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作品の魅力を色んな視点からお伝えできるといいなと思っています。 よろしくお願いします。

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最近の記事

80sプレイリスト(洋楽/国内)を作ってみた。

はじめに タイトルが全てを物語っているのですが、以下はspotifyで80sのプレイリストを作ってみたら楽しかったというお話です。  ところどころで妙な選曲があるので、それらの解説のようなものを書く予定です。  なお、作るに至った経緯は↓のツリーを参照して下さい。  以上、よろしくお願いします。 国内 まず作ってみて思ったのは楽曲の幅の広さで、この時代には色んなジャンルのほぼ全てがあるんですよね。  あるいは「ほぼ全てのジャンルにヒット曲があった時代」と言うほうが伝わり

    • 村上春樹『街とその不確かな壁』感想

      はじめに 今日は村上春樹さんの新作長編『街とその不確かな壁』(新潮社)の感想をつらつらと書いていこうと思います。  第一部から順に雑感を書いていく予定なのでネタバレがあることと、先の展開に触れていたり他作品の話題を出すこともあると思いますので、その辺りをご了承下さい。 第一部 さて、最初の数章を読んでの印象は、思っていた以上に『世界の終り』だなぁというものでした。だからこそ本作との違いが気になるところですが、序盤はどちらかというと街の話よりも過去の話に比重が置かれていました

      • 『俺ガイル結1』の映画館と比企谷家から本編と分岐を再考する。

        はじめに 本稿では、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。結1』(小学館ガガガ文庫、以下『俺ガイル結1』or『結1巻』)で描かれていた映画館と比企谷家の場面をそれぞれ取り上げて、考察を試みたいと思います。  先月発売された『結2巻』のネタバレはありませんので、その点はご安心を。  なお本編からの分岐については、以下の描写を切っ掛けに、Prelude最後の独白から少しずつずれて行ったという(おそらく無難だと思える)解釈をしています。  以上、よろしくお願いします。 奉

        • 『かぐや様』EDと、ジブリ短編『On Your Mark』考察

          はじめに もう4年前のことになりますが、アニメ『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』のEDをニコニコ動画で観た時に、『On Your Mark』に言及するコメントがちらほらあったのを覚えています。  それ以来、いつかはちゃんと観たいなと思っていたのですが、来月中旬に調布で28年ぶりの上映があるというニュースに背中を押されて、ようやく観てみました。  本稿はジブリの短編作品『On Your Mark』(1995年)について、私なりの解釈を書き連ねたものです。  そ

        80sプレイリスト(洋楽/国内)を作ってみた。

        • 村上春樹『街とその不確かな壁』感想

        • 『俺ガイル結1』の映画館と比企谷家から本編と分岐を再考する。

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          俺ガイル各キャラの名前についての一考察

          はじめに 本稿では、渡航『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(小学館ガガガ文庫、以下『俺ガイル』)に登場する各キャラの名前について考えてみたいと思います。  具体的には、登場人物それぞれについて個別に語って行く形になりますが、その前におおまかな仮説をここで書かせて下さい(とはいえ、読み飛ばしても特に問題はありません)。  まず主要人物の名前については鎌倉時代、つまり「伊豆で挙兵した源頼朝が鎌倉に入って幕府を開いてから、それが滅亡するまでの間」に起きた出来事と関連して

          俺ガイル各キャラの名前についての一考察

          「メリーさんの羊」が暗示する親世代の罪について

          はじめに 本稿は、劇場版の前編が本日公開されたアニメ『輪るピングドラム』(2011年7月-12月)の12話で語られる「メリーさんの羊」から、過去に親世代が犯した罪を推測しようと試みるものです。  その手掛かりとして、高倉兄弟妹や夏芽姉弟らが現在=2011年に体験したあれこれを参照しており、つまり最終話までのネタバレが含まれています。  また、以前の記事で詳述した内容については説明を簡略化しています。  以上をご了承の上、よろしくお願いします。 仮説 さて、まずは私が「メ

          「メリーさんの羊」が暗示する親世代の罪について

          『ルックバック』とOasisとDavid Bowie

          はじめに 本稿は、藤本タツキ『ルックバック』(集英社ジャンプコミックス)を3つのパートに分けて、それらをOasisとDavid Bowieの楽曲を手掛かりに読み解こうと試みるものです。  藤本タツキ作品と映画との関わりについては多くの方々が言及しておられる感がありますが、音楽との関わりは(特にDavid Bowieについては)あまり考察を見ない気がしたので、新作が発表されたこの機会に書いておこうと思いました。  なお『ルックバック』発表直後の雰囲気や色んな方々の考察につい

          『ルックバック』とOasisとDavid Bowie

          俺ガイル本編の最終盤における八幡の成長について

          はじめに  本稿は、渡航『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(小学館ガガガ文庫、以下『俺ガイル』)の14巻終盤における比企谷八幡と平塚静のやり取り(P.497-)を振り返って、その作中での意味合いを検証するものです。  より具体的には、以下で言及した二つの行為について考えて行きたいと思います。  以上、よろしくお願いします。 作品をどう読むか まずは大きな話から始めることにしましょう。  とはいえ結論から言うと、基本的にはどう読んでも良いと思いますし、読者が作品

          俺ガイル本編の最終盤における八幡の成長について

          『輪るピングドラム』考察

          はじめに  本稿では、アニメ『輪るピングドラム』(2011年7月-12月)の最終24話を順を追って振り返って、そこで浮かび上がってくる疑問への解釈・考察を重ねていきながら、最後に「輪るピングドラム」とはどういう意味だったのかという謎解きをしたいと思います。  以上、よろしくお願いします。 晶馬と冠葉が箱の中に入っていた理由とリンゴの謎 いきなり難問が来ましたが、箱の中に居るという描写をどの程度「現実的に」捉えるかで話は変わってくるように思います。  まず思い付くのは、「

          『輪るピングドラム』考察