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誰も傷つけない魔法を覚えて

毎日駐車しているパーキング。
定期券を読み取り
バーを開閉してくれる機械は三菱製だ。

セリフはいつでも一言一句変わらない。

車を横付けすると
「駐車券をお取りになるか、定期券を入れてください」

定期券を差し込むと
「ありがとうございました」と言う。
帰りも同様。

気に止める必要がないほど
なんでもない日常の一コマ。


この三菱製のパーキングお通し機械(適当)が
駐車場券を出し入れするだけなら
なんとも思わないだろうに
喋るもんだから温りを感じてしまう。


それで思わず
「はい、ありがとね」とか
「いつもたすかるよ〜」とか言いながら
定期券を差し込む。

もちろん返答はないのだけど
私は気分が良くなる。
今日も頑張ってんな、ありがとなと思う。


仕事中、突然システム上で入力できなくなった。

メモ帳とか付箋では入力できるのに
システム上では何度やってもダメ。
システムを閉じ再度ログインしてもダメ。

前の席の人に
同じようなエラーが起きてないが聞いたが
問題ないらしい。

しかたなくPCを再起動させると
不具合は解消された。


前の人が大丈夫だった?と
気にかけてくれたので
再起動したら直ったことを伝えると

「PCご機嫌ななめだったのかなぁ?」と微笑んだ。

ちょっと機嫌が悪かったみたいと答え、私も笑った。


無機質なものに対し
勝手に思いを乗せ
命あるものとして接するのは
少々子供っぽいとは思うものの
結構好きだったりする。



そういえば黒柳徹子さんの
AIBOの話が好きだ。


 AIBOはロボットで、あらかじめ「できる動き」が決まっている。

尻尾を水平にしたり、上げて振るなどだ。
ところが黒柳がAIBOをソニーに連れて担当者に見せたところ……。

「それを立ってごらんになっていた制作者の大槻さんという方が『いや……ちょっとありえないことがいま……』。

うちのAIBOは、
みんなが来て怖かったんでしょう、
しっぽを足のあいだに入れたんです。

大槻さんは
『それは機械的に言って、できないはずです。
いくら黒柳さんがかわいがっても』
とおっしゃってました」

黒柳徹子が溺愛する犬ロボット「AIBO」あり得ない動きに開発者が驚く
FLASH編集部




自分だけのファンタジーがあるだけで
物語はすこしだけ豊かになる。

誰も傷つけない魔法をたくさん覚えて
世界がもっと笑えばいいな。




















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