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将来の夢の話

「将来の夢はなに?」
ある日、子どもに何気なく聞かれた質問が、胸に刺さった。
ショック!自分のやりたいことが思い浮かばない!「私」は何が好きだったっけ?と頭にクエスチョンマークを浮かべながら、呆然と空を見上げてしまった。

往来、人に任せるのが苦手で、全部自分でやろうとする性格。そこそこの大学を卒業して、そこそこの専門職に就いた。でも、仕事をこなし、家事をこなし、子どものお世話をこなす。この三つの役割を果たすのはさすがに無理。職業人としての一線を退いた。
家庭外の労働は、組織が代わりになってくれる。しがし、少なくとも子どもの母親は、私一人しかいないと以来自分を励ましてきた。
と同時に、こんなはずではなかった、と思う自分がどこかにいた。

朝から夜遅くまで仕事をし、週末も休み無し、の配偶者に遠慮し、自分は稼いでいないから、とまた遠慮する。病院も、美容院も、着飾ることも、自分のことは後回し。優先にしてはいけないような気さえする。後に残ったのは、自分自身への諦めと自己肯定感の低下。

思い出した。
社会に出れば、貢献できることもたくさんあって、それなりにお給料もいただいて、自分磨きを怠らず、ブラッシュアップし、母親としても職業人としても、充実した人生を送るのが理想だった。
家族と何でも相談しあって、お互いを高めあって、時にはぶつかり合いながらも未来を育んでいくチームになりたかった。

今、理想とは程遠い。

改めて考えなおす。
座っている時間もないほどいつも忙しくて、あわただしくて、スケジュール管理をして、自分のことは後回しで、苛立っている母親の背中を見ていたら、大変そうだから、家庭は持ちたくないなあと思うのではないか。
親になるって素晴らしい人生経験!と、子どもに思ってもらいたい。母親業は価値のあるものと子どもに伝えたい。

子どもの頃、何が好きだったかなあ。
そろそろ自分探しを再開しようかな。将来の夢を堂々と語れるように。

ー余談ー
家庭科・保健体育はサブ教科だが、メイン教科に引き上げるのはどうだろう。男女ともに、特に偏差値の高い学校ほど、ぜひメイン教科に採用していただきたい。