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最近読んだ本のこと その2

 こんにちは!
 今年に入ってから初めての記事投稿です。
 皆様改めまして新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
 今年最初の記事は最近読んだ本の感想です。芸人さんのエッセイから小説・ドキュメンタリーまで幅広く読みましたが,今回はその中から厳選した5冊の感想を綴ります。どうぞ最後までお付き合いください。

① 店長がバカすぎて
 (早見 和真/角川春樹事務所)

 とにかく馬鹿で正直で時には真面目で…。そんな店長を可愛らしく思ったりイラッとしたりしながら街の小さな書店の薄給の契約社員として過ごす日常を主人公と店長の関わりを中心に描いている物語。個性豊かな書店の常連客や主人公の父親が営む小料理屋の客,書店の元店員など,様々な人物が出てきて,最後には驚くような結末が待っている物語。

店長がバカすぎて/早見 和真

② 収容所〈ラーゲリ〉から来た遺書
 (辺見じゅん/文春文庫)

 第二次世界大戦後にソ連軍にシベリアへ抑留され,過酷な環境下で強制労働を強いられた末に亡くなった山本幡男さん。
 最後まで収容所からの帰国(ダモイ)を夢見て収容者たちを励まし続け,絶望的な状況の中から句会を開き,収容者達の士気を高めようとして多くの人から愛され慕われていた山本さんが満身創痍,全身全霊で書き上げた遺書を紙に書き記すことが許されないという状況の中,暗誦し遺族に伝達したというのが実話であるというのに胸が熱くなり,感動すると共に,病状が悪化した山本さんに何も処置をしないソ連の対応にはなんとも言えぬやるせなさと憤りを感じた。
 第二次世界大戦の悲劇の中に埋もれた切ない実話であり,映画化を機にこの物語が多くの人に知られ,語り継がれていって欲しいと思う。
現在のロシアのウクライナ侵攻の最中に読むとまた違った感情で読める一冊。二宮和也さん主演の映画も見てみたい。

収容所から来た遺書/辺見じゅん

③ 中退女子の生き方 腐った蜜柑が芸人になった話
(紺野ぶるま/廣済堂出版)

 「向き不向きを他人に判断させてはならない」
 「この世はもっと神秘的に出来ている」
 「自分がゴールだと思っていた場所は他人にとっては通過点でしかなかった」
 「アイディアは盗まれてナンボ」
 どれも刺さる言葉ばかりでこれらの言葉を通して紺野さんへの芸への向き合い方や生い立ち,内面に至るまでの話が綴られているおり,ひとりの女芸人としてだけでなくひとりの女性として生きていく葛藤も克明に描かれていて等身大の紺野さんを知れる素敵な一冊。

中退女子の生き方/紺野ぶるま

④ どうやら僕の日常生活はまちがっている
(岩井 勇気/新潮社)

 岩井さんのごく何気ない日常に起きた些細な出来事が書き連ねられているだけなのに読んでいるとなぜか興味を引かれてしまうのは岩井さんが私生活をあまり明かすイメージがなかったからなのかもしれない。岩井さんの日記を読んでいるような感覚の一冊。そんな中で起こる小さな事件やそこで味わった悲劇や喜びを赤裸々に綴られていて,そこにどこか毒を忍ばせてあって見ていてとても楽しい。岩井さんが描いた挿し絵も素敵。

どうやら僕の日常生活はまちがっている/岩井 勇気

⑤ 伝える準備
(藤井 貴彦/ディスカヴァー・トゥエンティーワン)

 毎日ニュースを伝え続けている藤井キャスターが毎日つけ続けている日記から伝わる言葉の紡ぎ方を学べる一冊。「言葉を熟成させる」言葉の吟味の仕方やネガティブワードをポジティブワードに変換する方法など…普段何気なく発している言葉をしっかりと準備して発することによって変わってくるものがあるんだなというのを改めて感じる一冊だったし,そうした入念な準備をしているからこそ,藤井キャスターが発する言葉は多くの人の心を掴むものとなるんだなとも感じた。

伝える準備/藤井 貴彦

 いかがでしたか?皆さんも気になる本があったら是非読んでみてください。
 今回も最後までお読み頂き,ありがとうございました。寒暖差が激しく体調を崩しやすい季節ですが,くれぐれも皆様お体ご自愛ください。それではまた。

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