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Life is like a film

主人公のいない映画を作ってみたい。

人生を映画とすると誰もが主人公だなんて、聞き飽きた。みんな自分のことばかり考えて、自分でいっぱいいっぱいになって。けれども、他人を愛す前にまずは自分を愛さなければと、自分磨きを兼ねた自己愛を撫育し、結局は自分の泡の中で淀んだ空気を吸う。

要するに自己中バランスが均等かどうかで、自分しか見えない危うい人間か、自分をよく知る頼もしい人間かで分かれる。

私はひとり時間を重宝していて、誕生日は一人旅をすることに決めている。大人数で集まってまで祝ってもらうのが何だか恥ずかしくて。生まれてくれてありがとうよりも、産んでくれてありがとうな気がする。それはさておき、何ならもっと自分のことを知る旅に出ようと、十九の年は雨の降る海へ。本来なら日出を無人の砂浜で見たかったけど、それはまたの機会があればに。当日雨降るのも天気予報を確認した上での計画実行。何もかもが自分の思い通りに動くわけではなく、天気みたいに私の喉が声で裂けても、横断歩道のど真ん中で反抗しても変えられない物事は存在する。

イギリスへ来てから2年、私はより自分が今この瞬間でどう感じているのかを深く掘り下げるようになった。考えすぎる癖があったのを、現実か脳内で起きたか混乱する前に、まずは行動に起こす。心の中で30以内の数字でラッキーナンバーまで数えたらとりあえず立ち上がって行動する、とか。モヤモヤに縋りつけられるのが苦手な私は、長坐される前に送り出す作業をしている。決断した回数が増えると、少しずつ軸が正され、最初は伝えられなかった言葉も、離れられなかった座席も、費やしたくなかった時間も、朧げで邪魔だった塊は解かれていく。かき分けて探すとやっと素の自分がど真ん中に縮まっていることに気づく。

矛盾です。結局はあぶくの中。

続きはまた。今の私にはまだ分からないし、お腹減ったし、冬至だし。

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