桃太郎から浦島太郎へ
外山滋比古氏の本を読んでいると、よく「桃太郎」が登場する。同氏は著書『伝達の整理学』の中で、日本人は「読み書き(習字)」はうまいけれども、「話す・聴く」は苦手だと説いている。それはもっともだと思う。口から出ることばを軽んじて、人が話す内容をじっくり聴き取ることをしない。ともすれば、勝手な解釈を加え、話者が意図しない意思伝達に終わってしまうこともある。要するに、コミュニケーションが下手だ。そこで桃太郎が活躍するらしい。「むかしむかしあるところに……」で始まる昔話を子どもが聴けば