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【好きなエロゲの話】『eden* They were only two, on the planet.』『eden* PLUS+MOSAIC』

前置き

今や斜陽産業となりつつある"エロゲ"という文化。
普通に生きているだけでは接点がない場合の方が多く、実際にやってみようという興味・関心を持つまでには、何かしらの"きっかけ"が必要となる。

私の場合は、主なきっかけが三つ。
一つ目は、大学1年生の頃に、友人に勧められたこと。
二つ目は、中高時代に『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』や『神のみぞ知るセカイ』など、エロゲやギャルゲが作中に登場するアニメ・漫画・ライトノベルを好んで読んでいたこと。
三つ目が、今回結果的に主題となってしまった「声優」である。


今回紹介するエロゲは、2009年に『minori』というブランドから発売された『eden* They were only two, on the planet.』という泣きゲーである。

──それは地球で最後の恋物語。

遠い未来の出来事。
火星付近に突如出現した「破滅の星」と呼ばれる巨大なエネルギーの塊。その影響は地球にも降り注ぎ、異常気象や地殻変動が発生。
それをきっかけに各地で勃発した戦争とテロ行為により、世界は破滅的な打撃をこうむる。
しかし、それすらも真の破滅への兆しでしかなかった。

残された時間は100年。
滅亡を回避するために、人類は地球からの脱出を計画。
その遂行のために2つの計画が立案された。

第一に、計画そのものを実行する‘‘地球統一政府’’の設立。
彼らは地球脱出の遂行を最優先とし、大を生かすために小を犠牲にする方針を打ち出す。
強権による人災収拾。世界政府設立の妨げとなる国家や団体を軍事力に制圧。
また、人種・宗教・食料・エネルギーによる、ありとあらゆる問題を圧倒的な武力によって鎮圧した。

第二に、地球脱出の根源となる‘‘フェリクス計画’’。
移民のための宇宙船建造、ならびに宇宙空間での長期生存を可能とする技術力を手にしなければならなくなった人類だが、
残された時間はわずか100年でしかなかった。
彼らは実現不可能なその計画を、実現可能な超人類を生み出すことで解決する──遺伝子に改良を施し、高い知能と不老長寿の肉体を持つ新たなる人類「フェリクス」。

それから99年の時が流れ──。
地球脱出計画の中心メンバーとして活躍したフェリクスの少女がいた。人生のすべてを研究に捧げ、仕事を終えた彼女は、人がいなくなった地球に残って穏やかに余生を過ごすことを望んだ。
そして彼女のもとへ統一軍から派遣された青年がいた。
彼の仕事は少女を守ること。そして、彼女の自由を拘束すること。

2人の出会いから物語は動き出す。
すべてを燃やし尽くした星と少女の、小さな物語が。

『eden* They were only two, on the planet.』あらすじ

エロゲといっても、この作品自体は全年齢作品で、本編と同時に発売された拡張データディスク『eden* PLUS+MOSAIC』をインストールすると、18禁シーンを追加で楽しむことができるという塩梅になっている。

『eden*』自体は全年齢作品であるため、出演声優陣もアイドルマスターの天海春香役でお馴染みの中村繪里子氏を始め、一般アニメに出演している声優陣がキャスティングされている。

そして、この手の美少女ゲームとしては珍しく、主人公もフルボイス(エロゲ主人公は、男性ゲーマーの作品への没入感を深める理由もあり、9割方声がついていない)なのである。
そして何を隠そう、本作の主人公の声優を務めているのが、私の推し声優なのである。

そういった経緯もあり、私は本作の全年齢版を未成年の頃にプレイしていた。
感動した記憶はうっすらと残っているのだが、最近諸々あって推し声優の声が恋しくなっていたこともあり、これを機に18禁版でもプレイしてみようかと思い立った。

