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低酸素脳症後のリハビリ

低酸素脳症の予後ってどうなのでしょうか?

低酸素脳症とは、「心肺停止の蘇生後に生じる脳の損傷のことをいいます。通常、病院の外で心肺停止になった患者さんの心拍が再開したとしても、約7割がこの蘇生後脳症で命を落とすといわれています。また、そうならなかった場合でも脳に障害が残り、寝たきりの状態になることも少なくありません」下記の近藤豊先生が述べられています。

勤務先の医師に聞いたところ、最初の時点での心肺停止時間にもよる。一旦回復傾向だったが、がくっと数週間で悪化する人もいる。その時期を乗り越えたら、若い方ならかなり回復する可能性もあるよと教えられました。
よし!と向き合った発症2ヶ月からのリハビリ。半年間一緒に言語聴覚士としてリハビリを行いました。

最初は気管切開、開眼しているも言語理解不可、四肢麻痺。食べられない、意思疎通できない、動けない。後に高次脳機能障害として、記憶障害や注意障害、視覚の問題(見えない)などもあることがわかりました。

発症から4ヶ月が経過した頃。痰は多いながらも話したいという意思が感じられたため、呼吸チームに相談しスピーチカニューレを初めてつけました。初回2、3分つけた間に大泣きされました。それで何かスイッチが入ったのか。この方の言語理解力が大幅にアップし、意思疎通がぐんぐんできるようになりました。その後は、全身状態に注意しながら水分や飴、食べ物を用いた嚥下訓練、スピーチカニューレをつけた呼吸、発声、構音練習を進めていきました。

身体の方も理学療法士さん、作業療法士さん、そして何より御本人の頑張りもあり、リクライニング車椅子に座るのがやっとだったところから、軽介助での歩行までできるようになっていきました。発症4ヶ月から8ヶ月の間でしたが素晴らしい変化でした。

退院のときには、気管切開を閉じ、話せて食べれるようになったけど、「家族の顔がみたい、歩きたい」と夢を話しておられました。

自宅退院した4ヶ月後(発症から1年後)に病院を訪ねてくれ、自分で歩いてる!視野は狭いけど見えるようになってきた!とのこと。
日々頑張っておられることに感動しつつ、お伝えした脊椎を動かす運動と見る練習を今も続けてますと言ってくれた御家族のことばに嬉しくなりました。


低酸素脳症後にここまでよくなることもあるんだという情報が、渦中にいる御本人、ご家族さんのもとに届くことを願って。

お読みくださりありがとうございます。
今日も素敵な一日になりますように。
あお

https://note.com/clever_eel645/n/n68b3a403a065


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