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柑橘類の薄皮をアルカリで除去する

柑橘類の薄皮をアルカリで除去する

以前、『柑橘類の薄皮を酵素で除去する』では、酵素を使って、薄皮を取りのぞきました。

柑橘の薄皮の主成分はご存じ、ペクチン。ペクチンは アルカリ性の溶液でも溶かすことができます。台所で一番、簡単なアルカリ性の薬品といえば・・・・・・そう、重曹です。

みかんなどの柑橘、今回は黄金柑 適量
重曹 大さじ1
水 500cc

炭酸水素ナトリウムは掃除などにも使われますが、食品グレードの製品を選んでく

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揚げ物にぴったりの醤油の泡ソースのレシピ

揚げ物にぴったりの醤油の泡ソースのレシピ

最新調理テクニック紹介シリーズです。エルブジのテクニックの一つ「ヌーベ(雲)」はクリームなどを使わずに液体を泡立てる技法。エルブジでは醤油のヌーベ を玉ねぎの天ぷらに添えたり、アンコウの肝と組み合わせてました。

今回は醤油の泡ソースをご紹介します。

醤油の泡ソース
醤油 60cc
みりん 40cc
出汁 100cc
ゼラチン 5g(板ゼラチンなら2枚)

材料はシンプル。オリジナルのレシピで

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カリフラワーのピュレ

カリフラワーのピュレ

ソース代わりに活躍するカリフラワーのピュレの作り方をご紹介します。

カリフラワーのピュレといえばパリの二つ星、passage53の佐藤伸一シェフのスペシャリテ、イカとカリフラワーが有名です。これはカリフラワーを茹でてから大量のピーナッツオイルと一緒にミキサーにかけてマヨネーズ状にしたものとさっと火を通したイカを組み合わせた料理。大量のピーナッツオイルを混ぜ込んで乳化させるところに特徴があり、ナッ

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フェラン・アドリア風スペインオムレツの作り方

フェラン・アドリア風スペインオムレツの作り方

トルティージャはスペイン風オムレツ。ポテトと玉ねぎ(入れない派の人もいますが)が入ったスパニッシュオムレツはバルの定番メニューの一つで、どこのお店にも並んでいます。フランスやアメリカでは卵料理は朝食、という印象の料理ですが、スペインではおつまみやメインなど夜に食べる、というのがお国柄の違い。そして、貧しい時代、ジャガイモで卵の嵩増をして分け合って食べた庶民の知恵が詰まった料理です。

コツはただ一

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モッツァレラチーズとトマトのスープ

モッツァレラチーズとトマトのスープ

エル・ブジのフェラン・アドリアのチームが体系化した創作メソッドは料理がどのようにして生まれるのか、というフローを整理したもの。僕はエル・ブジによるこの創作メソッドはエスコフィエが著した『料理の手引』に続く、料理の体系化を試みたマイルストーンとして重要なものだと考えています。

さて、彼らの創作メソッドの一つに『アダプテーション』があります。アダプテーションとは日本語でいうと翻案。既存の料理を自分た

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しいたけのマーマレードの作り方

しいたけのマーマレードの作り方

マーマレードという名前がついていますが、塩味のコンディメント(調味料)です。ステーキとは最高の相性なので、シイタケが安売りされているときにまとめてつくり、冷凍しておくといいでしょう。元ネタはmodernist cuisineで、オリジナルレシピは塩分が濃く、しょっぱいのでその部分を調整しました。材料も減らしてあります。

しいたけ 180g〜200g (2パック)
バター 20g
玉ねぎ  50g

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マイクロトマトのグラッセ

マイクロトマトのグラッセ

マイクロトマトを買ってきました。

マイクロトマトはあたらしい品種で、主な産地は愛知県。1cmほどのミニトマトよりもさらに小さいのが特徴。最近、レストランなどではトッピングとして使われています。やや割高のため、家庭菜園で育てるのもアリです。

