれません。


人生の様々な分野のバランスと、幸福やゴールの抽象度のバランスを時折確認することで、より充実した人生を形作っていくことができるでしょう。


ワーク
今自分が持っているひとつひとつのゴールはどの段階に該当しますか?
もし、あまり設定されていない段階、あるいは抽象度があれば、そこに該当するゴールをそれぞれの分野で考えてみましょう。