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ヱビスの100日

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2023年11月の記事一覧

32.蝶よ花よ異世界よ魔人よ

32.蝶よ花よ異世界よ魔人よ

 ここじゃない遠くへ。
 なんて歌の歌詞では常套句ですが僕は子供の頃本気でそれに思いを馳せることが多々ありました。

 現状に不満があるとか、親や教師への反応とかそんな大層なものではなくて、例えばあの団地の向こう側ってどうなっているんやろうか? とか、例えばこの川に沿ってずーっと下っていったら海に着くんやろうか? そこはどこの海岸でなんて名前の海なんやろうか? とか。

 そんなんばっか考えてふら

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31.居酒屋めにぅとダウナー店員

31.居酒屋めにぅとダウナー店員

 さんざん少食である駄菓子が好きであると書きすぎてこいつ普段飯食うてるんか? と心配されたので、ちゃんと飯食うてますよというアピールで外食先での話なんぞを今日は書きますね。

 僕は外でお酒を飲まないんですが、嫌いなわけでも飲めないわけではなく、ただ酔うと早い段階で足腰おぼつかなくなるタイプなのでお店に迷惑かける前に床で寝落ちしても許される自宅で飲もうというたぐいの宅飲み派です。

 なので居酒屋

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30.虫の居所のお加減はいかがですか

30.虫の居所のお加減はいかがですか

 自分の機嫌は自分で取りなさい。
 というのがうちのおかんから唯一強く言い聞かせられたことでした。
 おかんがどうと言うよりかは祖父母がその思考を地で行く人達らしくて、母も姉も自然とそういう前提で生きていました。

 ただ、「不機嫌の尻拭いを他人にさせるな」と言われつつもあくまで「他人を頼るな」とは言われなかった。

 小崎の家に来て何年かはその教えに少し息苦しさを感じていたんですが。

 10年

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29.トンデモセクシートンチキラブリー

29.トンデモセクシートンチキラブリー

 恋愛映画や少女漫画や男性向けエロ漫画や、ギャルゲーや乙女ゲーやその他諸々なんでもいいんですが、フィクションの作品の恋愛描写における「絶対そうはならんやろ」がほんまにもうたまらなく好きで、それ肴に酒飲むくらい好きなんですよ。

 馬鹿にして笑うというより「僕がこの状況なら笑い崩れるやろうな」と思えば思うほどとても真剣な登場人物たちが面白くて仕方なくなる。

 漫画アニメゲームはそんなに触れていない

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28.喫煙所は僕らの小宇宙でした

28.喫煙所は僕らの小宇宙でした

 僕が喫煙者やった期間は大体4年間くらいしかないんですが、喫煙所でのエピソードとか思い出って存外多いんですよね。

 知らんおばちゃんにライター貸してくれてって言われて、人から貰った高いジッポ貸したくないなぁという貧乏性で断ったら態度豹変してブチギレからのおにぎり投げつけられたこととか。
 ちっちゃいおじいちゃんがなんでか銘柄違う煙草を2本咥えてたこととか。
 泥酔してて喫煙所入ってくると同時にめ

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27.人類総ジャックナイフ

27.人類総ジャックナイフ

 僕は自分がかっこいいと思ったものを「かっこいいでしょ」と他人に自慢しますし、それを否定されたり揶揄されたとて「かっこいいのに」と思って終わります。

 どうあれ僕がそれをかっこいいと思ったので、わりとそこで完結している節は昔からあります。

 でも、やっぱつらいですよね。自分がかっこいいと思ったものや素敵と思ったものをからかわれるのは。
 つらいから、初手で自分から笑いものにする。相手にそうされ

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26.あゝ素晴らしき大うつけ

26.あゝ素晴らしき大うつけ

 先日、親父に会いました。
 何年ぶりやろうか? 中二以来なので、十三年か十四年ぶりくらいかな。
 ハゲてたな。
 ほんまにハゲてたら「クソハゲ」って言いにくいやんか。何をほんまにしっかりハゲてくれとんねんハゲ。

 11月20日にありがたくも単独ライブをおこなったんですが、終わったあと劇場前で待っとったんですよ親父。
 そんで「また家族になろうとか言う資格はないねんけど顔だけでも見たくて」うんぬ

