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キャリアデザインという考え方

最近、どこの企業でも人材不足の話が出てくることが多くなりました。日本の労働人口の推移を考えるとこれから企業の人不足が深刻化するのは間違いないと言えるのはみなさんもご存知のことかと思います。

企業としては、自社にフィットする人材をいかに採用していくかということに注力していると思いますが、働く人側の視点で見ていくと、個人の意識の差はかなりあると最近感じています。

今から20年以上前の私がまだ20代の頃は、転職=悪というイメージしかありませんでした。学校を卒業して就職したら、一つの企業で勤め続けて、キャリアアップを目指すのが当たり前で、転職は今までお世話になった会社への裏切り行為というような風潮があったと思います。「会社がコストをかけて貴方を育ててきたのだから、恩返しをするのは当たり前。」そんな環境で過ごしてきた方も多いのではないでしょうか?

それが、令和になりいざ人不足となると、優秀な人材の奪い合いとなり転職市場は活発化しています。メディアには転職を斡旋する宣伝で溢れており、転職を希望していない人でも、なんとなく「転職をした方がいいのかな?」と考えさせられるきっかけも増えてきたのではないでしょうか。

自分のキャリアについて、主体的に設計しないといけない時代に突入したのです。そのことに気が付いていない人が、まだまだ多いと感じています。
今は人生100年時代と言われており、平均寿命が伸びています。定年後の再雇用や働き方の多様化により、元気な高齢者は労働市場に沢山いらっしゃいます。「人生において働ける年数」は確実に増えてきていると言えるでしょう。一方で企業はどうでしょうか?東京商工リサーチのデータによると2021年の倒産企業の平均寿命は23.8年ということですが、これから企業の平均寿命が更に短くなっていくという見立ても多くあります。これは経済成長が見込めない中で、企業の再編が進んだり、自社に魅力を感じてもらえないことで働き手が集まらずに倒産などの理由が考えられます。
働ける年数は伸びているのに、働く企業の寿命が短くなっている」ということが客観的な事実からもわかると思います。今の時代は大手企業だから必ずしも定年まで安泰というわけでもなくなってきています。

働くことを企業に「依存」してしまうと、これからは振り回されてしまう可能性が大きいと私は考えています。ですが、ただ単に臨機応変に転職をすればいいと思っているわけではありません。これからの時代は、働く一人ひとりが自分の人生を「投資」できる仕事を主体的に選択しながら、働く意味、働く意義を見つけていくことで、自分の人生を生きることが求められていると感じています。これが私なりの「キャリアデザイン」に対する解釈です。

企業に所属する限り、会社に感謝して貢献する。そして事業のミッションにコミットするというのは当然果たすべき役割だと思います。そしてそれが「自分のやりたいことや得意なこと」であればこんなに幸せなことはないでしょう。
しかしここに一つ落とし穴があると思っています。「会社のためにこんなに頑張っているのに評価されない。」とか「自分が出世できないのは会社のせいだ。」というような思考パターンになってきたら危険信号です。
会社に依存してしまっている可能性があります。あくまで「仕事は自分のためにするもので職場には感謝すること」これが企業と労働者の良好な関係を維持するために必要なスタンスだと私は考えています。「会社のために」仕事をしてしまうと結果として依存を生むことになります。あくまでも「自分のため」に仕事をする。そして仕事の機会を与えてくれている職場に感謝して貢献することが大切です。

自分の為に主体的に働くということは、企業側から見てもメリットがあると思っています。それは働く目的が明確なので、組織に貢献してくれる可能性が非常に高いことです。会社という神輿を前に進めるために力を発揮してくれます。逆に、長い期間にわたり会社という神輿を担いでくれているように見える人がいたとしても、よく見たら神輿にぶら下がってるだけだったなんて事も実際の企業ではよく起こっていることです。

自分のキャリアデザインを考えるということは、7つの習慣の「主体的である」ことを考えるのと同じことだと思っています。

あなたが自分の人生でリーダーシップを発揮するには、自分の人生はどうあるべきか、自分自身に向かって究極の問いかけをしなければならない。
その問いかけを真正面から捉え、真剣に考え、答えを見出したなら、次はその答えにふさわしい生き方ができるように、自分自身を効果的にマネジメントすることが必要なのだ。
〜「完訳7つの習慣 人格主義の回復」より〜

今、やりたいことが見つからないという方も焦る必要はありません。今、目の前のことに集中することが大切だと私は考えています。目の前のことに向き合いなぜ?それをするのかを真剣に考え続けることで、道は開けると思います。その中で、3つの視点で考えてみてください。①自分が好きなこと②自分が得意なこと③世の中の役に立つことです。この3点が重なり合う場所にあなたの可能性が秘められているでしょう。この考え方はビジョナリーカンパニー(ジム・コリンズ氏の書籍)に出てくる「ハリネズミの概念」にも書かれています。ハリネズミ自体は体が小さいですが、敵から襲われそうになると、体を丸めて身を守ります。「自分の強みを一点特化して最大限に活かす」という学びがあります。

我々も、世の中の時流に合わせて、どのように自分の強みを活かすのかという考えが、これから必要なのかもしれません。

少しでも多くの方に、「キャリアデザイン」について考えるきっかになれば嬉しく思います。

読んでいただきありがとうございます。

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