【映画感想】『浅草キッド』
書けない期に入ってしまいました。笑
先月末から仕事に忙殺され、エネルギーを奪われて、週末はひたすらダラダラと過ごし、TverやNetflixでぼーっとドラマは見ていたものの、書く気力もなく、映画館にも行けず。
先ほど劇団ひとり監督『浅草キッド』をNetflixで見ました。
リハビリのつもりで少し書いてみます。
本作は、劇団ひとり監督が7年かけてようやく実現した、監督自身の“推し”の映画です。
幻の浅草芸人と呼ばれた深見千三郎の下で修行を始めたタケシ。やがて苦境に立たされる師匠と対照的にタケシは人気を博してゆく。芸人ビートたけしの誕生秘話。
(Netflixより)
劇団ひとり監督は、柳楽優弥さんにビートたけしさんと通じるような孤独な佇まいを感じ、タケシ役をオファーしたとのこと。確かに柳楽さんはどんな役であっても孤独が滲み出るような、もともと持っている雰囲気があります。それはデビュー作の是枝裕和監督『誰も知らない』の時からずっと変わらない部分ではないでしょうか。
素の目ヂカラが強すぎて、どんな役でも柳楽さんに見えてしまうようなところがあって、色々な役をやるのは難しいだろうと思うのですが、実際作品を見ると柳楽さんは柳楽さんだけど、どれもやっぱり違っている(当たり前だ)。
本作のビートたけしさん役では、体型も含む「姿」がとても似ています。猫背にがっしりとした体躯。こんなにがっしりした体型だったのを知りませんでした。
原作のビートたけし著『浅草キッド』を読んでいないので、たけしさんの師匠である深見千三郎という芸人について全く知らないしイメージもないのですが、大泉洋さんの演技によって、人となりがありありと浮かび上がってきます。こういう人が確かに存在した、と思わせる自然さで、改めて大泉洋さんの技量の大きさを知りました。
また、漫才コンビ・ナイツの土屋伸之さんがたけしさんの相方きよしさんを演じていますが、ツービートってこんな感じだった気がする、という感じですごく馴染みがいい。
ふたりがツービートになる前の下積み時代、地方まわりをしている時に客ともめた時のシーンでこんなやり取りがあります。
「なんなんだお前は」
「… 芸人だよ、ばかやろう」
このセリフに(しかも柳楽さんのあの表情)、現役芸人さんたちは痺れるんじゃないでしょうか。そして、後にこれを回収するシーンが出てきて、芸人じゃない私たちも痺れる、という仕掛けになっています。
門脇麦さんがストリッパーの千春というちょっと切ない役どころを演じていて、ダンスも披露。器用な役者さんです。タケシとの、恋には発展しないけれども何かが通いあう関係がすごくよかった。
楽しませてもらいましたが、映画というよりテレビのスペシャルドラマのような感じがしました。それがいいとか悪いとかではないし、じゃあ映画とドラマの違いってなに? と問われたら、モゴモゴむにゃむにゃしてしまうのですが(これはほんと、何がどう違うんだろうというのはよく考えたいと思っています)。わかりやすくきれいにまとまり過ぎている気もしますが、それが悪いっていうわけでもないですし。
見たらたぶん、ちょっと元気が出ます。
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