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郷愁

先月母が亡くなった

なんだかんだ迷惑な母であったが
亡くなってしまえばもう文句を言う先もなく、母の逃げ切り勝ちである

肺がんから始まり
悪性リンパ腫を続発
抗がん剤治療に打ち勝てず
認知機能をやられてボケボケに🫠

治療をしないことを選択して
老齢が先か、病気が先か‥
‥で
騙し騙し自宅で療養を続けていた

‥と書くと
まぁお気の毒に
さぞ悲しく辛いでしょう
と仰って下さる方も
いらっしゃるかもしれないが

母が亡くなって‥
正直‥
ホッとしている自分がいる

冷たい娘だろうか‥

冒頭にも少し書いたが‥
母は若い頃から
家事全般が苦手で
人付き合いも下手で
そんな母が情けなくも嫌いで
私は早々に家を出た

立っとるもんは親でも使え。子供なら尚更』 
を座右の銘にしていた母である

結婚後、実家に帰省しても
私には気が休まる時はなく
里帰り出産なんて夢のまた夢

実家最高♫
美味しいご飯が自動的に出てくるし♫っていう
知人が羨ましかった

それでも
田舎で育ったDNAがそうさせるのか
毎年毎年大金かけて
盆暮れには孫連れて帰省して

毎度毎度大掃除し
ご馳走作って 
孫と一緒に遊ばせてやり
おばあちゃん気分を味あわせてやり

介護に入るずっーと前から
育ててもらった分だけの孝行はしてきたつもりだ

私が仕事を辞めなかったのも
帰省のお金や実家へのあれこれを
捻出するための
経済力が欲しかったから

あぁ‥🫠
皮肉にも
いまの私があるのは
頼りにならなかった母のおかげかぁ


そんな感じで
母と私は
折り合いが良くなかったものだから

自宅介護が始まり
定期的に母のお世話をしに帰っても

お迎えが来たら断ったらあかんよ!
上〜手に逝くんやで👼

と悪態をつきまくっていた私

誰にも迷惑かけず母を逝かせること
を娘としての使命としていた



結果

自宅から病院に入院して半月
最後は痛がることも
苦しむこともなく
穏やかな最期であった

母、上手に逝ったなぁ

娘の言いつけを守った母への
初めての褒め言葉だ

葬儀は

今流行りの家族葬
こじんまりと‥のつもりが

コロナ禍も明けて
意外にもたくさんの親族が
参列してくださった

昨年
実家の古い母屋を取り壊していて
母の持ち物も整理もしていたお陰で

若かりし頃の母の写真や
孫たちとの楽しげな写真も飾って
皆に見てもらった

遺影は
私のnoteの下書きに保存されていた『母髪を切る』の見出し画像を加工した

(あ〜🫠この記事、投稿するタイミング失ってしもたぁ〜)

いつも髪ボサボサだった母を
美容院に連れていき
こざっぱりした後に撮った
とっておきの1枚📷

遺影だけ見ると
上品で素敵なおばあちゃん♫👵

いや‥ズル過ぎるやろ

孫たちが気を利かせ
今風にパソコンに写真を取り込んで
スライドショーにして流してくれて
想像していた以上に
ほっこり☺と和やかな葬儀になった

これまでのズボラで自堕落な
母の生き様から考えると
随分とコスパがいい


葬儀後 自宅に戻り
近くのカフェでひと息つく

私が生まれた田舎とは程遠い
賑やかな街

ちょっと田舎に帰りすぎて
里心がついたのか‥

この街で自分が老いていく姿が 
急に想像できなくなった


帰りたいなぁ

ふとそんな気持ちにさせられる

母が亡くなる直前の、昨年の暮れ

もうそろそろXデー(古い!)
だろうということになり
母を自宅から車で30分ほどにある
生家に連れていき
会いたい(だろう)人に会わせ
懐かしい町を一緒に散策した

もう歩くこともままならないので
孫が押してくれる車椅子で

どれだけのことが
理解できていたかわからないが
懐かしそうに
母は眺めていた

ああ
私もこんな風に穏やかに
自分の育ってきた町を
懐かしみながら死んでいきたいなぁ

母が羨ましかった

まぁ帰る場所なんて
もう無いのだけれど

旦那はこっち(街)の人だしね‥。

結局のところ‥

母が一生をかけて
私に教えたことは
一体なんだったのか

人生自分の好きに生きたもん勝ち✌

ということか‥🙄

郷愁という言葉を身を持って感じる

歳とったなぁ(笑)

👵👵👵👵👵👵👵👵👵👵👵👵👵

葬儀の翌日

我が娘は
伯父が手にした葬儀の請求書をみて
奇声をあげる

ギャアー!?
えっ!?何?この金額?
人間って死ぬとこんなにお金かかる
ん〜??💴😱

そう‥
家族葬とは言っても、
ここは田舎‥
葬儀や法事には
それなりのお金を投じる‥

アルバイトじゃ
おちおち死ぬこともできやんってこと〜??😱
父!母!
父と母は大丈夫なん?
お金あるん?

母よ‥
可愛い孫娘に
あなたが伝えたかったことは
そこですか?

(※2024.2.10改定)

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