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低酸素脳症で起こる症状

低酸素脳症ではどんな症状が起こるのでしょうか?
「脳細胞が長時間低酸素状態におかれると、脳の比較的弱い部分、海馬を含む内側側頭葉、大脳皮質、淡蒼球、小脳に障害が残る場合があります。これらの障害が残ると、記憶障害、意識障害、認知症、指が細かく震える症状が特徴的なミオクローヌス、コルサコフ症候群、痙攣などの症状が出現します。」

発症初期…意識障害、四肢麻痺、呼吸障害、痙攣。気管切開が必要なことも多い。意思疎通困難、嚥下障害重度(唾液も飲み込めない)
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意識障害改善時期…名前やYES 、NOの意思表示などごく簡単なやりとりができるがムラが大きい。四肢麻痺、随意的に身体を動かした際にふるえがみられる。唾液嚥下でき呼吸が安定してくれば気管切開を閉じれることも(スピーチカニューレでの発声練習や食べる練習をして一定レベルに到達してから抜管する場合もあります)。

回復時期…身体を起こし動かすリハビリが進む中で、四肢麻痺やふるえは少しずつ改善していきます。しかし、寝たきりの間の筋力低下や拘縮は著しいため、コツコツと地道な練習が必要。首を持ち上げる、寝返る、うつ伏せになる、脚をあげる、腕をあげる、ヒップアップなど少しずつでも自主練習できるとなお良い。痛みがでない範囲!心地よく感じる範囲で!です。
それらの練習で体幹が安定してくると声量が大きくなる、舌や唇、喉の動きもなめらかになり嚥下の改善が進みます。口周りの麻痺があるなら「あーいーうーベー(舌を出す)」、「パパパ タタタ カカカ ラララ」など口を動かすことも有効です。これらができる頃には食事を食べ、一定の明瞭さでお話できているはずです。

高次脳機能障害は、回復時期になり目につくようになります。言語能力は比較的回復が早く、日常に支障がないレベルに戻ることが多いです。手の震えにより道具が使いにくい点はありますが、使い方がわからないこともあまり見られません。
1番残りやすいのは記憶障害。最初は今いる場所や時間感覚もない見当識障害、過去の記憶も乏しく、新しいことは全く覚えられない、直近何をしていたのかも思い出せないこともあります。それでも少しずつ思い出せることが増えていきます。発症前数年間の記憶や、発症後しばらくの記憶は戻らない、新しい記憶は印象的なこと以外残りにくいのでメモなどの代償が必要などは退院後もありえます。

また、少し幼くなった、感情の浮き沈みが大きい、前より怒りっぽいなどの情動面の障害が起こることもあります。幼さは現実を認識できるようになってくると変化していきます。感情面はすぐに改善するものではないですが、日常生活を送る中で年単位で少しずつ改善していく方々はお見かけします。

脳のどこにダメージを受けるかで、皮質盲という視覚情報は脳に伝わっているけど認識できないなどここには書ききれなかった症状も出ます。きちんと評価してもらえることが大切なので、医療関係者に気になったことは聞いてみてください。聞いてみないとしていただけないこともあります。

お読みくださりありがとうございます。
必要な方々に伝わりますように。
そして、大切な方々が少しずつ回復されることを信じています。

今日も素敵な1日になりますように。
あお


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