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睡眠と記憶の関係

今回は睡眠と記憶の関係の話。


睡眠と記憶容量

睡眠をとると脳がリフレッシュされ、
新しいことを学習する準備ができます。

脳がどう記憶を管理してるかご存知ですか?

普段私たちが新しく記憶を記憶するところは
海馬と呼ばれる脳の部分で長い指のような形をしています。

ここにはその日に初めて会った人の顔や電話番号など、
新しい情報が一時的に保存される場所です。

しかし無限に新しいことを覚えられるわけではありません。
海馬の容量には限りがあるのです。

容量がいっぱいで単に覚えられないならまだしも、
前の記憶が上書きされてしまうこともあるのです。
これは干渉忘却と呼んだりもします

だから人間の脳は記憶の整理を毎日行なっているのです。

海馬に収められた記憶は短期記憶です。
ちゃんと必要なものは長期記憶として保存しなければなりません。

毎晩、睡眠をとると容量の少ない一時的な記憶の倉庫から、
容量の大きい長期的に保存できる倉庫への
記憶の引っ越しが行われるのです。

長期記憶は脳のてっぺんにある大脳新皮質というところにあります。
例えるのであればメモリとハードディスクのような関係ですね。

つまりは睡眠中に大事な短期記憶を長期記憶へと引っ越しをする。
そうすることで海馬の中を綺麗に掃除することができます。
また起きた時には新しい記憶を取り込む準備ができている。

睡眠がその大切な作業を担っているのです。


レム睡眠とノンレム睡眠

この2つの睡眠の種類について知っていますか?

レム睡眠とノンレム睡眠が交互に行われる。

このことを知ってる人は多いかと思います。
そのとおりで人間は眠りにつくとノンレム睡眠に入り、
以後レム睡眠と交互に90分~120分のサイクルで繰り返していきます。

レム睡眠とは英語ではREMで rapid eye movement
頭文字を取った略称です。
つまりは早い目の動きをする睡眠ということですね。

レム睡眠中の人の目を見てみると、
瞼の下で眼球がよく動いているのが分かります
夢を見たりするのもこのレム睡眠中ですね。

ノンレム睡眠は逆にそのまま早い目の動きをしない睡眠です。
Non REMですね。
主にこのノンレム睡眠中に、
脳は短期記憶から長期記憶への記憶整理を行います。

睡眠中の脳を観察するとノンレム睡眠中には
海馬大脳新皮質との間で高速に移動する
電気信号を確認することができます。

この電気信号が記憶ファイルの移動を示してるのでしょう。


睡眠を挟むと記憶の定着率が上がる

さらに睡眠は記憶の定着率もあげることができます。
今までに数多くの研究がされてきています。

例えば、新しい情報を伝えた人たちを二つのグループに分け、
最初のグループはすぐに8時間寝てもらい、もうひとつのグループは8時間起き続けてもらいます。

睡眠をとったグループは記憶の定着がうまくいったのに対し、
起きていたグループはその新しい情報の大部分を忘れていたのです。

数多く行われているこのような研究では、睡眠を挟んだ記憶の定着は
20%から40%ほど上昇するという結果になっています。


昼寝も効果あり

ノンレム睡眠には眠りの深さがあり
ステージ1からステージ4までその段階が分かれています。

具体的にはノンレム睡眠の浅いステージ2
記憶のリフレッシュ作業が行われるようです。

しっかりとノンレム睡眠が含まれていれば、
昼寝でもその効果を発揮することができます。

昼寝を挟んでの学習は、
海馬の容量が空けながら効率の良い学習になるということですね。


睡眠で効率を上げる

いかがでしたでしょうか?

今回はノンレム睡眠の話をしましたが、
レム睡眠にも「記憶の整理」と言う重要な役目があります。

人類がここまで文明を発展させてこれたのも、
レム睡眠のおかげと言われているのです。

ノンレム睡眠とレム睡眠のタッグで
記憶という膨大な情報を記憶し整理しているのです。

睡眠が十分に取れないと必ずどちらかが不足してしまいます。
人間は生存理由以外で自分の意志で睡眠を削る唯一の動物です。

2018の OECD の調査では日本の平均睡眠時間はワースト1

何かと犠牲になりがちな現代人の睡眠ですが、
学生や子供達はもちろん、大人もしっかりと睡眠をとることで
学習や仕事の効率アップにつなげたいですね。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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