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モノクロの木に癒される

先日、Loredana Nemesというルーマニア出身でベルリン在住の写真家の展示会「Greytree and Heavensea(邦訳「灰色の木と水色の空」)」に行った。
この写真家の名を聞いたのは初めてだが、展示会案内の写真が気になり、本当に興味本位でささっと鑑賞した。しかし詩的で美しい写真に癒しを感じたので、是非紹介したいと思う。

https://loredananemes.de/en/

彼女の被写体は、主に次の3カテゴリーに分けられるようだ。
1.自然(特に樹々、たまに海や空)
2.湖の白鳥(白鳥たちが餌に群がる瞬間のダンスをしているような表情)
3.人間

個人的な意見としては、1が一番個性が出ており、2もなかなかだが、3は他にもたくさんの写真家が撮っているので特に印象的ではない。今回の展示のメインは1で、ドイツのRügen(リューゲン)島という自然溢れる静かな島のブナの森を中心に撮影されたそうだ。
一人旅好き、静かなところ好きな私にとっては興味深いので、地図で場所を確認してみた。

※Rügen島の観光サイト

ブナの木の作品については、全てゼラチンシルバープリントだそうだ。
彼女は、この作品集を作った際、下のような説明を綴っている。

Sassnitzは息がしやすい。そこでは、より速い光と5月の葉が、繊細な枝の上に蝶のように舞う。ブナの周りの地面が近く感じられ、逃げる必要はない。筋肉は弛緩する。灰色の木々は知っている、私がカルパティア山脈の尾根から、取り残されたブナの土地から来たことを。Sassnitz、森の果ての海。私に不利になることはない。海は光をはじき、灰色を知り尽くしている。だから私たちは、腕や枝や根でこの縁に立って、お互いに掴み合い、養いあっている。そしてもう何も痛くない。

展示会のイタリア語の説明書きを意訳

さて、幾つか作品の紹介を。

一番のお気に入り
色の濃淡が絶妙
花なのか葉なのか、近くからじっと見てもわからないけれど、葉なのだろう
日本の林にも近い印象
霧とか靄がかかると全てが幻想的で美しく見える
海と空、もしくは海と雲

※購入しやすい値段で一番素敵だと思う本

※彼女のインスタ

ドイツ以外では、ヨーロッパの一部でしか展示会が行われた様子はないので、もしドイツで展示を見たい、とか日本で展示会を開きたい、という方は、上に貼った彼女のHPから問い合わせもしくは確認していただければ、と思う。

ちなみに、展示物のささやかな動画をシマ子のインスタのストーリーズに残しているので、気になる方はそちらもご覧ください。


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