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脳出血後の回復過程

脳出血と脳梗塞の後、実際の回復に違いがあるのでしょうか?以下、脳出血について種々書いてくださっており、わかりやすいかなと思います。

が、病院で働いていて体験として感じるのは、①脳出血の方が意識障害など脳梗塞より初期の症状が重いことが多い、②出血がひいてくるとぐんっとよくなるタイミングがあることが多いという2点です。

①脳出血であふれ出した血液が固まって「血腫」となり脳神経を圧迫する場合には緊急に開頭血腫除去術が必要となりますし、水頭症が引き起こされている場合にはシャント術という脳脊髄液を腹腔内に排出させる手術が必要になります。
脳幹(中脳、間脳、橋、延髄)部分に出血が起こると、呼吸障害を引き起こし、人工呼吸器や気管切開をせざるを得ないことも。

以下参考資料です。

②出血がひいてくるとぐんっとよくなるタイミングがあることが多いという点。出血は手術をしない場合でも、自然吸収されてカサブタが残ったような状態になります。その経過を確認するために医師は期間を開けながら何度もCTを撮ることが多いです。

最初は覚醒が維持できない、注意が持続しない、辻褄の合わない発言が目立つ、片麻痺重度、食べられない、話せないなどの症状が見られます。それが、2週間から1,2ヶ月ほどの間に「最近昼間起きていられるようになったなぁ」「あれ?麻痺してた手足が動いてきてる!」「意思疎通がスムーズになってきた!」「食べ物を飲み込めるようになってきた!」など変化することがあります。
ま、全く変わらず反応が乏しく、麻痺も重度のまま療養型病院に転院ということもありますが…。

こんなよい変化が見られたら、脳出血が落ち着いてきたのだと思っていただいて大丈夫です。あとはリハビリしてさらなる回復に向かうべく頑張るのみ。

個人的には言語聴覚士ですが、身体を動かすことが一番刺激しやすく回復を促進させるように思います。そして、ご家族からの声かけも本当に患者さんの活力になりますので(急にぐんとよくなる方結構います!)、いっぱい声をかけたり、手紙や写真、動画などの手段を活用していただきたいです。
ご家族に会えた際の安心と喜びの表情は、医療者には引き出せないので、よろしくお願い致します。
 
お読みくださりありがとうございます。
素敵な一日になりますように。
あお



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