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世界でカレーに餃子を入れたい

カレーに入れるトッピングの中で、一番好きなのが餃子である。

そもそも私は餃子自体が大好きである。
「おふくろの味は?」などの応募記事であれば、ニラのたっぶり詰まった餃子の美味しさについて延々と語りたいところである。

私は札幌で生まれ育ったのだが、地元に結構有名な餃子のチェーン店がある。

子供の頃からそのお店が大好きで、今も帰省した際にはできるだけ行くようにしている。

今はそのお店もメニューを色々と増やしているようだが、昔はそれこそ餃子の専門店であった。

ほぼ「餃子定食」か「餃子カレー」の2択であった。
私はその「餃子カレー」が今も昔も大好きである。

結構な大人になるまで、日本全国、餃子をカレーに入れて食べるのはごく普通の光景であると思っていた。

今は関東在住だが、そんな人はこちらではむしろ少数派のような気がしている。

「カレーに餃子入れますよね?」と人に聞くと「えっ?!入れませんよ」とか「入れたことないっす」などの返事が結構な割合で帰ってくる。

「なにそれ~?やばそぉ~」などと言われたりもする。
別にやばい食べ物ではないので、安心してほしい。

ただ、なるほどこちらのカレーチェーン店で、餃子をトッピングにしているお店にもなかなか巡り合わない筈である。

ご記憶の方がいるかどうか、かつて短期間であるが、例の全国店舗数 No.1のカレーチェーンで「点心カレー」(?)みたいなメニューがあったように思う。

あれが結構、餃子カレーっぽくて全国で人気が出るかと思ったが、何だかすぐに終わったような気がする。

かなり昔の話なので、上の話が別のチェーンであったとすれば、誠に申し訳ない。

トッピングと言うと、私はどうしても自分の個性を抑え、キャラの強い「主」であるカレーを引き立てるという健気な奴らを想像してしまう。

「カレー兄さん、勉強させていただきます!」みたいな謙虚なほうれん草クンみたいなやつである。
(ほうれん草カレーも実にいい!)

餃子自体がそこそこ自己主張の強い食べ物であると思う。
できれば自分の芸風をいかんなく発揮し、主演を食ってやりたい、みたいな野心も感じるところである。

「餃子カレー」という企画、そこには、ひょっとしたらお互いが相手の個性を打ち消し合って、コラボ自体が滑るのでは、、、みたいな一種の緊張感が漂うのである。

一瞬たりとも目が離せない、もはや共演という名を借りたタイトルマッチの類である。
結果どうだろう?

餃子が先手を打ってカレーに殴りかかったところ、カレーはこれを涼しい顔でかわし、相手を大きく呑み込む、、、と思いきや、餃子がエイリアンの如くカレーの腹を突き破り、互いに「痛い!」とか「やめて!」とか言いながらの攻防を繰り広げ、最終的には喉を伝い、ほぼ相打ちの状態で胃袋という名の永遠の闇へ転がり落ちてゆくのである。。。

、、、食に対する表現力に乏しいので、どうにか美味しさを伝えようと努力したが、却って分かりづらかったかもしれない。。。

まあ要するに、お互いに相手の良いところを消すことのない仕上がりになっていると感じるわけである。

似たような曲者同士の組み合わせで「納豆カレー」というのがあるが、あれは私的には相性が合わなかった。

さて、私は昔、中国に住んでいたことがあったが、中国にある「東北人」という北方料理のチェーンがとても好きだ。

「東北人」の餃子が、これまた美味しいのである。

あるとき「ぜひともカレーの中にあの東北人の餃子を入れて食べてみたい」と強く思ったのだが、その店には、そもそもカレーというメニューがない。



考えた挙句、私は近所の日系高級デパートに行き、日本のレトルトカレーを買い込み、それを「東北人」に持ち込んだ。

そして、店員さんに拙い中国語で「このレトルトカレーを約〇分間、鍋でグツグツやって、お宅の餃子を白飯の上に置いた上で、このカレーを上から、、、」などと実に面倒なお願いをした。

店員さんも「キョトン」とした感じだったが、暫くして無事に「東北人餃子カレー」を堪能することができた。

断られるかとも心配したが、正に4000年だか5000年の歴史の国である。
中国そして中国人の懐の深さを実感した次第である。

各位も中国に行かれた際は、ぜひ「東北人」に足を運んでほしい。
特に「餃子」のほか、「地三鮮」という料理がとても美味しいので試してほしい。

あのときの店員さんの対応に感謝し、少し宣伝しておいた。

さて次は、インドに旅行にでも行った際、美味しいカレー屋さんを見付けて、レトルト餃子でも持ち込んでみようか(オイ)。

#カレーにこれ入れる

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