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タブレット端末は学びを豊かにしているのか

みなさんは、タブレット端末が学びを豊かにしていると思いますか?

豊かにしているとして、どんなふうに豊かにしていると思いますか?

ただタブレット端末を使えばいいと思っていたら恐い話ですよね。

私たち大人も学ばなければいけないと常々思います。

こちらは樋口万太郎氏のGIGA本3冊目です。

これまでのGIGA本シリーズを読んでバチバチに影響を受けてきた身としては、「算数×タブレット端末」はぜひとも学びたいトピックです。

表紙に書かれた言葉に「まさに!!!」と叫ばざるを得ませんでした。

その言葉が

「タブレット端末の授業が1番難しいのは算数?」

です。

1人1台のタブレット端末が導入された今年度、あらゆる教科で数々の実践をしてきましたが1番しっくりこなかったのが算数でした。

職場でも「もう算数は基本アナログで…」なんて話していた矢先でした。

この本を読み、まだまだ算数の授業を変えられる!タブレット端末を活用することで、より子どもたちの学びを深めていける!そう実感しました。

さらに、算数だけにとどまらず、他の教科でも言えることだと感じる部分もたくさんありました。

今回は、この本から得た学びを3つに絞って整理し、思考を深めるアウトプットをしていこうと思います。

1 タブレット端末が有効なのは納得解を求めるとき

算数で難しいと感じる原因を研究し、整理されている樋口氏の姿勢をまずは見習いたいと思いました。

「難しいからやらない」という思考では何も生まれません。「なぜ?」と追究することから新たな気づきが生まれ、「こうすればいいのでは?」という仮説ができるのです。

これまでの自分の姿勢にただただ反省です。

さて、納得解を求めるときにこそタブレット端末が有効だという話です。

算数では正しい1つの答え(=絶対解)を求めることが多くなる教科です。

だからこそ、タブレット端末を使う必要性が生まれないということです。

答えを求めるのはノートやプリントで事足りるし、共有するのも口頭で十分。

そこで、樋口氏は答え(絶対解)を出すまでの考え方・表現方法にこそ違いが生まれ、タブレット端末が有効になるといいます。

どのようにして答えを導いたか説明し合うことで、納得解を求める授業展開になり、タブレット端末を使う必要性が生まれます。

2 タブレット端末が有効なのは具体と抽象を行き来するとき

樋口氏が参考文献に挙げている『具体⇆抽象トレーニング』は、私もいつも考えの拠り所にさせてもらっている良書です。

深い学びを実現する上で、この具体と抽象の行き来は絶対に学んでおいて損なしです。

具体と抽象を行き来することで理解は深まっていきます。

その手段としてタブレット端末は非常に効果的です。

紙のノートでは難しい、収集した「具体」の情報を操作して、比較・分類したり統合したりすることがタブレット端末ではいとも簡単にできます。

これこそ、タブレット端末だからこそできる学びであり、これからの時代に求められる学び方だと感じます。

私も専門としている社会科では、いつもこの観点でタブレット端末を活用しています。

問いを解決するために「具体」の情報(社会的事象)を収集し、比較・分類したり統合したりすることで「抽象化」し、自らの考えを形成していけるようにしています。

3 タブレット端末が有効なのは「対話」を生むとき

樋口氏は「タブレット端末を取り入れたことで、自分と他者、自分と過去の自分などをつなげることができたかどうか、つまり対話が生まれたかどうかを考えながら、授業をつくらないといけません」と述べています。

大切なのは「個別最適×協働的な学び」であって、「孤別最適な学び」ではないのです。

対話を生むタブレット端末の活用でなければ意味がありません。

だからこそ、自分の考えを形成したら、タブレット端末を活用して即座に共有し、対話を通して深い学びに誘っていく必要があります。

これまで考えを共有するために一人ずつ発表していた時間がなくなり、手を挙げられないから表出しなかった考えが見えるようになり、学びは飛躍的にアップデートされます。

まさに樋口氏がいう「様々な考えが出てきてからが、算数授業は勝負!」です。

話し合いでは、「共有」に時間をかける時代は終わりを迎え、考えを「比較・検討・創造」することにこそ時間をかけるようになっていくべきです。

そのためには、タブレット端末でなければいけないのです。アナログでは出せないスピード感がタブレット端末にはあります。

以上、樋口氏の本から得た学びを3つに絞ってアウトプットしてきました。

この本で得た学びはあくまで「具体」です。この学びをみんなで「抽象化」し、転用していくことができればGIGAの時代は明るいのかもしれません。

タブレット端末を「学びを豊かにする手段」にできるかどうかは私たち次第です。

私も頑張ります。

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