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近くて遠い国 中国 ビザハック・裏技




はじめに

近くて遠い国といえばどこだろうか。1位は圧倒的不動の北朝鮮、2位は中国だと考える。中国は現在、日本パスポート保持者には珍しく紙のビザを必要とする国である。外交上の関係の悪いロシアでさえ、電子ビザがある。そのため、中国大陸に旅行するビザ難易度は、トルクメニスタンやブータン、イエメン、シリア、ソマリア等の複数アフリカ諸国(主に日本国外務省渡航レベル4 の紛争地帯)と引けを取らない。
詳しくは限界旅行者から見たビザを参照。

しかし、コロナも明け、コロナ時代に厳しい行動制限があった中華人民共和国への日本からの旅行者も増えつつある。
実は、コロナ以前は日本国人には15日間のビザ免除制度が認められていた。つまり、事前に紙・電子等の媒体を含む、一切の手続きなしに中国に旅行ができたのである。2019年、コロナが世界で蔓延したことに伴い、すべてのビザ免除を中国政府は中断した。これはまさにゴミ政策である。

2024年、コロナが収束し、シンガポール・ドイツ等のパスポート保持者にビザ免除措置を再開してきた。しかし、日本人旅行者へのビザ免除措置はまだ再開されていない。今回は、中国ビザについて詳しく説明していこうと思う。この記事は、ありふれた一般のキラキラ旅行サイトとは違い、グレーな部分、裏技などを紹介していく。
あくまで、すべて自己責任で行っていただきたい。まぁ、そもそも旅行はすべて自己責任だし、情報を精査するところから旅が始まる。他人に責任を押し付けるくらいなら毎日、ベッドから出る必要もない。

中華人民共和国 ビザの種類

まずは、中華人民共和国のビザの種類について説明する。中国内政に干渉するようなアホな真似をしたくないため、今回は一切の政治問題を無視し、あくまで一般旅行者からみた、独立税関のみについて話を進めたいと思う。今回、この記事で取り扱うのは、中国大陸ビザである。つまり、港澳台(香港・澳門・台湾)を除いた部分である。さらに、便宜上、わかりやすくするため、チベット自治区を除く。チベット自治区は特別なのだ。くわしくはチベット自治区のビザの話を参照。また、ビザなしで渡航できる海南省もこの際、除くとしよう。海南省のビザの話

したがって、今回対応する地域は、下に示されている地図の色塗られている部分である。

中国大陆

まず、ビザの種類を紹介する。以下の表をご覧いただきたい。これは中華人民共和国大使館中国ビザセンターのホームページから拝借したものである。ページへのリンク, リンク切れの時のためのサイト

中国签证

ここで、注目していただきたいのは、
Lビザ(観光ビザ)、
Fビザ(訪問ビザ)、
Gビザ(トランジットビザ)
である。
まずは、Lビザについて説明をしていきたい。これはその名の通り観光ビザである。ちなみに、これは中国語で「旅游(Lü you)」のイニシャルである。同様に、Fビザは「访问(Fang wen)」のFである。トランジットがなぜGなのかは謎だ。「过界(Guo jie)」???

一般的な観光ビザの申請方法

Lビザ申請にあたって必要なものは、以下の通りだ。普通の旅行者なら次を申請すれば全く問題がない。

  1. パスポート:有効期間が申請日から6ヶ月以上、査証欄に余白ページがあるパスポート原本、およびパスポートの顔写真入りのページのコピー1部。

    • 注意事項:過去に中国ビザ取得履歴などの取得履歴、出入国履歴がある場合はそれが必要になる場合もあるため、ありったけ持っていくと良い。筆者の場合は、4冊必要になったこともあった。紛失してしまった場合や、忘れてしまった場合などは「日本国内のどこか紛失・処分した」と述べよう。

  2. ビザの申請表と写真

    • ビザの申請表オンラインの申請表作成ページから作成をしよう。昔は紙の申請表があり、手書きで行っていて、そのサイトがまだ閉じられていないので要注意。QRコードがある書類が正解である。

    • 写真:48 × 33 (mm)の写真が必要。かなり厳し目であり、政治的理由により、一般観光客のビザ申請を受理したくない場合はまず、写真についていちゃもんを出していた。現在はゆるくはなっているが、写真屋で撮ってもらったものが望ましい。写真の要求については写真の条件を参照。

  3. 合法的な滞在あるいは居留証明(所在国の国籍を持たないビザ申請者に適用)

    • 戸籍謄本を持っていこう^2。マイナンバーカードがあればコンビニで取得が可能。マイナンバーカードが無くても、お役所で発行が可能。コピー不可であり、うざったらしいが、必要経費である。たまには腐った紙社会に服従を感じることも大切だ。

  4. 滞在書類(この中の一つが必要)

    • 往復航空券とホテルの予約

    • 往復航空券の予約確定表・e-チケット

    • ホテルの予約確定表

      • ここで裏技が使えるので、後ほど記載。

    • 中国国内の関係機関または個人が発行した招聘状:そのとおり、いわゆる招待

  5. クルーズ船で訪中する場合は、その日程表
    情報があまりないが、おそらく、神戸 <—> 上海をつなぐ、の影響だと考える。筆者は、神戸港 —> 天津、青島 —>下関のフェリーに乗ったことがあるが、ビザ免除時代だったため特別必要な書類はなかった。おそらく予約表を提出すれば良いのだと思おう。今後、この情報を注視していく必要がある。

