僕にとってミュンヘンが最高な訳
父親の転勤でミュンヘンに住むことが決まり、ドイツといえば、頭に浮かんだのがサッカーチームのバイエルンミュンヘンと音楽の都だった。その当時、FC東京に在籍していたが、行きたかった横浜マリノスからスカウトを受け、両親からは父親と一緒にドイツに行くか日本に残って横浜マリノスでサッカーをやるかは自分で決めていいよと言われた。僕は迷わずドイツに行くことにした。理由は二つある。
一つ目は、海外でサッカーをやってビッグチームでプレイしてみたいと思った。横浜マリノスからスカウトを受けたことはその可能性があるという自信につながった。
二つ目は、5歳から毎日練習しているバイオリンだ。ドイツはクラシック音楽の街で数々の有名な作曲家やバイオリニストを輩出していて、街並みもそれにふさわしく美しい。そんな街でバイオリンを弾いてみたくなったのだ。僕にとって、ミュンヘン以上の環境はあるのだろうかとさえ思った。
しかし、右も左も分からない初めての場所で僕にぴったりのチームでプレイできるのか、良いバイオリンの先生は見つかるのかという懸念があったが
先にミュンヘン入りした父は僕が来ることを決めたことに喜び、東方西走してチームを探してくれた。チームに入るのは容易ではないがFC東京でプレイしていたことが幸いしてチーム入団OKが出た。初試合の印象は日本だとテクニックやパスが重視される一方でドイツはとにかくゴールに突っ込んでいくという感じを受けた。僕はこの違いに戸惑った。自信を失ってしまった。
続く
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