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ニーチェ入門 著:清水真木

個人的好感度 ★★★★☆

〜読み始めた経緯〜
ニーチェが好きでより深めたいと思い、入門書をいくつか読むことから始めようと思ったから。

〜印象に残った文章〜
「ニーチェは、七つの序文の中で、自らの著作が回顧録であること、そこで語られているものが、健康な人間としての側面と病んだ人間としての側面を併せ持つニーチェ自身であり、健康と病気こそ自らの思想の核心をなす概念であることを繰り返し強調している。」

〜感想〜
Googleのサイトでニーチェの入門書として最もわかりやすいとして紹介されていた作品だが、哲学素人には少し難しい気がした。しかしながら、ニーチェの思想について、彼の人物像や人生から解説されており、全体像が見えることでわかりやすかった。どちらかというと、ニーチェの哲学思想の入門書というよりニーチェの伝記のような扱いだと思う。
個人的に非常に納得したのが、ニーチェの思想は「精神の健康と病気」と定義づけた点だった。彼の人生はまさに精神との戦いであり、晩年は精神に異常を来したため狂いながら伏していったとあり、そんな彼だからこその、どこか優しさを感じる思想なんだなと思った。運動と同じように、心も負荷をかけることで健康を確認するというのは、自分にとって革新的であり、心を労るだけでは満たされないのだと気づいた。現代に通ずるところが非常にあるため、ニーチェの思想は学ぶべきことが多くて、読んでいて楽しい。今後もニーチェをより深く学んで良き理解者になりたい。

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