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1月2日

いつもより早く目が覚めた
テレビはついていたが画面に目をやるのが怖い。

夜が明け被害状況が
ぽつぽつと明らかになってきたようだった。

ひとまず身だしなみを整え、
軽く体を動かす。


今日は昼から実家にて
妹夫婦たちと食事をする予定のため
早々に家を出発した。



私はこうして何食わぬ顔で
日常を送ることができる人間だ。
無神経さに腹が立つし救われもする。

そんなことを飄々と書いて感傷的になってるフリしてるような自分にむかつく。
むかつくけど書いてる。

それでそのことがさらにむかつく。
でも、べつに、とすんなり切り替えて
私は普通に生活する。


傷ついた苦しいといいつつも
お腹がすけばご飯を食べ
大切な人に会えば嬉しくなり
誰かの行動にぶつくさ愚痴ったりして
自分の生活を守れるくらいには
無神経でずるくてつよい。

だからこの年齢まで生きて来れたんだわね。




実家に到着すると
妹の好物であるエビの天ぷらを
母が揚げている最中だった。

以前、妹と私が喜んで食べていたからという理由で準備してくれたイクラもあった。


正午ちょうどに妹夫婦がやってきて
お酒を飲んだりどうでもいい話をして過ごした。

今年の6月で94歳を迎える祖母がぽつり、
「こうやってみんなが笑ってるの見てるのが1番楽しいわ。しあわせ」と言った。

彼女もきっと無神経でズルくてつよいんだろう。


妹夫婦が帰宅後、
テレビから被災された方の人数や現在の状況、
亡くなった方の詳細が報じられていた。


父親と同じくらいの男性が、
帰省していた娘二人と妻が生き埋めになり
妻はかろうじて脱出できたが
娘二人は帰らぬ人となった…と話している。



ニュースを横目でとらえつつ
片付けを始めた。

早朝から料理をしてくれていた母は
疲れ果てこたつで眠っている。
その横ではしこたまお酒を飲み
酔っ払った父親が猫を抱えて眠っている。



一通り片付け終えたタイミングで
日航機が炎上しているニュースが流れ始めた。

今回の地震のため
物資を運ぼうとしていた海保の飛行機とぶつかったことによる炎上だそうだ。


立て続けにこんなことが連続で、
しかもお正月に起きるなんてある?
昨日から意味がわからない。

こうも悲惨なことが正月2日連続で起こると
明日は何が起こるのか、
2024年はどんな悲惨なことが日本人に起こるのだろうかと思う。


でも世界中では
お正月に関わらずクリスマスや
誰かの誕生日にだっておかまいなしに
戦争や紛争、天災や理不尽な事件事故で
命を落としている人がいるのだ。


そのことに平常時はスルーしているくせに
日本人だから、正月だからと言って
特別視して嘆き悲しむのは
なんか都合がいいような気もした。


それでも
こうも胸をえぐられてしまうのは

どんなふうに、どんな思いで過ごしていたのかが容易に想像できてしまう日だから、なんだろうか。




眠っていた母が目を覚ました。

父親は先に起きて
犬の散歩に行っていたが
それも終え、こたつで暖まっている。

私も片付けを終えたので
お茶やコーヒーを淹れ、お茶菓子を準備してからこたつに足を入れた。


3人でお茶やコーヒーを飲みながら、
燃え上がる飛行機を見る。

なぜあんな細いホースで
ちんたらと消火活動しているだろう

羽田空港だしもっとがっつりと消火活動できるような消防車?が来るのではないのか?とヤキモキしていたら

イメージ通りの消火活動をしてくれる
消防車がやってきたので
すこし希望が見えた気がした。


旅客機に乗っていた379名は
全員脱出成功したらしい。


御巣鷹山の事故を教訓に教育しているということを昔なにかの番組で言っていたから
日々の教育訓練の賜物なのだろう。

海保の方は
機長以外の5名が亡くなった。
つらい。



21時くらいに
自分の部屋に帰宅。
今日はテレビを消して眠ることにした。











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