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fukukoです。ウェブメディアのライターをしています。よろしくお願いいたします。

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最近の記事

『不登校少女と三人の美魔女』第三話 ダイエットの極意は金、コネ、情報、知識

ヨガの魔法使い 「あら、あら、サリーちゃんは四十代になってもお顔が小さいわね。ほら、なにさんだったかしら引退した歌手の、安室奈美恵ちゃんみたい」  会うなりこちらを鼓舞するようにバンと背中と叩いてきた、藤井真紀子こと「マダムフジマキ」は御年八十五歳。  サリーンの母の古くからの友人でもあり、最近台頭してきたシニア向け美容雑誌で「本誌最高齢読者モデル」として、ダンス・ヨガインストラクターと紹介されたこともある人気者だ。  同時に、サリーンにとっては、小学生のころ最初

    • 『不登校少女と三人の美魔女』第七話 お盆の奇跡とスクールカーストクライマー

      プロムの準備とティーンの恋  「それはそうとさ、あんたたち、夏祭り来るんでしょ? 今度のライブなんだけど、バンドのアシガルとか、DJキコとかが来るらしくってさ……」  そろそろ帰ろうとトレーを片付けながら聡美がそう切り出すと、中学生二人組は、唐突に飛び出した有名人の名前に目を輝かせた。 「え? 自分もフツーに行きたいんだけど」  レオンも、身を乗り出す。 「別に学園祭じゃなくて地域の祭りだし、一般参加できるよ。俺の従兄弟ってことで、ゲストで来れば」 「毎年地元出

      • 『不登校少女と三人の美魔女』第五話 アイドルに恋してアテンドされかけた話

        サイコ、心を改める  ララがサイコに呼び止められたのは、日曜日の礼拝後、キッズに配った風船の残骸を捨てに来た、クリスチャンセンターのピロティだった。 「宮脇さん、ちょっといい。ベンチで話さない?」  良くはない、全然良くはないのだが、その日のサイコの目は、簡単には固辞できない「せっぱつまった」オーラを発していた  「なんか目が怖い」頭の中のアラートはそう告げていたが、教会というロケーションの為せる技か、 「別にいいけど……」  という、「親切な言葉」が口をつい

        • 『不登校少女と三人の美魔女』第六話 微妙なモテ期とオタサーの姫

          カースト上位男子を「引き寄せる」 「みやわきさん。ちょっといいかな、宮脇さーん」  放課後、校庭に面した側道を歩いていると、バスケットコートを覆うフェンスごしに、バスケ部の坂口翔平が声をかけてきた。  彼は、まさに海外ドラマでいうところの「アメフトジョック」。スクールカーストの頂点に位置しているモテ男子だ。 「あ? えっ、あたし? なに、なんですか」  昔なら「すわ、ブスに告白するタイプの罰ゲームか」と聞こえないふりをしていたところだが、今のララには「もしやこれ

        『不登校少女と三人の美魔女』第三話 ダイエットの極意は金、コネ、情報、知識

        • 『不登校少女と三人の美魔女』第七話 お盆の奇跡とスクールカーストクライマー

        • 『不登校少女と三人の美魔女』第五話 アイドルに恋してアテンドされかけた話

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          『不登校少女と三人の美魔女』第四話 モデルになっても陰キャは陰キャ

            ジャスミンみたいなCMガール    若い才能が開花するタイミングで、空恐ろしくなるほど「都合よくことが運ぶ」ことは、多くの大人が目にしたことがある比較手ポピュラーな現象だ。自身のことであれ、身近な人物のことであれ。  俗に言う「ゾーンに入る」「フロー状態に入る」状態は立て続けに起こることが多く、『スーパーマリオ』で「無敵になるスター」を取った時のようにスルスルと目の前に道がひらけていく。  必ずしも華々しい場面に限らず、ゲームやスポーツを根気よく続けていると稀に体感

          『不登校少女と三人の美魔女』第四話 モデルになっても陰キャは陰キャ

          『不登校少女と三人の美魔女』第二話 美魔女がJCをプロデュース

          美魔女トリオと陰キャ美少女 「でさ。聞いてる、藤子? うちの姪っ子、モデルにしたら、伸びしろ、ありそう?」  宮脇サリーンは星藤子の手を痛いほど握って、実家である塾の教室内の、「昭和風勉強机」からズイッと身を乗り出した。  小学生向けの学習椅子から不自然に伸びる長い脚を横に流し、モデル事務所のスタッフである藤子にすがりつく勢いのサリーン。そんな彼女を横目で見て、聡美は「必死だな、おい」と失笑を漏らした。  サリーンは、今年四十歳になろうという今も「年なりに」きれい

          『不登校少女と三人の美魔女』第二話 美魔女がJCをプロデュース

          『不登校少女と三人の美魔女』第一話 太った少女とスクールカースト

          プロローグ 「宮脇さん、ほんとごめんね。悪口を書いた紙を回すだなんて。ただの冗談だとは思うけど、嫌な感じだよね。みんなさ、宮脇さんがハーフ系の美人だからウラヤマシくて、ちょっと嫉妬しちゃったんだと思う」 宮脇さん、と呼ばれた宮脇ララは、うつむいて目を伏せたまま、膝に上で拳をギュッと握りしめた。 アルメニア系レバノン人と日本人のハーフである父の血を色濃く受け継いでいる彼女は基本的に中東系の顔立ちをしているが、やはりハーフの母親から受け継いだロシア系の血も流れており、角

          『不登校少女と三人の美魔女』第一話 太った少女とスクールカースト