脳内麻薬は法律で禁止せよ (毎日日記を書く ~95日目~)
DCXです。優勝者が海外に送られるボディビル大会の掛け声。
デカすぎて関税がかかりそうだな!!!!
高校時代、家が高校の近くにあったので、夜近所を散歩するとき高校の周りをよく通りました。
ある日の夜高校の周りを通りかかったとき、門が一つ開いていることに気づきました。当番の先生が閉めるのを忘れたんかな、こんなガバセキュリティで大丈夫か?と思いましたが、それと同時に、
こっそり忍び込むなら今しかないッッッ!
って思ったんですね。夜の学校に侵入できる機会なんてそうそうないですから、ここを逃したら一生できないだろうなと思い、ちょっとでいいから入ってみたい気持ちになりました。
もちろん、本来なら施錠されていなければいけない学校に勝手に進入するのはOUTです。生徒なら犯罪とまではいかないかもしれませんが、少なくとも学校側から厳しい処分があるのは間違いありません。
それでも、その開いていた門の周辺にはカメラとかはなく、周囲は人通りも少ないところでしたので、おそらく見つかる危険は低いだろうと考えて、少しだけ入ってみることにしたのです。「先っぽだけだから」と同じ理屈。
周囲に人がいないか確認しつつ、一歩ずつ門の中へと歩みを進めてゆきます。歩を進めるごとに、見つかるかもしれない恐怖と、本来なら入れないはずの場所に入っているという背徳感で脳が次第に活性化していきます。
10歩くらい入っては戻ってを繰り返しているうちに、だんだんそのスリルを楽しさと勘違いするようになっていきました。そしてついに、「今回はもっと奥まで行くぞ!」と決心し、恐怖に支配されながらも奥へ奥へと進んでいきます。
普段使っている玄関や体育館の横を通り抜けて、学校の一番奥にあって、我々が部活で使っていたテニスコートの横あたりを目指して進みます。自分が普段使っている場所のはずなのに、このときはやたら神聖な場所のように感じました。
テニスコートの横あたりまできたとき、その横にある弓道場の壁のあたりで何かが点滅を始めたのが見えました。恐怖と背徳感で感覚が限界まで研ぎ澄まされていた自分は、直感的に「ヤバい!!」と思いました。もしかしたら、侵入者の存在に気付かれたかもしれない、これは危険だ、さっさと帰ろうと思いました。めちゃめちゃ怖かったですね。
やや早足で、でも大きな足音は立てないように来た道を戻って、空いていた門から出ました。
門から出る瞬間まで、誰かに見られていないかドキドキでした。出た後、とりあえず誰にも見られることなく侵入を終えたことに対する安堵や達成感で緊張の糸がほぐれました。
結局、誰にも見られることはなく一連の侵入は自分以外知る者はいませんでした。なんかのセンサーだけ反応させてしまいましたが、その後特に侵入がばれたとかはありませんでした。
その後も何度か夜の学校に侵入することになるのですが、それはあまり覚えていませんので割愛。この初めてのときの体験があまりに衝撃過ぎたので。
いま思い返すと、この体験が自分の人生に悪影響を与えたかもしれません。いけないことをしていると、ばれないかという恐怖といけないことをしているという背徳感によって脳が活性化され、それが一種の快楽につながると知ってしまったからです。実際このときは、恐怖と背徳感ですべての神経が限界まで研ぎ澄まされ、究極ともいえる五感と思考力を手にしていた気がしますので。
死の淵に立たされることで、かえって「生」を実感する
みたいな表現をされることもありますが、まさにそれを身をもって体験したのでした。
これって、人間の脳のバグですよね。
いけないことをしている瞬間が、最高の状態になる。
脳はそんな側面も持っているのです。恐怖とか背徳感とか、そういう危険にさらされているタイミングでは、脳が強いストレスを受けて脳内麻薬がたくさん出て、脳が活性化されます。エンドルフィンという脳内麻薬の一種は、ストレスを受けることで分泌され、それを快楽に変える働きをします。
悪いことをすると、簡単に自分を追い込んで強いストレスを掛けられ、手軽に脳内麻薬をいっぱい出すことができますが、この楽しさを知ってしまうと大変です。万引きとか痴漢とかをやめられない人がいますが、これもきっとこのせい。初めはもっと単純な気持ちでやったことかもしれませんが、それが快楽につながることを知ってしまったら、なかなか元には戻れないでしょうね。自分もその気持ちはよく分かります。
世の中には、もっと合法的で快楽を得られることがたくさんあります。悪いことじゃなくても自分を追い込んで集中することはできます。負けられないゲームとか、スポーツで自分を追い込んだりとか。
それを差し置いて悪いことを繰り返して快楽を得ている人がいるのを見ると、これはどうしても人間の脳の欠陥だなと思います。脳内麻薬は法律で禁止すべきなのかもしれません。
それではまた。