㉚日日是好日
懐石料理の由来を知っていますか?
職場に読書家で文学に精通したおじさまがいる。読書に専念する為に3年間仕事を本当に辞めてしまうほど。
父も読書家であだ名は「百科事典」と呼ばれていたが、今の時代は世界中全員が「百科事典」。覚えてなくても検索すればサクッと出てくるから🔍
話を戻して、そのおじさまが「懐石料理」のいわれについて若い子に雑談しながら教えている声が聞こえてきた。
「懐石料理の懐石の意味を知ってるかい?」
「知りません。」
「懐石の字はどういう字か見れば分かるよ。
“かいせき“っていうと、“会う“に“席“の会席料理もあるのだけどね…。
“かいせき"という漢字は“懐(ふところ)“に"石(いし)"と書くんだよ。その字の通り。
修行中の禅宗のお坊さんが空腹をしのぐために、温めた石をふところに抱いて寒さと空腹をしのいだんだよ。千利休がその精神を茶道に取り入れて"懐石料理"としたんだ。懐石料理と禅宗、茶道は深い関係があるんだよ。」
「へ〜〜っ…、知らなかったぁ〜〜〜」
そんなやり取りを聴きながら私は自分の頭のノートに書き込んだ🗒️
私の好きな著書の一つ、森下典子の「日日是好日」。内容は「茶道」の話だが「脳の成熟期』(50〜55歳)とはこういうことなのだと感じられる作品。彼女は「茶道」を通して、私は本業「氣の研究家」なので「氣」を通して同じことを思う。
この中にも懐石料理の話が出てくる。抹茶はカフェインの含有量が高く、空腹時に濃いお茶は胃に刺激が強すぎる。お茶を美味しく頂く為にも空腹を満たす目的で懐石料理を頂く。メインはお茶であって食事ではない。一方会席料理はお酒を美味しく頂くための食事。
昨今の懐石料理は本来の一汁三菜からかなり豪華にアレンジされてしまい、空腹を満たす??というより贅沢な日本料理コースのイメージ。かなり懐の石の精神から外れてしまっているのね…
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