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テクノロジーの進化で“ポツンと一軒家”があちこちに建つかもしれない?

ポツンと一軒家という番組がやってますね。私の親世代(還暦くらい)が好みそうなイメージで、何回か見ましたが、結構おもしろかったです。

ただ私がこの記事で言いたい“ポツンと一軒家”は、番組が描くような、人里離れた地域で苦労しながらも暮らしている様を観てノスタルジーを感じるのではなく、

むしろテクノロジーの進化によって都市で暮らす便利さを享受しながら、ポツンと一軒家に住める時代が来るのではないかと言うことです。

リモートワークの休憩中にこんな景色を観ながら休憩できたら最高じゃないですか?

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その為のキーは、

テクノロジーの進化と人間の内面のアップデートにありました。


この記事を読んだらあなたもポツンと一軒家に住みたくなるかも?


熊野古道にあったポツンと集落跡

一昨年、熊野古道(紀伊田辺から熊野本宮大社まで)を歩きました。

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本当に圧巻の山並みや自然が素晴らしく、厳しい道のりでしたが、とてもよい旅になりました。


本題はここから、その道の途中の山中に「集落跡」という案内板が立てられている所を何箇所か見ることができました。(下の写真を撮ったところの近く)

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しかも割と最近の昭和初期、大正まで人が住んでいたと書かれていました。

それを見て、正直…どうやって生活するの??って感じました。


水(川)はある、木もあるから、薪を燃やせば火は起こせるけど、畑は無いし、電線来てないし、人の多い町までは歩いても、できて一日一往復。


その時は現代人には無理だなと率直に感じました。


薪を燃やして、炊事やお風呂に入ったりする生活をずーっと続けるのは現代社会では無理です。

好きな方がとことんやればできると思いますが、そういった事を楽しめる人はそう多くありません。

一旦上がった生活水準を下げるのはとても難しいです。

いくら江戸時代の生活に憧れたとしても、便利さを知っている私達がその生活に馴染めるかというと至難の業だと思います。

しかし、私が考えるポツンと一軒家は、現代社会に生きる人が、明日からそこに暮す事になっても、ほとんど同じような生活ができる家と環境のことを指します。

生活に必須なインフラはどうする?

人里離れた場所に住むとなると、懸念されるのがインフラです。

江戸時代は、電気、ガスは無く、薪を燃やして炊事をしていたので、薪は山から調達すれば問題ないけど、現代ではそうはいかない。

100歩譲って竈門で煮炊きしたとしても電子レンジは火では使えない、もちろん冷蔵庫も動かない。これら細かい物も含めて我慢しなさい!ってなると現代的な文化的で最低限度の生活は不可能。
(何度も言っちゃうけど、これが楽しめる人は別。)

現代社会から電気を切り離すことは不可能です。

電気を通すに電線が必要で、電線を架設、維持管理するにはお金かかる。

だから電線の無い熊野古道の山中に住もうと思っても、物理的に不可能だよねっていう時代が続いてきた。(道路も同じですね)

テクノロジーの進化が可能性を開く

この常識をテクノロジーの進化が破ろうとしています。

自然(再生可能)エネルギー
蓄電(電池)技術の発展
ドローンの発達
5Gの普及
などなど

複数のテクノロジーが少しずつ進化することで、
気づいたら一気に常識が変わっている可能性があります。

もう家に電線を引かない完全オフグリッドで生活されている方がいらっしゃいますね。
発展途上国の経済的に豊かでない地域でも維持管理できる水浄化システムが開発されています。
ドローンでの遠隔地への荷物配送実験はスタートしてますし、
人を運ぶ、“空飛ぶクルマ”も実証実験が盛んです。
空を飛んで移動できれば、道路整備も不要ですよね。

電気、水、道路などのネットワークの整備が無くても、暮らしが成り立つなら今まで常識がひっくり返ますね。

※但し、リモートワークが出来ることとそういった山中でもネット環境(5G)が整うことは絶対条件となってはきます。

実際住むメリットは?

あえて人里離れた所に住むメリットとして

都会では感じられない、音、温度、景色、を感じながら豊かに暮らせる。というところがあります。

でもこれだけじゃほんのひと握りの人しか住みませんよね。

では、税金や光熱費がめちゃめちゃ安いとどうでしょう?

実質かからないどころか、十分な援助がもらえたら住めるような気がしてきませんか?

電気も水などのライフラインを自給自足し、道路整備も自分でやるなら、税金はうーんと安くても良いはずです。

※(税金が安いかどうかは分かりませんが、ロシアの地方では道路補修は住民が行っているそうです。)

電気代も都会の電気代は上げて、地方は安くするというようなスキーム(排出権取引みたいな)を構築すれば、メリットは出せそうです。(今も福島や新潟で東京の電力作ってますが、地方の人からすればメリット無いですもんね。)

現実的かどうかは別として、日本でできないってことは無さそうです。(大混乱はするでしょうけど)

遠い山から日が登り、落ちるのを毎日見ることができたり、四季の変化を感じながら生活できるのはこの上ない贅沢だと思います。毎日朝食を外で食べてその様子をライブ配信したら、景色を楽しみたい人がたくさんフォローしてくれる。なんてこともできたりするかもしれません。

残る課題

なんかできそうな感じがしてきましたが、大きな課題が残っています。

安全に関する課題です。

過疎地ですから事故や病気をした時、搬送に時間がかかります。

トラブルも少ないと思いますが、招かれざる客が来る可能性はあります。

警察・消防・救急のサービスが受けにくいというデメリットがあります。

鬼滅の刃でも山に住んでいた炭次郎の家が鬼に襲われていますし、昔の日本ではポツンと一軒家はリスクだったんだと思います。

昔の武士が一所懸命に領地を守ったように、人口が減り、行政サービスの質も低下せざるを得ない未来では、ある程度自分の安全は自分で守る時代が来るのではないかと思います。

また、どう生きるか、どう死ぬかということも問われるのだと思います。

一昔前はゴルフ場で脳梗塞を起こしたら命取りでした。

しかし今では、ドクターヘリなど救急搬送の進歩や医療関係者の努力によって、後遺症が残っても生きることが出来る確率が高い世の中になりました。

長生きリスクに備えるという保険まで登場していて、良くも悪くも長生きできる世の中です。


もし急病になった時に搬送が難しいとしても、自然を感じられるの中で生きていきたいという人がいれば、尊重される世の中になっていって欲しいと思います。(逆に都会での安心、便利な生活を求める人がいれば、それも尊重される)

そんな1人1人の願いに寄り添える社会を実現していく為には、死=終わり、失敗といったイメージから脱却し、1人1人がどう生きて、どう死んでいけば幸せかを改めて考えて、乗り越えていく必要があると感じています。


テクノロジーの進化と共に、人の内面をアップデートしていければ、きっと良い未来が開かれて、ポツンと一軒家がトレンドになっているんじゃないかと思います。




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