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生地胴=ジーンズ論

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「生地胴とジーンズは似ている」 誕生から今日に至るまでの変遷、両者の魅力などなど、共通点が多くある生地胴とジーンズの話です。
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2023年7月の記事一覧

#33 生地胴=ジーンズ論  番外

#33 生地胴=ジーンズ論  番外

生地胴の歴史について連載している最中にふと思い立ち、漆器職人さんをたずねたときの話です。

◼️拭き漆から拡がる

私は、生地胴の普及に最も大きな影響を与えたのが拭き漆であることは間違いないと考えています。
拭き漆といっても、透度のあるものから黒や茶色など、色の濃いものも存在します。その塗が胴に用いられるようになると「一体どこまでが生地胴なんだ?」という疑問が聞こえるようになりました。

この連載

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#34 生地胴=ジーンズ論 vol.9

#34 生地胴=ジーンズ論 vol.9

■16 拭き漆の隆盛から

拭き漆の生地胴がすっかり市民権を得るようになると同時に、生地胴について見聞を広めていくと、「これは本当は生地胴ではない」ということにもどかしさを感じるようにもなりつつあった。
何も手が加わっていない素地の胴台こそが生地胴だという元の考えに立ち返ってみようかと、立ち寄った剣道具店で問い合わせても「今はそのまま胴台として使えるよい革がない(から拭き漆のものしかない)」という

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#35 生地胴=ジーンズ論 vol.10

#35 生地胴=ジーンズ論 vol.10

◾️19 そろそろジーンズの話

そろそろ(ようやく?)ジーンズについて触れておきたい。
今やファッションアイテムとして老若男女を選ばす、かつ世界中で愛されているジーンズのルーツが作業着であったということはご存じのとおり。最初はテントや帆に使われているキャンパス生地(帆布)で作られていた作業用のズボンが、より丈夫な素材としてデニムが選ばれ、今に至る。ジーンズの歴史をたどる前に、デニムのメリットを挙

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