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読書感想

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#金閣寺

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NHKの「100分de名著」という番組で、三島由紀夫の『金閣寺』が紹介されていた。

『金閣寺』は半年ほど前に読み難しいと感じたが、そこに描かれている主人公・溝口の暗い内面には共感できる部分もあった。

理解できない部分は多かった。

ただ、何回も読み返すほどの熱意はなかったし、自分の周りにはもっと手軽な易しい本が溢れており、そちらの方が手っ取り早くワクワクできるのだった。
底知れない何かを持って

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「金閣寺」を読み、混乱する。

自分の生きている限り付いてまわり、
切り離すことのできない性質がある。

それを呪い、疎ましく思い
取返しのつかない引け目だと考えて
苦しみながら抱えているうちに、
その特質を持つ自分こそが
世界から切り離された、特別な存在だと
考えるようになる。

その性質こそが自分だと
自分には特別な役が与えられているのだと
それが唯一の存在証明だとでもいうように。

アイデンティティーといっても、
これは他

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