村上春樹『街とその不確かな壁』感想
はじめに 今日は村上春樹さんの新作長編『街とその不確かな壁』(新潮社)の感想をつらつらと書いていこうと思います。
第一部から順に雑感を書いていく予定なのでネタバレがあることと、先の展開に触れていたり他作品の話題を出すこともあると思いますので、その辺りをご了承下さい。
第一部 さて、最初の数章を読んでの印象は、思っていた以上に『世界の終り』だなぁというものでした。だからこそ本作との違いが気になるところですが、序盤はどちらかというと街の話よりも過去の話に比重が置かれていました