楽園の存在証明は可能である
初めましての方は初めまして。
以前ブラック企業で働いていた際、最初は溢れんばかりの理不尽に対し意識を強く持つため、よくBOSSのコーヒーを飲んでいました。
しかし人間は生き物の中で最も毒に強く、すぐに適応してしまうため、カフェインによる過労のごまかしが効かなくなった私はエナジードリンクに手を出しました。
日々の身体の維持に缶コーヒー3本分のお金を払っていたため、そんな私に一本で充実感を与えてくれるMonsterはまさに救いでした。
そんなこんなで、身体を壊し心を病みひとりまたひとりと同期が辞めていく中、身体も心も無駄に丈夫だった私は、稼いだ残業代をコーヒーやエナドリに吸い取られる日々を送っていました。
ブラック企業がブラックたる理由のひとつとして『閉鎖的』であることが挙げられます。
積み上げてきた文化が歪んでおり、過去から抜け出せず、外の世界から隔絶された人々は『ここが世界の中心』であるようにふるまい始めます。
そんなブラック企業特有の言葉がいくつかあり、一度は聞いたことがある人も多いと思います。
『うちでやっていけないなら他所に行っても無理だ』
『辞めたあいつは根性がない』
『始末書、まだできないの?(親世代の社員が引き起こしたクレームの後始末を子の世代にぶん投げながら)』
『他の子たちはできてるのにできないのは君だけだよ』
などなどです。まぁ最後の台詞は若手の生き残りが私しかいなくなった時点で言われなくなりましたけどね。
楽園の存在証明
『楽園の存在証明』という造語があります。
出自はとある透き通るような世界観で配信されている有名なアプリゲームからで、その中に出てくる昔話のようなもので、
『楽園に辿り着きし者の真実を、証明することはできるのか』
といったものです。
要約すると、
『楽園に辿り着き、体験した者は楽園から出ることがないため、外の世界に楽園のことが知られることはない。つまり外界はその存在は証明できない』
こういった形で説明されていた記憶があります。
楽園の外に生きる人たちは、それを信じる人たちを馬鹿にしながら地獄ともいえる日々を過ごし続けるのです。
結末としては、この矛盾に関しては作中で解決?されており、それ以上は登場することはありませんでした。
この話の矛盾点を見て『確かに』と思いながらも、私はどこかこの話に違和感を、既視感を覚えました。
どこで見たのか聞いたのか、毎日街の飲食店が閉まる時間帯までエナドリを飲みながら残業をする中で私は答えを見つけました。
『これ、ブラック企業のことじゃね?』
・人の入れ替わりが定年と新卒のみで社外の知識が入ってこない。
・『楽園』を調べもせずないと断定する。
・見かねて出ていった人を後ろ指を指す。
そう、私が身を置いていたこの環境こそが、いわゆる『楽園の外』ではないのかと気づいたのです。
その中でも決して諦めず、会社をより良くしようと動いていた私の直属の上司のような方もいましたが、残業時間は100時間を超えていました。
というかそっち側の人はもれなく法定残業時間をぶち抜いていました。
逆に停滞した人たちの残業時間は少なく、月に5時間とかの人もいました(勤続年数20年程度)
これらを平均すると求人にあるような『平均残業月20時間』、『社内有給取得率良好!』などのホワイト企業に早変わりしてしまいます。数学って不思議ですよね。
話が逸れてきたので本筋に戻します。
『楽園の外』で私が学んだことは、
・『楽園の外』を『楽園』にすることはできないということ。
・『楽園』を探し続けないと私も『そっち側』になってしまうこと。
・定年に逃げ切れる世代ではないので中年あたりで詰む。
この3つでした。あと過労で人は本当に死ぬいうことも学べましたね。
『楽園の外』から『楽園』を観測するには
ここでタイトルの回収をさせていただきます。
この記事を通して『楽園』は外からは観測できないという話をしてきましたが、この話にはご都合主義で持ち出されなかった事があると思います。
それは、『楽園の中からの発信』です。
現実に置き換えると、今の世の中は『ネットワーク社会』であり、あらゆる方面から情報が日々発信されています。
それは『楽園の内外問わず』です。
こと現代社会において『今の自分が十全に戦っていける環境』を探すことは『楽園の外』から可能なのです。
それを私は『IT業界』に見出しました。
理由は以下の4つで、
・知識の取得にある程度の若さが求められるが自分は許容範囲内
・向上心がないと続かないが、月80時間以上の自学めいたことをできている
・コミュ力が必要だが、会話を恐れる感性はとうの昔に壊れている
そして『周りに影響されず際限なく能力をつけることができる環境』というものに魅力を感じたからです。
仮に渡った先がブラックでも、業界自体が実績最優先のため後から『楽園ガチャ』をすることもできると踏みました。
現に資格の取得や学習の努力はひと一倍進んでいると思いますし、それなりの評価もしていただけています。
今回は以上となります。
もしこれを読まれている方が環境や将来について不安を抱えられているのなら、まずは『自分にとっての楽園』を探すことから始めてみてください。
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