中国ビザの実際のとり方

ここでは、東京の中国ビザセンターにて、中国ビザを申請する方法を示そうと思う。

東京ビザセンターの写真
東京ビザセンター

基本情報

場所 : https://maps.app.goo.gl/hbcmowr7cMVA5BKeA
住所 : 東京都江東区有明3丁目7−26 フロンティアビルディングB 棟12F 
郵便番号 : 〒135-0063
(ただし、旅行会社やビザ代行会社に依頼をする際には、受取、申請ともにA棟である。)
営業時間 : 09:00 ~ 15:00 (申請)
     09:00 ~ 16:00 (支払い・受取り)

ビザの大まかな流れ

  1. ビザの申請用紙をオンライン上で作成 (作成フォーム : https://bio.visaforchina.cn/user/login?site=TYO3_JP)

  2. ビザセンター / 中国領事館 へ実際に行く

  3. 入口で警備員(日本人)から、受付番号を取得する

  4. 待つ

  5. 番号がモニタに表示されたら、案内された窓口に行く

  6. 必要書類が足りている場合、指紋を採取される (2回目以降は不要)

  7. パスポート等は預け、終了。この時、受取時期と金額を教えてくれる。

  8. 後日 (3日間は必要) 、前回もらった控えを持って支払い・受取へ。


警備員から渡された受付番号 この際は、100人以上の待ちだった


visaセンターには一応、コピー機、写真機などがある


陸路/海路での出入国方法

海路

海路での中国出入国の方法は至って簡単であると信じている。先程も述べたように、クルーズ船で訪中する場合は、その日程表等あるので、その内容でビザを申請すれば良いのだと思う。

陸路

問題は陸路である。陸路で国境を超える場合、主に国際列車・国際バス・歩き等が挙げられる。このとき、多くは現地購入が必須である。(例:新疆ウイグル自治区ウルムチ —> カザフスタン共和国アルマトゥイ・アスタナ国際列車のチケット売買はウルムチ駅の人工切符売り場のみで販売、オンライン販売なし)そのため、陸路での出国や入国を予定している場合はビザ申請の条件である、往復航空券の予約チケットを見せることができない。また、ビザが降りない段階でのホテルの予約は取りたくないものである。そんな中、次のような、グレーな方法でビザを取ることが可能である。

グレーなビザの取得方法

  1. 招聘状を使用する

    • 招聘状は意外と簡単に手に入る。オンライン上の友達、旅行代理店、日本にいる中国人の友達など招聘する側の人は誰でもよい。(ネ友でも、関係を証明できれば大丈夫な可能性が高い)

    • この手段を使用することで、航空券・ホテルの予約表無しでもビザが取得可能である。

  2. Fビザを使用する    実は、中国は訪問ビザというものが存在する。私も一度、これを使用したことがあるが、主に大使館主催の交流事業などを目的にしている。しかし、近年、この制度が悪用されている。特に、中国の大学機関に賄賂を払い、教授と「中国について学ぶ」等と的外れではないがでまかせらしき目的を書き、複数回訪問可能(つまり、一定期間、ビザ免除のようなもの)ができる。しかし、陸国境を越境する際、外国人は尋問の対象である。私も、過去、1時間以上の別室にて尋問をされたこともある。この際、中国語が不自由で少しでもボロが出ると、強制出国命令も十分にあり得る。

  3. ホテルについてからの支払い (いわゆる「後払い」)を選択する。

  4. Expediaを用いてホテル・航空券予約確定チケットを取る                      Expediaなら、24時間以内のキャンセル料が無料。ポイントは、外資系のホテルだ。この手段を使用することで、中国にビザを実質、航空券、ホテルの予約確定表が無くても得られる。

手順1. アプリ /  [ウェブサイト](https://www.expedia.com) を開く

iOS版 Expedia アプリ

手順2. 良さげの外資系ホテルを検索・選択

ホテルを選択。


手順3. 上の"Fully refundable before {翌日の日付}"と書いてあるものを選択。
   訳 : 翌日までにキャンセルすれば、手数料なしで返金できるヨ! 
   これを選択すれば、まず、間違いはない。
   下側の、"Pay when you stay ( ホテルでの着払い ) "でも可能。

支払い

疑問1:職員がホテル側に問い合わせることは無いの?
回答1:基本的に、当局がビザ申請のためだけに、ホテル側に調査をすることはまず無い。そもそも、提出した後に、ホテル側の不都合(倒産・満員・キャンセル・値上がり)なんていくらでもあり、防ぎようがない。

疑問2
提出した以外の航空便や空路で出入国できるの?
回答2:今のところ、出入国が制限されているビザの存在を確認していない(外国人閉鎖国境例:アフガニスタン-中国国境等を除く)。

注意事項

  • 第三国の中国大使館・領事館でビザを申請する際は少しハードルが高い。外国人の扱いに慣れていない大使館が多いのである。収入証明書、犯罪履歴書、銀行口座の残金証明書、国民身分証(日本でいうマイナンバーカード)など、取っていない人・そもそも日本にそのような書類が無い場合が多いため、要注意だ。

  • 陸国境をくぐる際には尋問がデフォルトであると考えて良い。常に堂々としていこう。

  • コロナ明け初期はなかなか審査が厳しかったりし、朝一(09:00)のビザ申請予約をしても実際ビザ申請が完了するのは午後16:00等、珍しくなかった。(予約制度は現在廃止中。)

  • 先にも述べたが、あくまですべてを自己責任で行っていただきたい



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