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(89)褒めるのことは立派な「社会貢献」である

「善と悪は一対」

15年ぐらい前、外資系保険業の友人から言われたことがある。彼女はトップセールスの中でも更に頂点の人。
「男性を褒めることは"社会貢献"と思って褒めなきゃダメよ!!」
と言われた。

私は性格上「嘘」が言えない。なので見えすいた嘘など口が裂けても言えないタイプ。

友人は「私は仕事柄、歯の浮くようなお世辞を言うわよ。でも男性は素直に喜んで木に登るのよ。立派な社会貢献よっ!」

彼女の同僚の若手男性社員の奥さんは非常に浪費家でお金遣いがもの凄く荒い人。
彼女が同僚の男性に
「浪費癖を止めるように奥さんに言わなきゃダメよ。」というと、
「いや、僕が彼女の遣いたいだけ稼げばいいんです。」と笑って言っていたという。

一見この奥さんは側(はた)から見ると「悪女」。しかしこの奥さんを満足させるために、この同僚男性は必死に働いて会社の売上を上げていく。つまりこの奥さんが浪費家でなければ、彼はこれほどまでして会社の売上を上げようとはしなかった。 
従って社会から見ると、この浪費家奥さんは、経済を回し、会社に利益を生み出すという「貢献」をしていることになる。
そういう観点から見れば「節約奥さん」は社会にとって「悪女」となる。

全ては「善と悪は一対」だ。
こちらから見れば「正しい」が、あちらから見たら「正しくない」典型例だと思った。

友人は
「男性は歯の浮くような褒め言葉でも本当に喜んで働くのよ。世の中の経済を回す社会貢献と思って褒めなさい!!"褒める"なんて無料なんだから!!」

この日以来、私は意識して男性を褒めるようになった。さすがに「歯の浮く褒め言葉」と「嘘」は難しいが、「本当に嬉しかったこと」「感謝の気持ち」は積極的に男性にも女性にも伝えるように心掛けるようになった。

全ては社会貢献のため。


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