#自己紹介をゲームで語る

こんなゲームブックを作っています。

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招待

君は痛む頭を抱えながら、暗がりで目を覚ます。
ジメジメした湿気と血の匂い。やがて、暗闇に目が慣れると共に、少しずつ記憶も甦ってくる。
なんという不運だろう。
旅人として「魔法の都トラス」を訪れた君は、到着早々、へまをして街の警備兵に逮捕されてしまったのだ。金持ちの財布をすろうとしたとか、酒場の飲み代を踏み倒したとか。あるいは、人ごみに押されて貴族の隊列を乱したとか、路上の喧嘩に巻き込まれたとか、君自身の責によらない些細な罪だったかもしれないが、今となってはそんなことは問題ではない。
余所者である君はろくな審理を受けることもなく、トラス市政府独特の犯罪者の処分方法として悪名高い、この「審判の迷宮」に放り込まれてしまったというわけだ。この街へ来る前に耳にした噂を思い出す。
都市国家トラスの地中に拡がる、この驚異の地下迷宮はどのように作られたのか。いつ、だれが、何のために?
そんなことは知る由もないが、一つだけ確かなのは、ここから脱出した人間が皆無ではないということだ。

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ある者は類まれなる武勇を活かし、またある者は神をも恐れぬ大胆さと強運によってこの迷宮を脱出した。そして、ある者は腕前を見込まれて闘技場の花形剣闘士となり、ある者は軍のエリート部隊にスカウトされ、またある者は迷宮で見つけた財宝を元手に富を築いたという。迷宮からの脱出は単に無罪放免となるだけでなく、人々の賞賛の対象ですらあるのだ。
希望が無いわけではない。
問題は脱出に成功した者が、ここに放り込まれた者の一割にも満たないという事実だ。
落下による負傷と飢えと渇きにより、君の生命点は8点減った状態からスタートする。
(君の本来の最大生命点は18点あるが、現在の生命点は10点しかない)
さあ、ページをめくりたまえ!

迷宮審判

ゲームブック『迷宮審判』より
https://play.google.com/store/apps/details?id=clark_and_company.gamebookc

#自己紹介をゲームで語る #自作ゲーム #ゲームブック #小説 #短編小説

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