美少女ゲー初心者にこそプレイしてほしい作品

久々に再プレイして感じたのは、この『eden*』という作品は、美少女ゲー初心者向けにうってつけではないかということである。
その理由は三つある。

短いボリュームで「泣きゲー」「シナリオゲー」を体感できる

本作はシナリオの分岐が一切ない、一本道の短編ゲームになっている。
選択肢がないので、タイパを求めて誠也の部屋(エロゲ攻略サイト)で適切な選択肢を調べる必要もない。
また総プレイ時間9時間程度の短編となっているため、良くも悪くも数十時間は拘束されるフルプライス作品と違って、手軽に始めることができる。

しかし、プレイ時間が短いといって、感動が減るわけでは全くない
短いボリュームながら、「泣きゲー、シナリオゲーってこういうことなのか……!」と、エンディングで涙を流しながら身をもって体感できる作品なのである。

18禁・非18禁を選択できる

前述の通り、本作品には全年齢版と18禁版がある。
「いくらシナリオがいいエロゲがあるとはいえ、18禁シーンがあるゲームなんぞ買いたくない」という人には、全年齢版をお勧めすれば良い。

本作の18禁シーンは、本編クリア後に、おまけの短編としてプレイが可能となる。
本編は本編で独立して完結しているため、ストーリーを理解するために無理をして18禁版を購入する必要は全くないシステムとなっている。

実際感動のエンディングを迎えた後に、18禁版では主人公と正ヒロインとサブヒロインが3Pをおっぱじめて、普通に感動が台無しになるルートも収録されている。
そのため、作品のストーリーだけを楽しむのであれば、全年齢版で必要十分だろう。

その一方で、「せっかく美少女ゲーをプレイするなら、やっぱりエロシーンが欲しい」という人には、18禁版をお勧めできる。
主人公と正ヒロインの純愛18禁ルートは、「シナリオゲーのエロシーンとは、まさにこれなんだよこれ……」という、「富士山を頂上まで登り切った後の美しい景色」(©某エロゲ大好き芸人)を楽しむことができるので、18禁版にもそれ相応の魅力はもちろんある。

前置きで拡張ディスクうんぬんと小難しい述べたが、本作は発売元のminoriが既に解散していることもあり、高額転売されている中古のパッケージがどうしても欲しい場合を除いて、基本的にダウンロード版を購入することとなる。

DL版は、18禁か非18禁を選択するだけなので、購入方法は非常に明瞭である。

2024年7月現在、FANZA GAMESではサマーセールが行われており、全年齢版を1,263円、18禁版を1,518円で購入できるうえ、12%のDMMポイント還元までついてくる。
私は決してFANZAの回し者ではないが、購入するなら今がお得である。

「目パク」「口パク」を多用したイベント画

エロゲはよく「BGM付きの紙芝居」と表現される。
本作のように分岐ルートのない一本道シナリオの場合は、余計に「BGM付きの紙芝居」と評されても否めない。

しかし本作は、セリフに合わせてキャラクターの目と口が巧妙に動き、まるでアニメーションを視聴しているかのように錯覚させられる。
2009年に発売されたとは到底思えない、かなり高クオリティーな作品なのである。
発売から15年経った今プレイしても、古臭さを感じることはそこまでないであろう。

声優の話

ここまで、『eden* They were only two, on the planet.』のプレゼンのようなものを書いてきた。
以降は、ただの男性声優オタクのチラ裏殴り書きである。

本作は、全年齢版と18禁版でクレジットされている声優が異なる。
現在も生き残っている18禁版の公式サイトをのぞくと、

追加部分は本編と声優さんが異なります(声の似た人を起用しますので違和感は無いと思います)

『eden* PLUS+MOSAIC』公式サイト

といった注意文が記載されている。
上記の説明文の真意がピンと来ない人は、各自で声優界の理を調べて各々察してほしい。

というわけで、本作の全年齢版の主人公の声優を務めているのは、私の推し・間島淳司であるが、18禁版では名古屋ラーメン激推しネーム・須賀紀哉さんに声優が変更になっている。

