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ジョブシェアリングとは~人材を惹きつけ生産性も上げる仕組み~

こんにちは、クラレザパートナーズの馬場です。
最近日本でも耳にする機会が増えてきた「ジョブシェアリング」について、ご紹介します。

ジョブシェアリングとは、一つのポジションの役割を複数名で分担して遂行する仕組みです。

例えば、財務マネージャーとしての業務を1人が週3日行い、もう1人が週2日担う、という具合に。決算期など業務量が増える時期には、週3日ずつ分担するといったことも可能です。

ジョブシェアリングは、欧米では1970年代頃から使われてきた仕組みと言われており、決して新しい仕組みではないものの、近年改めて注目度が高まっているようです。

なぜでしょうか?


ジョブシェアリングが注目される背景

米国労働省のウェブサイトでは、ジョブシェアリングの利点ついて、このような説明がされています。

”The benefits of job sharing are said to include increased morale and productivity. Job sharing can also be an attractive way to recruit new employees and retain current ones."
(ジョブシェアリングの利点の一つは、社員の士気と生産性の向上と言われている。採用したい人材を惹きつけ、優秀な人材の離職を防止するためにも有効な手段となり得る。)

欧米に限った話ではありませんが、コロナ禍を経て、人々の働き方に対する意識は大きく変わったと言われています。特に、働き方の柔軟性に重きを置く人が増えました。

米国のある人材紹介会社の調査によると、正社員のうち44%「週4日勤務が認められるなら、正社員を辞めて非正規の社員となることを検討したい」と回答。また、45歳未満の回答者のうち74%は、「今後米国の経済をけん引していくのは正社員ではなく非正規労働者」と考えているそうです。

人材獲得競争が激化するトレンドが続くと見込まれる中、人材が企業を選ぶ際に重視する「柔軟な働き方」をジョブシェアリングを通じて実現することによって、人材の採用と離職防止を図りたいという思惑があるようです。

ジョブシェアリングのメリット

ジョブシェアリングが注目される理由は、採用への効果だけではなく他にもメリットが多いからです。

ジョブシェアリングでは元々1人で行っていた業務を分担することによって、1人にかかる負担が軽減され、それぞれがよりフレッシュな状態で仕事に取り組むことができます。

特に大きな責任とプレッシャーを背負うポジションの場合、日々の忙しい業務から離れて考える時間があることは、良い意思決定を行い、高いパフォーマンスを発揮し続けるための助けとなります。

また、"3人寄れば文殊の知恵"と言うように、複数の人が知恵を出し合うことによるメリットもあります。異なるバックグラウンドを持ち、そのポジションを担うことができる経験とスキルを有する人材が複数いることで、お互いに刺激し合い、学び合う効果が期待できます。

加えて、ジョブシェアリングは多様性の推進にも寄与すると言われています。例えば、女性は一般に男性と比べて仕事に費やすことのできる時間が少なく、仕事に多くの時間と労力をコミットすることが求められがちな上級管理職への昇進をためらう傾向がありますが、ジョブシェアリングができればそのハードルは無くなります。

人材の採用と離職防止生産性向上、そして多様性の推進。企業側にとってもメリットが大きいことから、ジョブシェアリングへの注目度が高まっているのです。

留意点と課題

一方、ジョブシェアリングには留意点もあります。

まず当然ながら、ジョブシェアリングを行う者同士の連携が肝心です。お互いの働く時間をどう分け合うか、業務をどう引き継ぐか、お互いの責任をどう分担するか等、あらかじめ相談して決めておく必要があります。その上で、状況に応じた柔軟性が必要になる場面もあるでしょう。例えるなら、ペアで行うスポーツ競技のように、互いに連携しながらプロフェッショナルに働き、成果を出していくことが求められます。

ジョブシェアリングは周囲にとっても簡単ではありません。関係性の構築、上司による評価、部下とのコミュニケーションなど、1人ではなく複数人が対象となれば容易ならざることは想像に難くないでしょう。

ジョブシェアリングを行う当人たちにとっての留意点としては、まず給与が減ること。もしジョブシェアを始めた時から状況が変わり、労働時間をフルタイムに戻して給与も増やしたいと思っても、相手の都合や会社との調整が必要となるなど、変更が難しいケースも想定されます。

そして何よりも課題となるのが、ジョブシェアリングを行う相手を見つけることです。

そのポジションを担うためのスキルや経験だけでなく、ジョブシェアリングを行う能力や、ジョブシェアをする相手との相性も欠かせません。その上、働く時間や給与も折り合いがつけられる人材を見つける必要があります。もし運よく見つけられたとしても、その相手が退職したりすれば、また新たな相手を探さなくてはならなくなります。

導入にあたって

ジョブシェアリング導入にあたり、最大の難関は相手を探すこと。欧米の会社の中には、社内でジョブシェアリングの相手を探すためのアプリを導入する企業もあるようです。

日本で社員同士のジョブシェアリングを本格的に導入するためには、人事制度の整備や就業規則等への対応など、運営面を含め相当な検討が必要になることが想定されます。

もしジョブシェアリングをもう少し手軽に始めたいなら、社員同士ではなく、社員と外部のフリーランス人材との間でジョブシェアリングを行うことを検討してみると良いでしょう。ジョブシェアリングを行う相手が社外人材の場合、労働時間の分担やジョブシェア解消時の調整の面で、社員同士の場合と比べてハードルが下がります。

当社のような、フリーランス人材を業務委託契約に基づき提供するサービスを活用すれば、良いジョブシェアリング相手を見つけることができるかもしれません。

もし外資系のマネージャー以上のポジションでのジョブシェアリングを検討されている方がいましたら、当社ウェブサイトよりお気軽にご相談ください。

最後は少し宣伝になってしまいましたが、人材の採用や離職防止、生産性向上等の面でメリットの大きいジョブシェアリングについて、今回ご紹介させていただきました。

最後まで読んでくださりありがとうございました。


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