こんなに小さくてもちゃんとトマトです。味も濃いですし、プチッと口の中で弾ける感覚が面白いです。飾りとして使われることも多いですが、ある程度の量を口に入れたほ

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俺のジンを作る

俺のジンを作る

流行っているクラフトジン。クラフトジンに定義はありませんが、比較的小規模な醸造所でつくられるジンを指すことが多いようです。とはいえ最近は大手もクラフトジンを冠につけた商品を市場に投入しているので、簡単には言い切れないところですが、スタンダードなジンよりも個性的な風味のジンが多いようです。

先日、note酒場でヤマシタさんが用意してくれた昆布入りのジンを飲んだのですが、これが絶品。別の場所で山椒の

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三つ星級の卵料理『アルページュ・エッグ』

三つ星級の卵料理『アルページュ・エッグ』

卵料理には様々な加熱方法がありますが、今日は個人的に気に入っている三ツ星レストラン「アルページュ」のシェフ、アラン・パッサールさんの卵料理をご紹介します。「卵のショーフロワ キャトルエピスとメープルシロップ風味」という料理です。冷たいクリームと温かい卵黄という組み合わせの料理です。

この料理、現在は『アルページュ・エッグ』という名前で世界中のレストランでオマージュされています。例えば同じ三ツ星レ

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紫色のジャガイモ〈シャドークイーン〉とはちみつとビネガー風味のサバイヨン

紫色のジャガイモ〈シャドークイーン〉とはちみつとビネガー風味のサバイヨン

タイトルからしてカタカナが一杯で「うんざり」という方もいるかもしれませんが、今日はジャガイモ料理。とびきり美しい紫色のジャガイモを頂きました。

シャドークイーンという紫肉品種「キタムラサキ」の開放受粉種子より選抜された物を育成された品種のジャガイモ。アントシアニンが豊富で、チップス、フライにも向いています。

ジャガイモを短時間で調理するには電子レンジが一番。電子レンジにジャガイモをかけるとよく

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マスタードアイスクリームの作り方

マスタードアイスクリームの作り方

現代料理の発見の一つは『塩味のアイスクリーム』。エルブジのフェラン・アドリアは『-8℃のアイスクリームがあったとして、2℃に冷やされたのムースのあいだにはたった10℃の温度差しかない』という主旨の指摘をしていますが、フェランはムースというコンセプトを発展させ、「チキンカレーのアイスクリーム」などのレシピを考案、塩味のアイスクリームというコンセプトを創造しました。

今回、ご紹介する『マスタードアイ

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ニンジンのサラダ 味の違いは塩を振るタイミングにあり

ニンジンのサラダ 味の違いは塩を振るタイミングにあり

パリにある三つ星レストラン「アルページュ」は野菜料理で有名。シェフのアラン・ パッサールさんは火入れの的確さで名が知られたシェフでしたが、狂牛病騒動などをきっかけに野菜料理の探求にのりだし、現在も三ツ星を維持しています。

数年前にアラン・パッサールさんが「le point」というサイトで野菜料理の連載をしていたのですが、その一つで『ニンジンのサラダ』を紹介していました。その作り方がちょっとおもし

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皿のアクセントに〈シンプルレースチュイル〉

皿のアクセントに〈シンプルレースチュイル〉

リクエストがあったチュイルのレシピです。チュイルとはフランスの屋根瓦に使ったタイルのことで、本来は少し湾曲させるのですが、今ではパリパリのお菓子や料理のパーツをそう呼びます。

現代料理では皿の上で食感のコントラストをつけることも重要。そこでこんなパーツを準備しておくと重宝します。イカ墨で黒に着色したこのパリパリは一時期、ちょっと流行ったので、今使うのはなかなか難しいところもありますが、手軽ではあ

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ベーコンとバナナのマドレーヌ

ベーコンとバナナのマドレーヌ

3/31日のイベントのお土産として配布した『ベーコンとバナナのマドレーヌ』のレシピです。イベントのお土産なので普通に売っているお菓子では面白くないだろう、と考えたのがこのベーコンとバナナのマドレーヌです。パティシエはまずつくらない組み合わせ。

家でつくるには分量的にやや多いので表記の分量は写真の半量にしています。これで8cmのマドレーヌ型24個分が目安です。これでも多いので、さらに半分にしてもい

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