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ラッセルと夜型サイエンス

敬愛する20世紀の哲学者、バートランド・ラッセルは数々の箴言を残している。

『退屈の反対は快楽ではなく、興奮である』
『他人と比較してものを考える習慣は致命的な習慣である』
『私が医者なら自分の仕事が重要だと思っているすべての人に休息を命じるだろう』

彼の遺した中庸と理性からなる幸福論は、実践的哲学として今なお種々の思想の中に息づいている。

さて、表題。

本を読んでいると様々な偉人や文筆家に共通した主張が出てくることがある。

その一つが『一晩寝て考えてみる』だ。

これを言っている人はかなり多い。ラッセル、外山滋比古、あと僕のフェイバリット作家借金玉氏とか。

この効能は各人が『釣り合いの感覚を持たせて思考を明晰にする、精神の疲れをとる』と明らかにしてくれているので僕が新たに創出できる価値ってなさそうなのだが、それではあんまりなので日本最大級の論文サイトサイニーで検索したところ『概日リズムのクロノタイプと気分障害にかかわるストレスレジリエンス』という記事を見つけた。

難しそうだが、要するに『人間には遺伝子的に朝型か夜型かの区別があって、朝型のほうがストレスに強い可能性があるよ』という論文だった。

・・・・・・。




そんなのってありかよ!!

つまりこの記事から言えてしまうのは『遺伝子的に鬱になりやすい夜型人間っているよね~』ってことじゃないか、そしてクロノタイプは遺伝子に刻まれてるらしいので変更できない・・・

僕が見てきた偉人らは単に朝型人間であった可能性が示唆された。


鬱を軽減するために考え事は朝に回そうという記事にするつもりだったのにサイエンスに両断されてしまった。

とはいえ偉人が言ってるんだ・・・他になんかあるはず・・・おっ

『老人ホーム入居高齢者の唾液コルチゾールの日内変動と季節変動』

いいねいいね、コルチゾール、別名ストレスホルモン。
これが朝低ければ今回のノート記事にかなうものになるはずだ、どれどれ・・・?

「高齢者の唾液コルチゾール濃度は,若年者や成人と同様に,早朝に高く夜に低くなる明らかな日内変動を有した.」


ん・・・?


「早朝に高く夜に低くなる明らかな日内変動を有した.」



ん~~~~~~~?


んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん????????



これ、朝のほうがストレスが高いって論文なんじゃ・・・



んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん?????????







結論:みんな夜に起きていよう











補足、夜は疲労がたまっているし難しいことを考えるのに適していないって意見もある程度正しそう。そもそも今回持ってきた論文が目的にかなうか怪しい。ラッセルは間違っていない可能性全然ある。

とはいえ世間で言われ、実行されている「朝何かをすべき」って考え方は実は社会にいる夜型クロノタイプの人間を抑圧している可能性がある。

好きにした方がいい(クソ結論)


あと偉人の言うことは個人が言うことよりもある程度の正しさが担保されているけれど、それがまるまんま適用できるわけではないですね。





それではいい一日を。

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