老いの才覚
今回は読んで良かったと思った一冊をご紹介したいと思います。
【老いの才覚】 著:曽野綾子 (ベスト新書)
70代の人生の先輩が、
『自分はこの本に出会って本当に良かった』
と、自分にも勧めてくれた一冊です。
他の同世代の知り合いに勧めたら、その方もいたく気に入られたため、その一冊はプレゼントし自分は買い直したそうです。
本を贈った方は、何かにつけて読み返しては教訓にされているそうです。
テーマは超高齢化社会を迎えた現代だからこその『老いる力』を持つことの必要性について。
30代の自分にはまだ少し早いかもしれない。
でも、老いは誰にでも平等に訪れる。
そして、自分自身も日一日と歳を重ね続け、気づけば、あっという間に30代後半を迎えている。
自分にも確実に老齢期はやってくる。
人生の中で出会った言葉、考え方、経験がその人の人格をつくるとするならば。
自分を良い方向に導いてくれるかも知れない教訓を吸収するのに、年齢が早過ぎるということはない。
寧ろ早く出会うことで、
より多くの時間を、その言葉を胸に置いて生きていく事が出来る。
そんな気持ちで拝読させて頂きました。
戦争を経験された作者さんの言葉は同世代、その上の世代に対しても容赦なく厳し過ぎるほど。
けれど、世界中の国を見て回り、沢山の人間と出会い、時に観察し。
自らの人生の中でも沢山の苦難を体験されて来たであろう彼女から生まれる言葉には説得力がありユーモアがありました。
そして、日本語は美しく奥ゆかしいと改めて感じさせられました。
読了した今、
作者さん自身の『老い方』に留まらない、
『人間』として
こうあるべき。
こうありたい。
という強い気持ち。
そして、作者さん自身の生き様の一端をこの一冊から覗かせて頂いて。
これからの人生を老いに向かって生きるにあたっての、叱咤激励を頂いた様な気持です。
背筋が伸びるような一冊でした。
きっと、実際に自分が老齢期を迎え再びこの本を読んだなら、きっとまた違う形で心を揺すぶられることでしょう。
そして、大きな心の支えになってくれるだろう内容でした。
人生の傍らに、共に置いておきたい一冊だと感じましたので自分用に一冊購入することにします。
使われる統計データに違和感を感じ、初版発行年月日を見れば2010年。
日本は13年経っても同じ問題を抱えているどころか、データ的にも更に深刻化している。
この本が発行された当時以上に、これからの若い世代の為にも、自分たち世代が今から『老いの才覚』を育てていくことが必要なのだと感じました。
最後に、
この一冊に直ちに引き込まれたカバーのそでに書かれた一節をご紹介します。
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