アダルト作品に出演する男性声優の主な仕事と言えば、シチュエーションCDである。
シチュエーションCDが何か分からない人は、自分で調べてください。

私も一人寂しい夜などに、須賀紀哉案件のシチュCDのサンプルを再生したことは、まあ正直何度もある。
ただサンプルですら、毎回途中で気恥ずかしさの方が勝ってしまい、ろくに聴き終えたことがない。

上記の動画に至っては、毎回「君の方からたっぷr」あたりで、罪悪感により再生を止めてしまい、8秒目以降の音声を聴けたことがない。
サンプルは1分55秒もあるのにね。

別に男性声優のアダルト演技全般にアレルギーがあるわけではない。
エロゲで言えば、『9-nine-』シリーズの主人公が18禁シーンも含めて寺竹順さんのフルボイスで感謝の涙が止まらなかったし、『悶えてよ、アダムくん』の18禁アニメの主人公の声優が皇帝さんだと知った際には、歓喜の舞を踊りながらAnimeFestaとかいう18禁アニメサイトに有料登録した。

本当に余談であるが、「寺竹順の新作はまだか」「寺竹順こちらの世界に帰ってこい」「寺竹順復活してくれ」「寺竹順は喪中」とかほざいているシチュCD界隈の女オタは、全員『9-nine-』シリーズをやってくれ。
あれは寺竹の18禁演技を楽しむゲームだ(違う)。

要は、"普通に好き"な声優と似た声を持つ人格の18禁演技は心から楽しめても、ガチで好きでガチで長年推している声優と似た声を持つ人格の18禁演技を聴くのはキツいのである。
これは、推しのアイドルの写真集で抜けないオタクが一定数いるのと同じ道理である。

話を本題に戻そう。
シチュCDのサンプルすらまともに聴くことができない私が、果たして須賀紀哉主演のエロゲに耐えられるか、正直割と不安であった。
ただエロゲなので、「最悪主人公のセリフはEnterキーですぐ飛ばせるしな」と保険を掛けながら、『eden* PLUS+MOSAIC』をプレイした。

……結果として、シチュCDのサンプルを聴いた時のような罪悪感は全く生まれず、いたって普通に作品を楽しむことができた。
恐らく理由は二つある。

女性ヒロインのセリフがメイン

エロゲの18禁シーンなので当たり前であるが、メインでしゃべる(というか喘ぐ)のは女性ヒロインの方である。
あくまで主人公のセリフは、サブ要素でしかない。
そんなおまけ程度のセリフ量で、圧っっっ倒的"良さ"を残す『9-nine-』シリーズの寺たk(以下略)。

自分に語り掛けてこない

一番大きいのはこれかもしれない。
エロゲ主人公が甘い言葉を語り掛けるのは、あくまでも画面の中の女性ヒロインである。

一方で、シチュCDは「まるで聴き手の"あなた"に語り掛けているかのような~」というのが、そもそもの商品のコンセプトである。
またCD作品のため、エロゲのように立ち絵が何枚もあるわけではなく、視覚情報はCDに付随するイラスト数枚のみだ。
視覚情報が少ないとなると、どうしても脳裏に声の主の顔が浮かんできてしまい、純粋に作品を楽しめなくなってしまうのである。
あっ、須賀紀哉さんは顔出ししていないんだった、ははははは……(乾いた笑い)。

要は私はやっぱり根っからのCP厨というわけだ。
好きな人の声が、画面の向こうの女と絡んでいるのを画面の外で傍観するのが楽しいわけで、こっちに矛先が向いてしまうと困るのである。

今回推しと似た声を持つ声優のエロゲ主演作をプレイして、上記の点がはっきりできたのは収穫だった。

……このnoteのタイトルも、「好きな声優と似た声の声優のエロゲ主演作に、私は耐えられるか」に改題した方がいいかもしれない。

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