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25.すぅのサイドで就活だそうで。

25.すぅのサイドで就活だそうで。

 キラキラネームえぐいすね。
 なんというか、親のエゴと子供の尊厳の殴り合い。

 許可もらって書くんですが、僕の中学の同級生に翠兎(すぅさ)という女の子がおったんですね。
 ほんまに市役所には「ぅ」は小文字で登録されているそうで。すぅちゃんすぅちゃん言うて僕はわりと仲良くしてたんですが、高校で離れてしまってからまあ苦労したみたいです。
 なんでもあだ名が「スーサイド」になってしまったそうで、そこ

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24.とりあえず今日も運命

24.とりあえず今日も運命

 直近の鬼リピ楽曲。
 以前書いたスタッフとして雇っている子が音楽好きで、「ラブいですよこの曲」と勧められてまんまとハマってしまったんですね。

 ギターのリフとか勢いのあるボーカルの声とか大変にめっちゃんくっちゃに素晴らしいんですが、なんかもう歌詞が刺さって刺さって仕方ない。全方向ずたずた。いつから俺は黒ひげになったのだろうか。

「渡ってみたんだ 信号 赤でもいけてしまったんだ そんなのが運命

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23.脳から直でアンチテーゼ

23.脳から直でアンチテーゼ

 アンチしんどいですね。
 そりゃしんどいですよ、ご批判は受け止めた方が良いとはいえ人格否定までされる覚えはなく、そんなに受け止めろと言うならダメ出しに改善点も添えてほしい。

 でもアンチ、ちゃんと話聞こうとしてDMとか真面目に返信すると引いていっちゃうんですよね。
 ツンデレなんかな? 話しかけてもらった以上はお話したいんやけどな。

 正直めちゃくちゃしんどいですしなんやこいつ顔べこべこにし

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22.ああああいてないピアスが

22.ああああいてないピアスが

 出てきたんです……僕の部屋から……ピアス……僕は一度も耳たぶに穴をあけたことないんですけど……。
 黄色いお花のかたちのピアス……。

 元カノの忘れ物ですね。今だけほんまに泣いてもええかな。
 あの、こんなん聞くとぶん殴られそうなんですが、皆さんどうやって恋人とお別れしました?
 勝手な想像やけど喧嘩別れが一番多いんかなぁ。
 価値観の違いとか……なんか冷めたとか……そんなんなんかなぁ……。

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21.ここを僕らの「優しい」にしよう

21.ここを僕らの「優しい」にしよう

 僕は個人で何か企画をしたりイベント開いたりする際にいつも手伝ってくれる人として、生真面目でけっこう勤勉なのにまあなにぶん社会的に身の置き場が見つからずふらふらしている子をスタッフとして囲っているんですね。

 その子はいつも論理的というか秩序立てて物事を考えるし話すのも上手いんですが、その論理的な中に突然破綻した部分が発生する。

 僕から見てもいろいろと才能があって器用な子やし、僕以外からもあ

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20.ブタメンは人生の形をしてる

20.ブタメンは人生の形をしてる

 僕は昔からとても少食で、わりと給食の時間がしんどい子供だったんですが。
 同時に、小学生の頃から駄菓子がものすごく大好きでもあったんですね。

 小学生というのは、その子にもよりますが、環境としてはまだそれなりに「人生ごっこ」の段階なことが多いやないですか。
 その「人生ごっこ」において僕にとっては駄菓子が「食事ごっこ」であり明確に意識した「食べるという生命活動」でした。

 ソフト麺3分の1で

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19.高尚様とてエモーション

19.高尚様とてエモーション

 専門職や歴史を題材にしたドラマやなんかの作品で、現実との差に本職や専門家の方が突っ込んだりイライラしたりという状況は散見されますね。

 よく調べなさいよと思う反面、存外素人だとどこが変かも分からんままぼんやり観れてしまったりしてしまう。
 調べれば調べるほどきちんとした作品にはなるんでしょうが、荒唐無稽な部分がないと物語として面白くない、あるいは展開が立ち行かなくなるなんてことになる。

 善

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