造形作家Lucia Pescadorのドキュメンタリー映画「Pescador a mano libera」を観る
先日、よく行く複合美術館で、Lucia Pescadorという造形作家のドキュメンタリー映画の公開があった。世界初の公開(彼女はミラノに住む81歳の造形作家なので、勿論、ミラノで一番先に公開されるべき作品だ)で、今後他国でも放映されるのかもしれないが、恐らくそれもヨーロッパの限られた国だけだろう、と思われるので、ここはマイナーなアーティスト、アート作品を紹介するシマ子の使命として、彼女についても紹介しておこうと思う。
まずは、Lucia PescadorのBioから行こう。
次に、映画についての説明に移ろう。
今回は映画のみの鑑賞で、彼女の作品を写真に撮れるかたちでは見ていないので、幾つかネットから拝借したものを紹介しておこうと思う。
映画の説明と幾つかの作品から、彼女の作風、そして自宅兼アトリエのイメージが少し沸いたかと思う。
現在は81歳、撮影当時は80歳だったという彼女は、非常に身軽で、好奇心旺盛で、何より話が面白い人だ。
例えば、葉書やA5サイズ程度の自分の作品を2つか3つあれやこれやと組み合わせて、「アフリカとミッキーマウスなんて全くの無関係だと思うでしょう?でもこうすると合うのよ。アフリカには行ったこともないし、ミッキーマウスは子供時代の記憶に結び付いていてね 云々」と語る。そして部屋の様子が映されると、「カオスなのよ、カオス」とか、「私、作業が早いから、すぐにできちゃうのよ」とか、「昔教鞭を取っていた頃は稼げなかったけど、今は稼いでるよね」とか、会場にいた多くの女性陣は大笑いだった。
また室内には作品が溢れているから、どこに行ったのか時に忘れるそうで、探すのも大変で、時には作業場所としてベッドの上を使って、そこで一緒に寝たりもするそうだ。
とにかく、「カオス」という言葉がぴったりの家・人で、でもそれが決して汚いわけではなく、なんというか、CézanneやRenoirのアトリエ(展示作品がタイプではなくて紹介しなかったが、現在もなお王宮美術館で開催されている展示の一角に再現されているものだ。そのアトリエだけ妙に美しく、見入ってしまった)に似て、長い年月をかけてこびりついたものの上に、それに合うものが重なり、溜まっていったものの集積、という趣があり、見るとホッとするのだ。
日本のイメージで言うと、田舎のおばあちゃんの家に行った感じ、もしおばあちゃんの家の居間が片付いているなら、、、押し入れや普段物置として使っている部屋、とでも言おうか、そのような雰囲気の自宅兼アトリエの中で撮影が行われていた。
Lucia本人の雰囲気は、下のビデオで少しわかるかもしれないので、2つばかりリンクを貼っておこう。
残念ながら、今回の映画のTrailerがなく、この作品の面白さを動画としては一切お伝え出来ないのだが、興味がある、是非日本でも放映したいなどという映画配給会社もしくはギャラリーの方がいらっしゃれば、
にお問い合わせいただければ、と思う。
ミラノでの公開日にはLuciaさん本人もいらしていたが、緊張ゆえか、お疲れだったのか、言葉に詰まってしまい「もう話せない、私、トシだから」と何度もおっしゃっていた。
しかし彼女の面白さは、私たち全員が映画を観て把握済みだったので、温かい拍手を送り、会場を後にした。
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