【2024発明工夫展への道】その4:提案するペーパーホルダはセミ・オートマチック&芯棒フレーム構造
上の見出し画像は,新たに提案するペーパーホルダの構造を示しており,その特徴はタイトルの通り。
以下で,その新構成に辿り着いた経緯を簡単に説明する。
前回の記事(その3:従来製品のリサーチ [後半])の最後で,従来製品を予備ロールの収容方法の違いから,いくつかのタイプに分類した。
しかし,その分類から新たなホルダ構造を導出するには至らなかった。既にあるものを整理しただけなので,新しい発見がないのは当然か?
本記事では,別の視点から既存製品の分類を試みる。
- - - - - - - - - - - -
下の図は前回の記事の見出し画像に使ったもので,ペーパーホルダの基本構造を示す。
その中で必要最低限の要素であるロール紙と芯棒の2つに焦点を当てる。それらの設置形態から,既存ホルダと提案ホルダを下の表のように整理してみた。
つまり,予備ロールと芯棒が固定なのか/移動させるのかの2通りで分類する。また,予備ロールへの操作が不要/手動/自動の3通りで分類する。
表より,既存ホルダの予備ロールは固定と移動の2通りが存在することが分かる。一方,芯棒は全ての製品で固定されており,予備ロールの移動も全て手動である。よって,従来製品との差別化を図るためには「芯棒の移動」と「ロール操作の自動化」がポイントになる。
なお,表の右端に示したType-1~5は従来製品のリサーチ(前半と後半)で紹介したタイプ名である。
- - - - - - - - -
ここで,提案する新ホルダ(表の最下段)の構造と動作について簡単に説明する。
上の見出し画像のように,提案ホルダでは複数のロールと芯棒が一体化されたフレーム構造を有する。フレームの一辺(例えば左側の枠)は開閉可能で,ロールを容易に補充できる。
予備ロールはケースに覆われているため抜き取ることはできない。ロールと芯棒はセットになっているのでロールの芯(厚紙)の有無は問題にならない。
見出し画像の一番下の現用ロールの紙が余っている場合,フレームはロックされており予備ロールを下に移動させることはできない。
現用ロールの紙切れがセンサで検出されるとロックが解除され,フレーム全体を手動レバーで下に移動させることができる。予備ロールが現用ロール位置にセットされると紙センサが作動し,フレームは再びロックされる。
このように,芯棒の移動はフレーム全体の移動によって実現されている。
新ホルダではフレームのロック解除を紙センサによる自動検出で実現しているが,ホルダの移動は手動のため全体としては半自動(セミ・オートマチック)である。
フレームの移動をモータ駆動により全自動化するのは将来の課題とする。なお,省エネのため,紙センサは人がトイレに入っている時だけ動作するように人感センサを組み込む。
- - - - - - - - -
以上,本記事では新たなペーパーホルダの基本構造を示した。提案するホルダでは芯棒自体が移動し,それが従来製品には見られない最大の特徴である。その効用については次回以降に整理して示す。
次回からは,各要素(センサ部,ロック機構部,芯棒フレーム部など)の設計と試作の様子を紹介する。
- to be continued -
【2024発明工夫展への道】の過去記事(下線部をクリックして該当記事へ)
・その1:テーマを決める
・その2:従来製品のリサーチ (前半)
・その3:従来製品のリサーチ (後半)